炎(1975)
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1975年製作/204分/インド
原題または英題:Sholay
スタッフ・キャスト
- 監督
- ラメーシュ・シッピー
1975年製作/204分/インド
原題または英題:Sholay
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2018年8月27日インドで映画を観るというのは、騒ぎにいくということらしい。日本人の感覚でいえばクラブに行くみたいな感じだろう。
だから、観客が一緒に騒げるように歌やダンスのシーンがある。
やたらと尺が長い作品が多いのもそのせいだ。2時間のパーティよりも3時間のパーティのほうが売れる。
この作品の時代もそうであったかはわからないが、のちに言われるようになる「マサラ」の要素は既に充分過ぎるほど満たしている。
歌、ダンス、ドラマ、笑い、アクション、ロマンス、涙もサスペンスもあるマサラ。
インド映画が好きなのでそこそこまぁまぁ観るのだが、近年の作品に通じるインド映画らしさは、その源流を見たようで嬉しくなる。
一方で、完全に独立したインド映画らしさとは違った、具体的には「七人の侍」のインドリメイクのような内容に「明日に向って撃て!」を融合させたような西部劇テイストは、歌ったり踊ったりしなければ普通の古い映画だなという印象を受けた。
もう一度観たいとは思わないが、観て良かったなと感じる程度には楽しかった。
盗賊団から村を守るために雇われた2人の泥棒、ヴィールとジャイの戦いを描く西部劇風アクション映画。
日本での知名度は低いが、インド映画史上最も高い興行収入を記録した作品の一つであり、観客動員数は2億5000万人!!とも言われている超モンスター映画。
主人公の1人であるジャイを演じているアミターブ・バッチャンは、インド映画界の現人神とも呼ぶべき超スーパースター。本作の成功により、バッチャンはその地位を不動のものにした。
映画の内容は完全に西部劇っ!🐎🐎💨
『荒野の七人』そのまんまのオールドスクールな用心棒ものであり、広大な荒地とそこを疾駆する馬、画面を覆う砂煙など、アメリカやイタリアの西部劇も顔負けの本格派。
主人公のヴィールとジャイは、『明日に向って撃て!』でも知られる「ワイルドバンチ強盗団」のキッドとブッチを彷彿とさせるし、敵の首領・ガッバル・シンの見た目は『高野の用心棒』とか『夕日のガンマン』で知られるジャン・マリア・ヴォロンテになんとなく似てる。
本当にどこからどう観ても(後述するように非常にクセのある作品なのだが)堂々たる西部劇であり、イタリアだけでなくインドでもこのような西部劇が作られていたとは露ほども知らなんだ。
どうやらボリウッドで作られた西部劇を「カレー・ウェスタン」や「ダコイト(山賊)・ウェスタン」というジャンル名で呼ぶらしい。こういうニッチなジャンルがあるとは、映画の世界は奥が深い…。
本作の公開年は1975年。なのでというべきか、主人公のキャラクター設定には、アメリカン・ニューシネマの影響が強く反映されている。
ヒッピー風なファッションに身を固めた男たちが西部劇を繰り広げる、というのはなんともミスマッチな感じがするのだが、インドという国の持つ独特な迫力がそのミスマッチさを上回っているので、割と「インドならこういうこともあるかも…」みたいな感じで受け入れられる。
西部劇やアメリカン・ニューシネマが下敷きになっているとはいえ、そこはやはりインド映画。
歌あり・踊りあり・笑いあり、バトルあり、なんでもありのごった煮状態!!
色鮮やかなミュージカル・シーンから急に西部劇的ガンバトルが始まったり、強盗団に捕まるという絶対絶命のピンチの最中でも急に歌って踊りだす。
ハリウッドやマカロニでは絶対にあり得ないこの全部乗せ感、いやぁこれぞインド映画だよなぁ…💃🕺
「千年に一度の映画」とまで称されるこのインド発レジェンド映画。
鑑賞後の率直な感想を言わせてもらうと………。
長ぇ〜〜〜〜っ!!!!💦💦
とにかく長い。長すぎる!!
ランタンムは堂々の195分。インド映画としては標準的になのかも知れないけど、それに慣れていない人間からしてみるとまぁ長い。
しかも、絶対その展開要らんやろっ!みたいな場面が多すぎて、終始モヤモヤ。
編集の仕方によっては2時間、いや90分くらいに短縮出来るんじゃないかと思うのだが、それをしちゃうとインド映画特有のクセが薄まって普通の映画になっちゃうか…。いやしかしいくらなんでもこれは長すぎるよね…😅
というわけで、超大作映画を観た感想は「長い」の一言。
冒頭の大列車強盗シークエンスはかなりの迫力で、「これは凄い映画が始まったで〜〜っ!!」と思ったものの、結局そこがピークだったような気がする。
『RRR』の大ヒットにより、世間のインド映画への注目は高まっている。自分もそれでこの映画を鑑賞したわけだしね。
本作の主人公2人の造詣は『RRR』に通じるところがあるし、『RRR』のあのご機嫌なエンディングテーマのタイトルは本作の原題と同じ「sholay」だし、間違いなくラージャマウリ監督はこの作品からインスパイアを受けている。
あまりにクセが強いため万人におすすめはできないが、『RRR』のファンには是非とも鑑賞して貰いたい一作である。
※銃弾とか爆発の破片とかが、やけに画面に向かって立体的に飛んでくる。
1975年の段階でこれほどの映像を制作出来るなんて、インドの技術凄すぎるやろっ!?インド人にびっくり👳🏾♂️
…なんて思っていたのだが、気になって調べてみるとどうやら2014年に3Dバージョンを制作しているようで、U-NEXTで配信されているのはこのバージョンのようだ。そりゃそうだよね。