TAR ターのレビュー・感想・評価
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音楽は動く
そんなに主人公が悪いようには感じなかったのだが、パワハラに鈍いのかもしれないが、余程主人公の方のストレスが強いと思った。若いチェロ奏者はあー今時のイヤイヤ感だしてるーで、そんなのが好きになっちゃうの?才能に惚れた?他の人のレビューを見てどういう意味なのかを拝見したがそれでも意味が分からんかった。
更なる高みへ
努力と才能に見合った地位を手にした所から始まる転落劇。正しい選択をしても過程を誤れば正しい結果を得ることはできないのは当然のことだ。
しかし、主人公は最高の演奏を求められる世界一のオーケストラの指揮者だ。民主的に正しい方法で音作りをしていては、途中で確実に空中分解してしまうだろう。
であるならば、楽団内部に軋轢を抱えることになろうとも、己の芸術性と名声を武器に独裁者になることも必要だろう。しかし、今の社会はそこから出てくる小さな軋みも聞き逃さない。
であるならば、権威の城からの転落は必然ということになる。何とか生き延びられたとしても、この時点の彼女では望む成果にはたどり着けないだろう。
しかし、捨てる神あれば拾う神あり。原点となった音楽への思いを取り戻したことで、新天地へと踏み出すことになる。
きっと、次こそは音楽への思いを忘れることなく、更なる高みを目指すのだろう。謙虚さや思いやり、用心深さと狡猾さも新たな武器にして。
…
バッハを否定する学生は、この作品の良き道標となってくれた。彼のシーンとラストシーンが、この作品の主たるテーマを表現していると思う。
…
演奏者のブラインド審査と、マッサージしてくれる女性を選ぶ水槽の対比は印象的だった。ただこの対比が何を表すのか、初見では理解できなかった。
彼女の絶頂と崩壊と
絵が上手に書ける人のほか、楽器ができる人は「人種が違う」と思うことにして自分自身を納得させ、自分のメンタルを守っている評論子ですけれども。
反面、楽器の演奏を聞くのは大好きなのてすが、そんな体たらくの故、クラシック音楽の指揮者・演奏家の世界にはまったく不案内なので、その限りでの(まったくの映画作品としての)評であることを、あらかじめお断りしておきたいと思います。
マエストロ(名門オーケストラの首席指揮者)の世界も、やっぱり「男社会」ということで、女性マエストロ(本来ならばマエストラ?)であるリディアには、何かと生き苦しい世界だったのでしょうか。
冒頭のインタビューシーンから、まずその彼女のその「立ち位置」か感得できるように思いました。
言ってみれば、そういう「ガラス細工」の上にリディアの権威は成り立っていただけに、いったん崩れ始めると、その崩壊の速さは、あっという間だったのだろうとも思います。評論子は。
彼女が、男子学生と意見が合わないことに苛立って、パワハラとも受け取れるようなに辛辣な態度をとったり、プライベートの性的な面(同性愛)では意外と乱雑気味(?)であったりすることが窺われることは、斯界で女性の地位が高くは評価されていないことのストレスの、いわば「はけ口」になもなっていたことでしょう。
そういうストレスのから、いわば内部崩壊を起こしてしまい、楽団を去ることにすらなってしまう―。
「強面」のような外面とは裏腹に、彼女の苦しかった?心情には、同情を禁じ得ないようにも思います。
解説的なセリフも少なく、会話主体の本作は、本物の鑑賞能力(洞察力?共感力?)が要求されますが、佳作の評価には値する一本だったとは思います。評価子は。
<映画のことば>
指揮者は作曲家に奉仕するの。自我もアイデンティティーも昇華させ、聴衆と神の前に立って、自分を消し去る。
(追記)
本作でのケイト・ブランシェットの演技が圧巻だったことは、まったく異論がありません。評論子にも。
(追々記)
評論子が参加している映画サークルの「映画を語る会」でお題作品として取り上げられていた一本でしたけれども。 今は地方暮らしをしている評論子には観る機会がなく、当時は「聴講生」として悔しさを抑えながら、話し合いを聞いていたものでした。
DVD化になり、ようやく観ることのできた作品でした。
鄙(ひな)に住んでいると、映画一本観るのにも苦労がありますけれども。
これも「艱難、汝を玉にす」の試練だと思い、乗り越えることができればと考えています。
『ブルー・ジャスミン』のケイトが帰ってきた
ケイト・ブランシェットは、『ブルー・ジャスミン』でセレブから真っ逆さまに堕ちていく女性を演じた。本作との女性指揮者リディア・ター役との大きな違いは、ターには自分を偽る嘘がないということだ。
嘘がない。自分にも他人にも極めて厳しい。思い込みとこだわりの究極の完璧主義者。だから頂点に立った。究極の真を追求しすぎた。いつしか自己肯定は他者否定につながり、パワハラ、スキャンダルに発展していく。
嘘があってもよかったのだ。虚栄心に溺れてもよかったはずだ。彼女の鬼気迫る演技は、そう思わせるほどの人としての意地が炸裂していた。音と映像が見事にマッチした空間で、彼女の孤高は際立っていた。
同性愛者のリディアの唯一の癒しは、妻シャロンとその娘との静かな生活。シャロンの控えめな存在感が光る。シャロンを演じたアンナ・ホスはドイツ映画の至宝。「東ベルリンから来た女」、「あの日のように抱きしめて」など秀作の主演に抜擢されている。あのケイト、ルーニーの同性愛を描いた「キャロル」とはまた違った視点で、ふたりのコラボの妙味を味わうことができる。
リディアの字幕のテロップが、すべて男性の口調で出てくるところも効果的だ。
リディアが失意のどん底の中、実家の部屋でバースタインのビデオに涙を流すシーン。
原点に帰る、初心に帰るっていいなあ。素顔のリディアがとても可愛かった。
張り巡らせてある伏線に疲弊。。。
冒頭のインタビューシーンは、なかなか印象的だ。
インタビュワーがター(ケイト・ブランシェット)の経歴を延々と話すのだが、ターはリラックスした様子で終わるのを待つ。
すべてについて自信たっぷりだ。
ジュリアード音楽院での講義では、バッハを嫌う一人の学生を完膚なきまで論破する。学生の″止まらない貧乏ゆすり″が、ストレスの大きさを表している。
とにかく、すべてのシーンに「伏線と思わせられる映像や音」がびっしりと張り巡らせてあり、見るのに大変な集中が必要になる。
気になったのは、
玄関チャイムの単調な繰り返し
ジョギング中に聞こえた女性の悲鳴
など。
観る側にも高いテンションがかかる作品だ。
終わった後、どっと疲れが残った。。。
サスペンス映画いやホラーに近い恐怖
始まりから、主人公のターが盗撮されている?
事件が始まる予感がありましたね。
オーケストラの指揮者のターが頂点にいる。
テレビのインタビューで、堂々としたたずまいで終盤私は愛を,選ぶと返事しています。
いや、そんな人間じゃないよねー🫵
もう、ケイトの演技が最高ですね。
ターはレズビアンを、公表していてお気に入りの可愛がりが、まぁ酷い。
ターに尽くす人間には、まぁ冷たい😱
そして、完璧主義、潔癖症であるターにとって事件をきっかけに、落ちて行く様子がまさにホラー映画さながらでしたね。
最終は、バカにしていたアジアに足を運び、潔癖症のターが自然に触れ、何かを感じ取ったかのようにも思わされました。
ラストにモンスターハンターの楽曲の演奏の指揮者の後ろ姿には、カッケーと思いましたね。
素晴らしい映画ですね👀
希有な女優ケイト・ブランシェットに酔え!
わたしはクラシック音楽は門外漢ですから、頂点を極めた女性指揮者がとあることから落ちぶれていき、そこから再生していく兆しを見せたところで終わるドラマとして鑑賞しました。
ドラマの表現としてはさほど激しくはないもののケイト・ブランシェットの立ち居振る舞いに魅せられて2間40分ほどが短く感じてしまいました。
あらためて彼女の力量に感心しきりでございました。
DVDで観るものではなかった
映画館で観ていれば集中してもっと楽しめたかもしれんがこれは家では観てはいけなかった…。
つまらなくて集中が途切れてついスマホをいじり出し内容が頭に全く入らなかった。。
真剣に観れば面白いのかもしれんが
音楽の専門用語や人物の名前がやたらたくさん出てきてついていけないのとセリフが多く、やたらずーーと単調でありこれは眠くなる。
急に主人公が殺人犯になり出したりしてサスペンスミステリー的な流れになり出したら面白かったが、、
戦闘ものばかり観てるとこういう映画がついつまらないと感じてしまう。
ストーリー的にもこれは本当に楽しいのか??
ちょっと個人的には微妙すぎると思った。
ケイトの演技が上手いのは分かるが、内容をもっと面白くしてくれ。
最後も訳がわからなかった。
唯一良かったシーンはブラウン管のテレビを観ている時の出演者の人の音楽に対するすごくいいセリフ。
ここはノートにメモしました。
ヨーロッパの巨匠監督の映画を見る脳ミソで鑑賞
個人評価:3.5
ミヒャエル・ハネケの作品を見ているかのような、不思議な旋律なストーリーだったが、最初から最後まで出ずっぱりなケイト・ブランシェットを、余すことなく堪能できる。
あまり情報をいれず鑑賞した為、掴みどころのないストーリーに戸惑ったが、最初からヨーロッパの巨匠監督の映画を見る脳ミソで鑑賞すれば、すっと入ってくる作品だったと感じる。
DVD初見。 尤もらしいが。 大物のスキャンダルを今風に捻っただけ...
DVD初見。
尤もらしいが。
大物のスキャンダルを今風に捻っただけの凡庸。
大女優の毎度の激演も、肝心の指揮動作が指揮っぽいでしょ?感丸出しで見てられぬ。
演り損。
Wの悲劇三田佳子の風格尊大繊細に軍配。
オチの据わりも悪い。
要するにツマラン。
にしても3時間
ケイト・ウィンスレット自身最高の演技、みたいに囃されてたから若干楽しみな気持ちもありながら鑑賞したが正直複雑だった。
ただ彼女の演技にだけ関して言うと、ワンカットが長かったり、セリフや立ち振る舞いも凄みを感じるものがあってなるほどな、と思えた。
ストーリー自体は複雑で難解な印象を抱いた。
出てくるワードが馴染みのないものばかりだったからか、登場人物の顔と名前が一致しないからか、とにかく分かりづらかった。
私の集中力不足ということも充分考えられるので、考察サイトを読んで細かい描写の意味する所に追いついたが、にしても3時間もかけて鑑賞した末に辿り着いたのがこんな感じかーという感じ。
部屋のインテリアや建物の内装、服装や車といった映画の世界観を彩る部分に関しては綺麗なものばかりでいいなと思った。
未来からのメッセージ
Q:姉さん、もしこれがヘテロの白人男性を主人公にしていたらどうだったでせうね?
A:たぶんヘビーではあるけどフツー、だったはず。
それを性的少数者の女性(しかし白人)にしたところにひねりがあって企画として目新しいし、権力もってる人間の暴力性に性別や性志向の差はない、って視点の徹底ぶりは「多様性」ガチ勢の考えた企画という印象。
冒頭からだいぶ長い時間、意図がわからないままただ映像を眺めるしかないシーンが続くので集中力が必要だし、会話で出てきた名前が何個かシーンを跨いで出てきたりするので記憶力も求められるのでつかれる。でもずっとジョーカーが出てるダークナイトみたいに、ケイト・ブランシェットから目が離せない。
しかし早い。早すぎる。人類にはまだ早すぎる。
よくエンタメは時代の半歩先くらいが丁度いいとか言われるけど、その点これは余裕で2歩先くらい先を行っていた。
旧世界の人間としては我が身を振り返ってほんのりと(かつての価値観に迎合して生きてきた)後ろめたさと同時に過渡期を生きるつらみを感じたりもした。冒頭のシーンとかなー、つい気持ちはわかる。ってなるもんなー。。
今このネタをやるんなら、180度逆のオチだったらもっとわかりやすかったんじゃないのかな、と思う。
でもきっと、こちとらそんな半端な覚悟じゃねぇ!って気合の入った人たちが作ってるんでせうね。
だからこれは目先のエンタメに満足しない未来からのメッセージで、今よりも5年、10年寝かした方がもっと良くなるんじゃないのかな。
ちなみに私はエンタメ映画が好きなんですねー(反省の色なし)。
正直、お腹のちょーしが悪く終始ゴロゴロしてたのもあり、割とがまん比べではあった。でも音の鋭敏さや画面の緊張感など、没入度は高いし劇場で見るべき作品なのは間違いない。
ラストは観客に委ねる系エンドかもですが、仮に「サンセット大通り」みたいな意図だとしたら、あれだけではちょっとわかりにくかったかな。。
選択肢が多すぎても困る
楽団で指揮者として活躍からのミステリー作品。
まず、序盤は鑑賞者に催眠術の耐久レースを仕掛けてくる。
無事突破すれば話は進んでゆき、不穏、そして最後は明後日の方向に飛んで行く。
メッセージ性などもあるので、
内容がよく分からない場合は解説サイトを見ることを勧める。
★評価+1くらいはされるかもしれない。
良い点
・楽団と話の掛け合わせ
・程々に怖い
悪い点
・眠い
・長い
ケイト・ブランシェットの演技はすごいけど……
ケイト・ブランシェットが凄い演技をしているようなのは分かるのだけど、自分はノリ切れなかった(^^;
物語としては、頂点を極めつつある指揮者リディア・ター(ケイト・ブランシェット)が世界最高峰のベルリンフェスで指揮するのだが、子供いじめ被害から始まって、副指揮者の馘切り問題、チェロ奏者のエコひいき⇒オーケストラとの不調和、若手指揮者の自殺⇒告発などなど様々な事が起こって精神崩壊状態となっていく感じなのだが、過去映画の『ブラックスワン』などと同系統の作品に見えたが、本作はやっぱり入り込めない感が強かった😥
なぜノリ切れなかったかを思うと、やはり登場人物の関係性が序盤で明確に把握できなかったことではないだろうか?
また、時々、リディアのドイツ語会話が字幕なしとなるのも、「アメリカ人が観ているのと同じ環境にするため日本語字幕を付けなかったのだろう」が良く分からない。
あと、尺が長めの割に[ツボ]らしいエピソードが無い……など不満が沢山出て来る。
自分に合わなかった映画であった…とするしかない感じであり、本作について今後いろいろ調べたりしてもう一回観よう…などという気は起こらない(^^;
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