「映画手法は斬新だが説明不足で観る人を選ぶ」TAR ター リボンさんの映画レビュー(感想・評価)
映画手法は斬新だが説明不足で観る人を選ぶ
どんな指揮者の半生を描くんだろうと思っていましたが、
無駄にレズビアンであること、気に入った女性スタッフをえこ贔屓しがちでひんしゅくをかっていること等。。音楽に直接関係無い本人の嗜好が何故か強調されて行き、
しかも途中の幻聴の理由説明が無い。
もしかしてオカルト映画?ホラー映画なのか??と困惑する演出が淡々と続き、
一応話の流れとしては意図しないスキャンダルで名声のあった指揮者が干されてゆき、最後はおそらく何でもいいから仕事しないと、となってアニメ映画か?ゲーム映画?のオーケストラの指揮で観客はコスプレOK上映をしている。。
もちろんマーラーやベートーヴェンとかの交響曲の演奏のほうが格式は高いかもしれませんが、例えばドラクエや鬼滅の刃のオーケストラコンサートなんかは凄く本格的なきちんとした演奏をするものだから、例え観客が世界観のコスプレOKの演奏会、上映会だったとしても「落ちぶれた指揮者の成れの果て」みたいな演出にゲーム音楽を充てるのはちょっと納得いきませんでした。
それと。。場面が唐突に変わりすぎ、説明無さすぎて観客はほっとかれるし。。この斬新な手法も面白いと思う観客だけが楽しめばいい、という監督の意図なのか???うーんちょっと私はこの映画手法はあまり好きになれませんでした。
自ら命を絶った若い女性の亡霊が為せるわざなのかなんなのか、何が言いたい映画かよく分かりませんが、
とりあえずターさん、この若い女性がロビーで「メールしてもいいですか?」って尋ねた時にはっきり「忙しくて返信出来ないのでメールはしないでね」と断らなかったくせに、結局スタッフが「またメール来てますがどう返信しますか?」の問いに「あぁ、返信しなくていいから」ってぶっきらぼうに。。。この部分だけは誠実さが無さすぎて、ターが落ちぶれていっても同情出来ませんでした。
返信する暇が無いなら、メールとか連絡はしないで、とちゃんと断っていれば、せめて途中にこれからはごめんなさい返信出来ないので、ごめんなさいね、と誠実に状況を説明していれば、若い女性は命を断つこともその両親が告発することもなかったのに、と残念でした。
同居しているパートナーにも事態を黙っていたとか。。。とにかく主人公も監督も説明しなさ過ぎる映画であまり面白くはなかったです。
ケイト・ブランシェットの無駄遣いだと思いました。。残念。