「内面は醜く、外面は美しい」イニシェリン島の精霊 bando-8さんの映画レビュー(感想・評価)
内面は醜く、外面は美しい
この映画が戦争やそれに関する寓話を描いているようには、僕には感じられなかった。
人の内面の醜さと、自然の美しさを、映画として誠実に描いた稀有な作品だと感じた。
自然の美しさは、人の物理的外面の美しさでもある。
しかし人の内面は醜い。あの完璧なまでに美しい風景の美しい人の営みのなか、切り捨てられた指の断面の醜さが際立つのは、それが人の内面を映像として表しているからに他ならない。
台詞を消して本作品をみたとしたら、さぞ美しく牧歌的な映像として視聴することができるだろう、指の断面以外は。
この美しい世界を地獄にするのは、人の心ただひとつであると、強く感じた。
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humさんのコメント
2023年2月12日
こんにちは
人間のために、無垢な者たち、美しい自然が犠牲になるのはほんとうに苦しいことだと共感します。
そしてまた、取り戻せるのも
人の心なのかもしれないと信じたい気持ちになる作品でもありました。