「こじらせた話の映画のはずが、映画作品としてこじれてしまっている。」イニシェリン島の精霊 shoheiさんの映画レビュー(感想・評価)
こじらせた話の映画のはずが、映画作品としてこじれてしまっている。
アラン諸島の本島には以前行ったことがある。実際、あんな荒寥とした美しい風景の島。かつては岩だけの島だったのに、流されてきた海草を敷いて、徐々に牧草を繁らせていったらしい。アラン島のセーターもいい買い物だった。その懐かしさもあって、観に行ったわけだけれど、意外性やブラックユーモアを狙う作風が、監督がこじらせ過ぎちゃって、破綻してしまっている気がする。スリー・ビルボードだって、絶賛されるほど、そんなに傑作だったか・・・と思っているのだけれど、あれはまだそれなりに「つながり」があった。でもこの作品は比喩とブラックユーモアが噛み合わずに外れてしまっている。アラン諸島の風景がもったいない。
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