「サバイバルファミリー」ホワイト・ノイズ 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)
サバイバルファミリー
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ドン・デリーロは同時多発テロを扱った「墜ちてゆく男」の作者として覚えていたが、この原作は未読。
グレタ・ガーウィグは割と好きな女優なので、出演作も監督作も見てきた方だが、彼女のパートナーのノア・バームバックの映画となると「フランシス・ハ」以来ということになる。
逃げる家族が渋滞した車列で事故車や怪我人に次々と出会うシーンは、ゴダールの「ウイークエンド」を思い出した。衝突事故から流出した化学物質も怖いが、得体の知れない錠剤も怖い。主人公の“ヒトラー学”の授業というのも、まかり間違うと「THE WAVE」みたいな事態を招きかねないと思う。そんなこんなでいろんな因子が積み重なって、家族の日常には少しずつノイズが生じ始める。この何か噛み合わない居心地悪さは、基調音のように全編を覆っている(結局、あの毒性物質の影響はどうなったんだろう?)。
ラストのスーパーマーケットのダンスシーンは楽しいけど、レジ袋の無駄使いはあかんと思う。
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