「田舎の十字架、都会の争い」イニシェリン島の精霊 sironabeさんの映画レビュー(感想・評価)
田舎の十字架、都会の争い
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1923年、アイルランド内戦の最中、戦火と無縁のイニシェリン島。妹シボーンと暮らす中年のパードリックは、親友だと思っていたコルムから突然絶交される。何も心当たりがなく戸惑う彼は、周囲の人の手を借りて関係修復を試みる。しかし、コルムはこれ以上自分に関わるなら、自分の指を切り落とすと言う。
コルムは、パードリックの退屈な話に付き合っていられない、という理由。でも指落とすか?二人は、それぞれ飼っている動物に例えているよう。ロバより犬のほうが知性があるとでも言いたげな。田舎暮らしのくだらない話で一生を終わらせたくない焦り、知性への憧れをコルムは抱えている。しかし、やっぱり学がない、どっちもどっちということか。田舎で暮らしていると、わかる気がします。一方、読書好きのシボーンは、そこから逃げ出してしまう。でも、その先は、戦火の都会だし。
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