「エンターテイメントとしてブラッシュアップの余地あり」TAR ター くまくまさんの映画レビュー(感想・評価)
エンターテイメントとしてブラッシュアップの余地あり
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内容やストーリーがダメかというと、そんなことはないのだけれど、2時間40分の長尺にした挙げ句、明快なエンターテイメントにしなかったのは頂けない。かといって、心の深部に入り込んだ芸術作品でもない。アカデミー賞の脚本賞と編集賞の候補になったにしては、構成がお粗末すぎて、「面白くなりそうなんだけど、この部分はカットして、この内容を足して」と演出家などに沢山直されそうな脚本がそのまま映画になってしまっている。
ターと誰か(評論家、仲間の指揮者、師である先輩指揮者)とのツーショットの会話が長すぎ、あの部分をもっと簡潔にして、ターによる過去のパワハラ兼セクハラをもう少し分かりやすくし、転落後の彼女の話を厚くした方が、エンターテイメントとしてもっと楽しめた。
主人公が男性で、権力で女性音楽家を食い物にしてたというありがちな話を、時代に合わせて、主人公が女性で同性愛者に変えただけのストーリーになってしまった。
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