ホワイト・ノイズのレビュー・感想・評価
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エンドロールが秀逸(でもそれだけともいえる)
事前情報がほとんどない状態で鑑賞。Netflixということとアダム・ドライバー主演ということくらい。
奇妙な映画だった。どんな映画だった?って聞かれても困るくらいにジャンルレス。有毒物質が含まれた煙が宙に舞い、雨となった降り注ぐ。その雨を浴びた男が生きることを見つめなおす。って書くと感動の物語のように思えるが、個人的にそんな感動は全くなかった。
自然災害から非難する過程のトラブルや家庭内に起こるトラブル、そしてそれに向き合う姿が描かれいるような印象なのだが、どうにもピンとこない。あー、このまま大した盛り上がりもなく終わるんだなと思っていたらその通りだった。
ただ、エンドロールの映像は別。LCDサウンドシステムの新曲が使われた、とてもいいMVだった。スーパーで踊る人たちを観ながら終わるという、これもまた妙な鑑賞体験だった。
やりたい放題
しずるのクセのつよいコント
ヘビーな夫婦の物語
ほんと、netflixって…
"Can't Help Falling in Love"
気にもならないようなドウでも良い伏線もしっかり回収する細かい演出描写に笑けてしまう、物語が二転三転とジャンル付けするのが難しい、三作連続Netflixでの新作は久々にグレタ・ガーウィグを起用したノア・バームバックが新境地を見せ付けたような斬新さが際立つ、映画を撮るのにルールは無用で自由奔放さが心地良く、知的で難解な物語から全体的に緩い感覚と雰囲気に和みながらもエンドロールまで楽しませてくれる、何の映画を観ていたのかさえ分からなくなるようで様々なジャンルをゴチャ混ぜに、描くのは死と夫婦愛が焦点にそんな単純では済まされないもっと深い意味合いがありながらも難しく観る必要性は無く、娯楽性が豊かでエンターテイメントに長けた珍しくも思えるノア・バームバックの手腕と才能に驚いた!?
本作が決定的でコーエン兄弟やポール・トーマス・アンダーソンを超えてしまう日も近いのでワ?って位に一皮剥けたノア・バームバックの次回作も楽しみでならない。
人生って
シスター! あなたは、聖職者の鑑です
「ドント・ルックアップ」が好きな方にはぜひ。
今年362本目(合計637本目/今月(2022年12月度)15本目)。
最近多くなってきた、netflix系の映画で、映画館で先行上映されてあとにnetflixで見られるというタイプの映画です。
ストーリーは…。どうなんだろう…。この手の映画(後からnetflixで見られる映画)でどこまで書いてよいのか目安が不明なので薄目でいきます。
とある事故から謎の化学物質が流出し、それにおびえる家族と、流出を考える人たちとで町の移動手段などが麻痺してしまって、さてどうする?というタイプの映画です。分類としては何になるのかな…。少なくとも、去年だったか、netflixの「ドント・ルックアップ」に似た雰囲気があるので(現在は契約していれば無料で見られます)、それが好きな方や見られて高評価を付けられた方には文句なくおすすめというところです。
あとは明示的に描かれないものの、いわゆる「情報リテラシー」(いろいろ流れてくる情報に対し、それが正しいかデマか、あるいはその情報が権威ある場所等から流れてきたものなのかどうかなどを見極める力)というものが根底に流れているのかな、という印象です。
ジャンルとしては「不条理もの」になるのかな…(まぁ、この点は前述した「ドント・~」と同じ)。
特に採点考慮上減点対象にするものが見当たらないのでフルスコアにしています。
(ただ、字幕は出ますが、登場する単語が全般的に高めです。字幕が丁寧なので原文を聞き取る必要はほとんどありませんが、結構難しい単語は出ます)
自己憐憫と自己暗示
さぁ、何を信じる?
求めていたまんまの映画だった。アダム・ドライバーの風刺的映画ってめちゃくちゃ面白そうじゃんと思い、Netflixで配信されるまで我慢できず、公開日に鑑賞した訳だが、個人的には大ハマり。ホワイトではなく、ブラックなユーモアがたんまりのアメリカらしい作品です。
何も考えずに見たら、何が言いたいのかさっぱり。しかし、見る視点を少し変えてみればメッセージ性が強く、グイグイ引き込まれる。大気汚染やプラスチックの環境問題、死を恐れ死に近づく人々、隔離された状況、身近に迫る死の壁...。ビックリすることに日本の国旗なんかも出てきちゃう。これほどまでにさりげなく風刺する映画は類を見ない。「ドント・ルック・アップ」のように直接的ではなく、かなり間接的に描く物語。
信じるべきものはなんなのか。
医者の言うこと?先生の言うこと?歴史上の偉大な人物の言うこと?家族や友人の言うことは信じる?この作品は「信じる」ことについて深く掘り下げられており、その先に待つ「死」についてもしっかりと描かれている。観客の心を掴む効果的な演出、不安と恐怖を感じる音、美しいとまで思えるカット割りが非常に秀逸。Netflixらしい素晴らしい作品です。
なんたって、主人公はアダム・ドライバー。
50過ぎの中年太りのおっさんを好演。この人の演技って、ずっと見ていられる。すごく好き。どの俳優の演技が好き?って聞かれたら、5本の指に入るくらい好き。感情の動かし方が本当に上手く、映画の質が上がるだけでなく、観客の気持ちまでも揺さぶらせる。この胡散臭さがたまんないね。
ちと物足りず、ストーリー展開が気持ちよくないのは残念。話はスムーズに進んでいくんだけど、ぶつ切りになっている感は否めない。奥さんと子供たちについても、キャラクター設定が細やかで綺麗に脚本をまとめていれたら、尚良い作品になったかな。
『人は事実という壁に囲まれた弱い生き物』
人は事実を求める。しかし、事実はいつも壁の向こう側。表面だけでは何も分からない。それを知らない人々は、表面に描かれたものが事実だと錯覚する。そんな人間は愚かである。とても弱い生き物である。いつ気付くだろうか。その壁は、自分の目線までしかないということを。
にしても、最高の風刺映画だった。
どうやら、Netflix映画との相性がいいらしい。Netflixで配信されると言っても、こうやって映画館で見るのがいいのよ。この作品も、独特な雰囲気を大スクリーンで味わうのがすごく楽しい。是非とも、劇場で。
展開が全く読めず!
胡散臭い人間と世の中だけど生きて行かなきゃしゃーない
なんだか微妙に面白かったのは、お腹が突き出たアダム・ドライバーが居たから。歩き方もそういう人的だった。結婚離婚を繰り返して子どもが4人いるパッチワーク・ファミリー。妻はスタジオでリハビリ指導等の仕事、一方で夫(アダム・ドライバー)はヒトラー研究第一人者だがドイツ語できない。とにかく人の目をひくテーマの専門家になって有名になりたい大学教授連。食品添加物、ノーブランドの製品、馬鹿みたいに巨大なスーパーマーケット。野菜と果物のコーナーは色がきれい。でも選択肢が有りすぎると買う気が失せる。大量生産大量消費、車社会、デマやプロパガンダが飛び交う社会、熱狂の対象を常に探し求めているかのような群集、銃規制とその反対派。資本主義とアメリカの縮図の中で、子どもたちはクールで客観的、未来は子どもの手に。大人は死が怖くて頭の中は妄想でいっぱい、目が血走ってる。そんな大人でもパートナーを愛し子どもたちを守り人を助けることはできる、っていうことかな。
『ドント・ルック・アップ』みたいな話かと思ったら『アメリカン・ビューティー』のようなラストスパートを見せる想定外の人間ドラマ
ヒトラー研究の第一人者であるジャック・グラッドニー教授は近所で起こった列車事故によって流出した化学物質から家族を守ろうと奔走するが、パニック状態の街で父、そして夫としての威厳がグラグラに揺さぶられる話。
前半は微妙にゆったりしたテンポの災害パニックで毒気を若干抜いた『ドント・ルック・バック』みたいな展開ですがそこは物語のツカミに過ぎず、そこから先は『アメリカン・ビューティー』みたいなあらぬ方向に向けて暴走します。『マリッジ・ストーリー』でもガリガリに神経を削られたアダム・ドライバーがここでもボコボコにされますが、こっちではブチ切れてとんでもないことになります。しかし悲壮感がほとんど残らないのは四人の子供達のおかげで、特に長女デニースを演じるラフィー・キャシディの聡明さが印象的。見覚えがあるなと思ったら『トゥモローランド』で謎の少女アテナを演じていました。辛辣な展開を見せるドラマですが全編に漂っているのはすっとぼけたユーモア。特に真面目なキャラを演じることが多いドン・チードルが珍しくユルいキャラを軽妙に演じているのが絶妙にハマっていて意外でした。
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