「骨の全てまで」ボーンズ アンド オール ひろみちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
骨の全てまで
結構好きだった。
この監督が映し出す"人"は本当に綺麗。
アメリカの田舎町に映る、社会からはみ出た2人の逃避行。その随所で切り取られる2人の表情が凄く印象に残ってる。
テイラーラッセルの現実を知った哀しみやときたま見せる本能的な表情。ティモシーのどこか幼さを感じさせつつも、重たいものを経験した上でのやるせなさ。
そんな負の感情の中で、2人が惹かれ合うなかで見せるあどけなく光を感じるような瞬間。
そのときどきで見せる表情が、背景と音楽と(あとだいたい車と)合わさってグッと心に何か訴えかける。
社会の中で孤独感を感じ、それでも生きていく。
背負ったもの・経験したものの重さはけっして1人ではかかえきれない。サリーや母親のように。
お互いを補完するかのように惹かれあって、
骨まで全て愛してる。
人肉食というかなりハードなテーマだけれど、
移り行く心情変化と、純愛の中で、ホラーにはし得ないどこか爽快感をも感じる、そんな後味がした。
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