劇場公開日 2023年7月14日

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「個人的には今年上半期ダントツのヘビーな作品」サントメール ある被告 ひろちゃんのカレシさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0個人的には今年上半期ダントツのヘビーな作品

2023年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

行間のものすごく広い散文みたいな,観るものの想像力を試す作品。
様々な少数派・非主流派に対してさりげなく居場所を提供するのが成熟した社会だと思うが、多くの国で異端者排除が無くならない、という現状を突きつけられる。この社会を構成する人々は自分たちが期待しているほどはオトナではないということか。
ロランスは当初から出身・人種・性別の異端三重苦を負わされているだけでなく,毒親の(無自覚な)圧力,パートナーからのあの仕打ち,そして味方だと思っていた人の裏切りを受けた挙句,あの病的な無表情や一貫性のない主張,さらにもちろんあの凶行に逃げ込まざるを得なかった痛々しさはちょっと比類がないかもしれない。居場所が与えられなかった故の悲劇。

ひろちゃんのカレシ