「音楽は永遠に続く、でも人は」TAR ター 未佐緒00さんの映画レビュー(感想・評価)
音楽は永遠に続く、でも人は
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出だしからタイトル、いや、エンドロールみたいな始まりでびっくりです。
そして男性の説明というか、解説に少し長すぎないと少しうんざりしてしまったのですが、インタビューに答えるケイトの姿が凄く自信に溢れていて、格好いいと思ったのですが。
女だけど娘のいじめ問題に、自分はパパよと豪語する姿、自分は大人だ、子供が勝てる訳がないだろう、その姿は普通の人から見たら、ちょっとなんて思うだろうけど。
これは仕方ないというより、彼女にとっては普通なんだろうなあと思ってしまいました。
高みに上ると見方も多いけど、敵も絶体いるだろうから弱みなんて見せられないだろうから。
時々聞こえてくる奇妙で不快な音、同時に精神が不安定になっていく様、パートナーがいながらも心が揺れていくのは、これって仕方ないなあと思ってしまうのです。
いや、彼女みたいな人は男だから、女だからという言葉、括りって足枷というか、首に縄をつけられたみたいな重荷以外の何者ではないのかと思いました。
ラストがとても印象的です。
栄光の舞台から転落したけど、再生、復帰できるのか、観ている側が選択、答えをなんてという感じです。
でも、自分の行く先が天国か地獄かなんてわからない、船を下りるのも自由です、なんて言われて降りる人はいるの。
一度挫折したからまた同じ事になるかもしれない、迷うのは人なら当たり前、でも答えを出すのは自分しかいない。
こればっかりは他人に頼れない、残酷でも目がそらせないのです。
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