「60年代のおもちゃ箱をひっくり返して遊ぼう!」ファンタスティック4 ファースト・ステップ かもしださんの映画レビュー(感想・評価)
60年代のおもちゃ箱をひっくり返して遊ぼう!
敵やその宇宙船を除く、セット、小道具、衣装や髪型、そして色調に至るまで全てにおいて60年代の雰囲気が漂っており、作品の根幹をしっかり支えておりました。
まるで60年代には再現できなかった空想科学映画を大人たちがこぞって60年代へと戻って行き好き勝手に作ってしまったかのような映画。
観ている我々でさえ妙な満足感が味わえてしまいました。
そんな中、1番感心させられたのがキャラクターの作り込み。
単なるヒーローとして描かず人間性を剥き出しにしているという点においては今年の「スーパーマン」と大きく被っているのですが、人間描写に費やしている時間が本作では半端なく多いです。
この為、少々中弛みも起こっていますが、その分、父親であり科学者としての葛藤、母親としての本能、亜人としての苦悩、義弟としての欲求、更には敵役であるシルバー・サーファーの内心までもが観ている我々にも伝わり、彼らの微妙な表情だけで心の内が手に取るように分りました。
勿論、アベンジャーのシリーズに繋がっていくのでしょうが、本作だけでもきちんと完結しておりMCUなどに微塵も興味がない人でも充分楽しめる中身になってました。
まるで、60年代のおもちゃ箱をひっくり返して遊んでいるような楽しい雰囲気に浸れる作品なので多くの人に遊びに行って欲しいです。
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ratienさんのコメント
2025年7月26日
共感ありがとうございます。
60年代のおもちゃ箱!絶妙な言葉のチョイスに感激です。自分的には、この作品、イマイチ馴染めなかった感が強かったんですが、レビュー読んで、納得しました。こんな見方もあったのかと、ちょっと評価が上がった気がします。