「ケイト・ブランシェットに尽きる」TAR ター ぽてちさんの映画レビュー(感想・評価)
ケイト・ブランシェットに尽きる
ケイト・ブランシェット渾身の演技による凄まじい迫力の映画。
主人公のリディア・ターは、非凡な才能に恵まれた女性だ。本業の指揮ではベルリン・フィル初の女性主席指揮者となり、作曲や執筆もこなす。頂点に君臨した女帝が、ある事件をきっかけに転落する様を丹念に描いていく。
正直、楽しい映画ではない。頂点に立ちながら彼女は少しも幸せそうに見えない。意味不明なシーンも多々あり、観客に考えることを要求する。
だが、監督・脚本のトッド・フィールドが創造した人物に、ブランシェットが命を与えた。その奇跡を目の当たりにする価値は確かにある。
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