TAR ターのレビュー・感想・評価
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文句なし!作品の世界に引き込まれる彼女の演技
文句なし!素晴らしい作品だった。ケイト・ブランシェントの演技はさすが。オーケストラが題材の作品だが、ターの栄光から堕落、そして再出発への流れが一つになるし、ターの感情・葛藤がスクリーンから物凄く伝わった。これぞ映画!全ては彼女の演技、作品のポイントになるクラシック曲、オーケストラが加わるのだから。
ちょっと退屈
長い。長かった。事前に把握してなかった💦
話に没頭すればそれなりに面白い。でも2度睡魔にも。
映画としてはノミネートされるだけある濃い出来映え。
が、ミーハーな私向きではなかった。
※苦手なフランス映画みたい。
またWOWOWでやったら倍速で観てみようと思う。
ケイト・ブランシェット渾身の演技で魅せる、この作品そのものが協奏曲。
ケイトの演技にあっぱれだ。舞台に立つ前の張り詰めた感じや気が緩んだ時の表情。縦横無尽に指揮棒を振る姿。
権威的な顔を見せたかと思えば、親の顔も時折覗かせる。講義やインタビュー時などの長回しとあの膨大な台詞の数……、彼女の実力たるものをありありと見せつけられた。
メトロノーム、ブザー、叫び声など本作は“音”を使った演出も素晴らしい。
順調だったはずのリディアのキャリアは、あることを境に崩れてしまう。転調してまた転調して、作品そのものに不協和音が鳴り響いている。
まだまだ男性社会なクラシック界で生きるレズビアンという設定も面白い。
若手指揮者の告発が真実なのか、フランチェスとの過去の関係などなど、白黒はっきりさせない部分が沢山ありスッキリしないけど、見応えはあった。
ちなみに、撮影現場で同時録音された音源が劇中で使用されているとのこと。サウンドトラックのクレジットには、ケイトの名前が“指揮者”として記されているというからさらに驚き(映画評論より)。
今作はケイトの一人勝ちです!
追記
バッハの「アヴェ・マリア」が好きです。
子ども20人作ろうがバッハが後世に残した名曲はこの先も後世へと受け継がれていくのです。
研ぎ澄まされた聴力の故に!
立ち上がりの超ゆっくりとしたテンポに比べて後半のテンポの速さに追いつけなくなります。
もっと演奏シーンが多いと思っていたけど?意外に少ないのが残念!
聴衆の前で指揮する前段階の指揮者の苦悩と自分の思い通りに演奏を進行させるための努力を思い知りました。
音
まさに今、日本でも世界的にも社会問題になっていることを見事に取り上げている作品
予備知識は一切なく、ケイト・ブランシェットが出演しているという理由だけで鑑賞したが、やっぱりすごい演技だった
シリアスな映画に対してこんなコメントを残すのは気が引けるが、、、冒頭に表示されるこの映画のタイトルは史上最も小さかったのではないだろうか
It's totally fiction.
才能と権力を手にした者の境地。
才能と権力を手にした者の境地。
そういう男性はよく見てきましたが、そこに性別は関係ない、という切り口がおもしろみのひとつかと。
ケイト・ブランシェット演じるリディア・ターは、指揮者として音楽業界から認められた人物。(実在の男性音楽家2名がモデルの、オリジナルキャラクターだそう)
リディアは、絶対音感を持っているがゆえ、精神的なプレッシャーを日常の"生活音"から感じ取り追い詰められていきます。
常人には感じ取れないレベルの不快感が、彼女を蝕んでいく姿にゾッとします…まさにホラーのうす気味悪さ。
予備知識入れずに見て問題ないですが、定点撮影の長回しが多いので、集中力保てるコンディションで臨むことをおすすめします…!
期待の通り、とにかくケイト・ブランシェットの演技が圧巻。。
まさに狂気…
予告編では「衝撃の…」という言葉が使われていますが、じわじわ来る系だと思うのでじっくり読みとること。そしてケイトの演技を堪能するといいかと思います…!鳥肌たった。。
侮れない! 見事にハマった「問題作」
努力を重ねた末、壮年期で権力を掴んだ成功者が、自らの力を過信するあまり周囲が見えなくなって…という古典的な寓話。
しかし本作がユニークなのは、その見せ方です。第一に、主人公をX世代の白人レズビアンに設定したこと。第二に、物語の舞台を、今なお男性優位が根強いクラシック音楽界にしたこと。第三に、物語が進むにつれてホラー・ミステリー風にじわじわと「変調」していくこと。
この三つの仕掛けに、私はまんまとハマりました(笑)。
実のところ、本作に描かれる「クラシック音楽界」はかなり単純化されており戯画的です。例えば、歴代名指揮者たちのアルバムジャケットを素足(!)で選別するシーンだとか、マーラー・サイクル(マーラーの交響曲全曲録音)で最後のレコーディングが第5番、といかにも“映画映えする”設定であるとか、非白人系でパンジェンダーの男子学生の「わかりやすい」貧乏ゆすりだとか、民族音楽研究からクラシックへの道へ進んだという主人公のキャリア設定とか…。
(ちなみに交響曲第5番のオケ・リハのシーンで、主人公は楽団員に対し「ヴィスコンティのことは忘れるように。映画をよく知っていても演奏には全く役立たない」と言い放ちます。言うまでもなく、これは映画『ベニスに死す』のこと。)
映画前半ではそんなカリカチュアされた世界が業界用語てんこ盛りで描かれるものだから、「クラシック業界に場を借りた、イマドキな世代間/ジェンダー間の対立の話ね」などと油断して観ていると、いつの間にか前述のホラー・ミステリーゾーンに迷い込んでいて、あわあわする羽目に(笑)。
ここから得た「教訓」は、本作のケイト・ブランシェット同様、アンソニー・ホプキンスの怪演が圧巻だった『ファーザー』を思い起こし、伏線が張り巡らされた前半部から心してかかるべし!ということ(笑)。
ところで、全編を覆うミステリアスな空気感に一役買っていると感じたのが、ベルリンのアパートで主人公が作曲中のピアノ曲です。彼女の「不穏」な心象風景を象徴するかのような単音の連なり…。
と、ここで連想したのが、キューブリック監督の遺作『アイズ ワイド シャット』で使われていたリゲティ作曲「ムジカ・リチェルカータⅡ」です。おぉ怖っ!(余談ですが、本作のトッド・フィールド監督は俳優時代『アイズ ワイド…』に出演。ケイト・ブランシェットも、ノンクレジットながら登場人物の吹替を担当していたのだとか)。
ほかにも「不穏」繋がりでいうと、深夜、聴覚過敏に苛まれる主人公や、“何か”に怯える幼いひとり娘のシーン、アパートの隣人のエピソード、冷厳なベルリンの点景描写などからは、ルカ・グァダニーノ監督版『サスペリア』を思い起こしたし、湖・雨・水溜り・浴室シャワー・台所のシンク・コップの水など一連の「水」にまつわる事象は、タルコフスキー監督の『ストーカー』『ノスタルジア』を連想させます。あくまで個人的な印象ですが。
出演者では、ケイト・ブランシェット、ノエミ・メルランのレズビアン役はもうここらでいいかな、と。むしろ、コンサートマスター役のニーナ・ホスは堂に入っており、見事な名演だと思いました。
そんなホスをブランシェットが、BGMにスタンダードナンバー「Here's That Rainy Day」をかけながら、ハグして慰めるシーンは、さらりと見逃しがちですが本作の白眉といえるほど素晴らしかったです。この曲、戦前のフランス映画『女だけの都』を原作としたブロードウェイミュージカルのナンバーだったのですね。本作で流れる曲はインストですが、原曲の歌詞を調べるとなかなか意味深で、この抱擁シーンと照合すると一層味わい深いですね。
だらだらと感想ついでに最後、もう一つだけ。
この作品は、私がステレオオーディオで交響曲のCDを最初に聴いた時のオドロキを彷彿とさせた初めての映画となりました。最初の1音でドッカーンとくる音圧の凄まじさをこれほど忠実に再現した映画は、ちょっと他に思い当たりません。ぜひともダイナミックレンジの広い劇場でご覧になることを猛烈プッシュしておきます。
加害者であり被害者。そして表現者
『TAR』なぜこのタイトルなのか?終盤にその意味がわかります。
今、この時代に語られるべき物語です。
序盤はまるでドキュメンタリーを見ているよう。
ケイト・ブランシェットの演技がとにかく素晴らしい。
表面には出ないように取り繕いながらも、その内面は興奮でゾクゾクしているのが手に取るようにわかり、その生々しい感覚が見ているこっちにまでダイレクトに伝わってきて、一緒にゾクゾクしました。
常に凛とした女帝のイメージをまとっている彼女が、恋する乙女みたいに骨抜きになってる演技は滑稽でもあり、かいがいしい演技は傷ましくもある。
さすがはアカデミー主演女優賞ノミネート。
今年のアカデミー賞のテーマは“ハリウッドドリーム”
平等なチャンスと正当な評価。「映画で夢を創る人の夢が叶うハリウッド!」だったと感じるので、エブエブ旋風が巻き起こるのにも納得。
でも、マイオスカーはブランシェット様に捧げたい。
どんな社会にも大なり小なり力関係があり、権力者の采配で決定することも多い。
とくに技術や数値など目に見える評価ではなく、表現力や芸術性といった主観に左右される分野では、実力の正当な評価はなかなか難しい。
ましてやプロとして対価を支払われる立場ともなれば、様々な利害関係も生じる。
そんな悪い慣習がはびこる業界に意識改革が起こっているのは誰の目にも明らかです。
アカデミー賞も、ボイコットやmeetoo運動を受けて差別/格差/ハラスメントを無くす取り組みが始まり、今年の賞に結びついたと感じています。
その一方で、急速な意識改革による“いきすぎた弾糾”が生じているとも感じます。
あたかも敗戦国の戦犯のような責められ方で全てを否定される。
実際、人の意識を変えるということは、敗戦国と同じような衝撃を受け入れることに他ならない。
昨日まで崇拝していた存在が悪になり、信じて疑わなかった価値観が覆される。
ローラーで地ならしをするように、関与の大小や影響に関係なく全てをリセット。
乱暴な荒療治だけれども改革するにはそれぐらいのことが必要で、私たちは今そのインパクトを目の当たりにしているのだ。
最新の価値観に照らし合わせて再評価していくなかで、過去の作品を擁護するのは甘さなのか?
悪しき価値観を引きずることになるのか?
一つの音から次の音へ。一つ一つの音の繋がりが音楽となり未来に続いていく。
歴史として振り返った時に、やっと答えが見えるのかもしれない。
本作の主人公は悪しき慣習のなかでサバイブしてきた。
音楽が自分を幸せにしてくれる筈が、いつしか地位や名声の為に音楽を利用して、周囲の人をも利用していた。
冷蔵庫の音にも過敏だった彼女は、街の雑踏の中に音楽を聴く。
音楽に優劣が無いように、人にも優劣はない。
全ての音楽に敬意を表するように、音楽を創る人、奏でる人、全てに敬意を表する。
そこから生まれた音楽は聴く人々の心に響き、またその聴衆にも優劣はないのだ。
圧巻のラストに心が震えました。
試写会にて
ケイト・ブランシェットの演技が卓越してた。
"リディア・ター"の演技は彼女じゃなかったら
務まらなかっただろうし、オスカー主演女優賞を
獲得しても何の違和感もなかったほど。
予告で繰り返された"映画史に残る衝撃のラスト"は
やや誇張的な表現でそのまま受け取るのは少し
危険かと思われるが、社会問題を真正面から
取り上げて展開する本作は作品賞ノミネートも
納得の作品。作中を通じて音がよかったです
迫真の演技に感激!
ケイト・ブランシェットのための映画です。その存在感は圧倒的で迫真の演技は本当に素晴らしかった。
加えて映像、音楽も見応え抜群で、長回しの演奏シーンは迫力がありとても楽しめました。
鑑賞後暫くして主人公のリディア・ターが実在の人物であると錯覚している自分に気付きハッとしました。
リディアの出会い
予告を見た後にシャンタル・アケルマン監督のアンナの出会いのオマージュシーンがあるのを知って、とても好きな映画なので楽しみにしていた
映像も音楽もリディアにも満足
孤独に彷徨い続けるリディア
公開前なので感想が書き辛いけど、モンスターにはなりたくない
SCREENさん、試写会をありがとうございました
とにかくケイト•ブランシェットの芸を観る作品!繊細な表情や演技など...
とにかくケイト•ブランシェットの芸を観る作品!繊細な表情や演技など、じっくり堪能できます。不穏な感じが隠されたミステリアスな展開も良かったです!ただ会話多めでストーリーもちょっと分かりにくい158分。体力と集中力がある時にオススメ。
トッド・フィールド 監督 16年ぶりの長編は ドイツのオーケストラ...
トッド・フィールド 監督
16年ぶりの長編は
ドイツのオーケストラで首席指揮者に任命された
初の女性指揮者の苦悩を描いた作品
この物語は、唯⼀無⼆のアーティスト、
ケイト・ブランシェット に向けて書いたもの。
天才的な才能を持った女性指揮者リディア・ター。
天才的能力とたぐいまれなプロデュース力で、その地位を築いた彼女だったが、ある疑惑をかけられたターは追い詰められていく。
音楽に対し純粋で天才
男性社会の中でも実力で上り詰めるも
様々な要因が絡み合い
徐々にテンポが崩れ
自分自身もコントロールできなくなる
傲慢さのせいか、渦巻く嫉妬なのか、、、
LASTの描かれ方にも賛否両論
差別的に受け取るか
肯定的に受け取るか
個々の見解によって分かれるところ
LGBTQ、SNS
多様性を求めながらも
違うものは認めない(排除する)風潮
様々な問題を抱える社会への風刺作品⁈
誰の視点で観るか…
聡明な美しさ、壊れゆく様、狂気
ケイト・ブランシェット
最高です!!!!
どんな天才でも人間関係に例外はない
2時間40分を感じさせない面白さ。
仕事に対して完璧を求めるあまり、周りの人を次々にそんなつもりじゃないけど傷つけていってしまう彼女。
やることなすこと裏目裏目に出てカラカラ空回りしているように見えたけど、彼女にしてみれば、ただ納得の行く仕事をしていただけなんだと思う。
仕事に集中できているうちは全てがとてもうまく行っていたのに、雑用は自分の仕事だと思ってないので、周りのフォローで回っていた雑務を自分でなんとかしなければならなくなってからの変貌がすごかった。
本当に同じ人物ですか?と思う。
仕事さえできれば社会から認められるのか、という問題なのかもしれないけど。
何一つ欠点がない人間なんて人間じゃない。
何かに突出した才能があって、そこに全神経を注いでいたら他に穴ができても仕方ない。だからそれをサポートするチームが要るんだけど、チームの人たちに対しての心の配慮にもう少し重点をおいた仕事の仕方をしないと、人としての信用を失ってサポートを受けられなくなるんだなということを学んだわ。
自分以外は全員他人。
自分を大事にして欲しかったら、自分も他人を大事にしないと。
ケイトの美しすぎてアンドロイドみたいな美貌が役柄の完璧さの象徴みたいに見えた。
面白かった!
現代映画技術の最前線。内容には賛否あり。
若くしてベルリン交響楽団で女性初の常任指揮者となったリディア・ターは、かつてレナード・バーンスタインがその天才を認めた愛弟子だった。これまでわずかな者しか獲得していない「EGOT(エミー賞、グラミー賞、オスカー、トニー賞をすべて受賞)」の1人でもある。ドイツとアメリカをプライベートジェットで往復する富裕な暮らしを続けていて、女性音楽家と同棲するレズビアンで、移民の養子を育てている。
目につくものすべてが思うとおりにならないと気が済まない傲慢な性格だったが、世界屈指の成功した音楽家として望むものすべてを手にしていた。しかしあるとき若手音楽家を対象に開かれた公開レッスンを境に、彼女の運命が変わり始める。
文句なく今の映画の最前線をゆく撮影技術。とくに照明とサウンドデザインが秀逸。大物指揮者の日常を細かく追ったり、『ニューヨーカー』誌の名物編集者が本人役で出てきたり、いまの欧米富裕層の生活をかいまみる面白さもある。ケイト・ブランシェットは、高慢で成功した天才指揮者を巧みに演じていて、ことしのオスカー主演女優賞は、問題なく彼女のもとへ行くのでは。
しかし多様性を求めるいまの風潮を「キャンセル・カルチャー」と揶揄する風な物語には欧米でも厳しい批判が出ていて、中身には賛否が別れている。
個人的な好みとしていえば、『別れる決心』と並んで今年度の映画技術の最高峰を示す作品だとは思うけども、とくに積極的に推す気持にはなれなかった。
ところでこの指揮者の名前は「Lydia Tár」。この名前をみて英米の映画好きが連想する、あのハンガリーの映画監督の名前のように「タール」という邦題にするべきだったね。「ター」って柔道の掛け声みたいで変だよ。
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