「期限と関係性の地獄」イニシェリン島の精霊 berkeleyさんの映画レビュー(感想・評価)
期限と関係性の地獄
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The Banshees of Inisherin
子供じみた喧嘩を始めた相手から聞かされるのは時間の期限の話だ。
優しさは記憶と歴史に残らない
一方で、優しかった人の悪辣さは人を傷付ける
そして去るべき有能な人は去っていく
バンシー(精霊)は、自作の曲のタイトルと一度落として、最後に意味を回収する。対岸の内戦の死者に人は興味を示さないように、バンシーは生物の死を予告し弄ぶが、生物は取り憑かれたかのようにその期限の中で苦しむ。あえて宗教とも隔絶して描くことで、寂寥感の中、非情になりきれない人間性が滲む。
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