「音の途切れない作品」TAR ター Eijiさんの映画レビュー(感想・評価)
音の途切れない作品
音楽の素養など全く持ち合わせていない私には難解で、指揮者ってこんなお仕事なのかーと教えられる場面が多かったですが、一人の人間の生き様を物凄い迫力で観せられました。
序盤から指揮について熱く語る主人公の声
主人公の指揮に合わせて演奏される音楽
彼女を悩ませ続ける住まいでの雑音
負けじと騒ぎ立てる主人公
主人公の引き起こした出来事へデモを起こした人々の声
どんなに飛ばしても静かな高級車の音
チェリストと出会いな場となったトイレでの音
やはり、さまざまな音が印象に残りました。
皮肉っぽいですが、周りの人達の優しい声に耳を傾けることができていたら、あんな顛末にならずに済んだんでしょうか。あるい、天才の宿命なんでしょうか。考えさせられました。
終盤に「音楽は言葉で表現できないものをもっている」(正確には覚えられませんでした)みたいな言葉に改めて感銘を受ける主人公が描かれましたが、彼女の生き方そのものも、言葉を超えるものがあったように思いました。
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