キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールドのレビュー・感想・評価
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ネット配信ありきで、未視聴だと……
マーベルヒーロー映画は割と見ていますが
Netflix限定配信は視聴していない状態で鑑賞。
サムがキャプテンアメリカを
引き継いでいるのは知っていたけれど、
色々と知らない人・事象がある為
物語のキーとなっているところが、
いまいちよく分からずな状態でした。
(自分の都合ではありますが)
まぁ、でも元ファルコンのキャプテンアメリカの姿は
カッコよかったですよ!
MCU世界の日本はどうなっているんだ
迷走中のマルチバース・サーガ。
このキャプテン・アメリカBNWも迷走していましたね。
とは言え、度重なる再撮影を経て公開された事を嬉しく思います。
世界中のMCUファンの熱量が下がる中、かつての栄光を取り戻す為にこのBNWはとても重要な立ち位置となる作品。
否定的な意見が多い中、私は楽しめました。
個人的に感じたGOOD POINTとBAD POINTをレビューしたいと思います。
【GOOD POINT】
○サムのアクション
スティーブ・ロジャース時代と比べるとキレキレではないサムのアクション。
しかし超人血清を打っていないサムらしい肉弾戦だったと思います。
盾とス-ツを駆使したアクションもキャップとファルコンのいいとこ取りではありますが、状況に応じて多彩なアクションが見られて面白かったです。
◯インド洋上での戦闘
サムと戦闘機の空中戦は面白かったです。
サム以上の速度を出せるヒーローがいる中、
あのスーツの機動性が視覚的に丁度良かったです。
○ティアマット
忘れ去られてなくて良かった。
エターナルズの続編は絶望的だっただけにちょっぴり嬉しかった。
◯バッキー登場
短いながらバッキーがサムの元に来てくれたシーンは、少し泣きそうになりました。
◯強すぎる日本政府
ここは全日本人がツッコんだ部分だと思います。
ハリウッド映画あるあるなトンデモ日本で笑いました。
アメリカ相手にあんな強気な政府なんてありえないw
ロス大統領に対して超強気な尾崎総理が最高でしたw
そして資源確保の為にインド洋に進撃する日本艦隊w
自衛隊がそんな事するわけないだろ!と心の中でツッコんで笑っていました。
どうやらMCU世界の日本は、欧米が顔色を伺う程のなかなかにヤバい軍事国家のようですwww
◯ロス大統領
ウィリアム・ハートから引き継いだハリソン・フォード演じるロス大統領がとても良かった。
紛れもなく今作のもう一人の主人公でした。
やる事なす事が全て裏目に出てしまい、周りの重圧に耐えながら行動する様は、今作で1番人間臭くて好きです。
今回のサムとロスの関係性は、シビル・ウォーのスティーブとトニー・スタークを彷彿させる部分があり、感慨深いものがありました。
◯サムVSレッドハルク
最後の戦いはいつだって燃えるもの。
満身創痍のサムの持てる力を全て出し切る戦いが好き。
【BAD POINT】
◯ポリティカル・サスペンスとして観ると弱い
よく言われているウィンター・ソルジャーを意識している作風ですが、流石にウィンター・ソルジャーは偉大過ぎて超えられなかった。
そこまでのサスペンス性はなく、緊迫感も余り感じられませんでした。
黒幕の正体も微妙でした。
○全体的に似たり寄ったりな構図
サムのアクションは良かったと書きましたが、全体的に観ると退屈なアクションばかりでした。
アングルも目新しさが無かったです。
◯予告で見せすぎた
集客目的は理解出来ますが、レッドハルクは公開まで伏せた方がサプライズとなり、盛り上がれたかも...
【総評】
批評家の方々からはボロクソに酷評されていますが、またサムやバッキーを劇場で観られて嬉しかったですし、何だかんだ私はMCUが好きなんだと再認識出来ました。
フェーズ5も残すはサンダーボルツのみ。
まだまだMCU復活とは行きませんが、シリーズが本当に終わりを迎えるまで見届けたいと思います。
盾<爪
キャプは変われど、ルッソ兄弟監督は変えて欲しく無かったですねぇ…
これ日本でなくても良くない??な謎の日本フューチャーは何故なのか?
ディズニーはマーベル系やスターウォーズ系の配信ドラマが軒並み大ヒットとは行かずな所での「ショーグン」(主演の真田氏はエンドゲームの日本のシーンで出演しおり総理役の平氏も)の大ヒット!…で、日本への忖度なのではないかと。
マーベル界隈は映画のみ鑑賞でコミック界隈は全く知らないので、
ヴィブラニウム(盾)よりアダマンチウム(爪)の方が強い
という事がセリフでハッキリと確認出来てモヤモヤが取れました。
船隊(空母)と戦闘機(F18とF35?)同士での一触即発…って、シリーズ作中では空母が空飛んでましたよね?、架空の戦闘機と旧キャプも散々戦ってますよね??、これはスターク社もシールドも技術的に無かった事になってるマルチバースなのか??
苦悩する人たちが・・・
キャプテンアメリカシリーズにハズレなし
今作もアクションが存分に楽しめる作品だった。キャプテンアメリカシリーズ名物の肉弾戦に加え、トップガンのような空中戦まで行われるので大画面で見るのがおすすめ(ちなみに2代目ファルコンの俳優さんはトップガンマーベリックにも出演している)。サムは初代のスティーブと違い強化人間ではなく防御力が普通の人間と同じなので、アクションでのハラハラ度が高くずっと🫣という感じで見ていた。
サムキャップの今後がとても楽しみ。
ー完全にネタバレーーー
おじいちゃん組(イザイヤ、大統領)の演技も素晴らしく、イザイヤが捕まったシーンなどはあまりにも気の毒で本当に悲しくなったし、大統領の娘への思いやその結末にはとても感動できた。
ストーリー全体としてもサムは元カウンセラーであるからか様々な人のトラウマ・心を癒す物語だったと思う。サムの苦悩には周りの人が寄り添ってくれるのも良かった。
また、ちょくちょくサムが日本語を話してくれたのも嬉しかった。ちゃんと発音の練習をしてくれたようで、はっきり何を言っているのか聞き取れた。何を言っているのかはっきり聞き取れる日本語を話すノンネイティブが出てくるハリウッド映画は貴重なので、サムというかマッキーの日本へのリスペクトを感じた。
マーベルだな っていう作成
良くも悪くもマーベル作品
そしてやっとアイアンマン後継者ネタじゃ
なくなったと思ったら
当たり前だけどキャプテンを継ぐ葛藤みたいなのが
延々と続くのかと少しうんざりしています
もう過去を引きずるののではなく
今のヒーローに魅了を持たせる方向に
ならないものかと思います
内容はマーベルなのでアクション押しなので
ストーリーに深みはなく関連作品を観てないと
置いてけぼりにされる仕様です
そしていつもの如く◯◯は帰ってくる
当然の展開ですよね…
とりあえず言えるのは劇場中に出てくる
日本の総理や日本の態度を現実の日本の政府にも
取ってもらいたいなと感じました
でも なんで日本なの? とは思いました…
これ各国仕様があるのではないか? と思ってしまう程
このシリーズに日本ってなんか忖度するようなの
あったっけ? みたいな印象です
とりあえずエターナルズを見てないから
変な石像というか争いの元が良く
分からない感じでした
迫力押しなので映画館で観た方がいいかなとは
思いますがマーベル制覇な人向けの作品です
新キャップ🛡️かっこいいよね!興奮しちゃうよね!🤗
ファルコン&ウインターソルジャー未視聴。
4DXにて鑑賞。
まず、新しいキャップもかっこよかったので安心したというのが正直なところ。スティーブで散々かっこいいキャップを見せつけられた後なので、大丈夫かな?と思っていましたが、あのスーツやばいですね…。「エンドゲーム」からパワーアップしてる?なんか色んな機能があってびっくり🤯特に翼の美しさよ。バリア機能もあって最高にかっこいい!
今作は「アベンジャーズ・ドゥームズデイ」へ向けた前哨戦といったところでしょうか。偉大な先代キャプテン・アメリカの後を継いだサムが、プレッシャーをいかに乗り越えて行くかが描かれていました。バッキーの「スティーブはお前が強いから盾を渡したんじゃない。お前だから渡したんだ」のセリフは痺れましたね。信頼の証です✨
海上の戦闘シーンでは4DXのおかげで臨場感MAX!スピード感溢れる戦闘シーンは迫力満点でした。
うん……満点……だったんですよ。隣の変なやつがいなければ…。
上映開始直後、戦闘シーンで「ウヒョー!新キャップかっこいい!」と見入っていたのですが…なんだかお隣さんがうるさい。正確には「動きがうるさい」。4DXだから…まぁ、多少はそうなるかなぁ…?と思っていたのですが、あまりにも上半身の動きが激しいのでチラ見すると、背もたれから背中を離して観るタイプ(なんじゃそりゃ)の人でした…。「ロムルス」以来の珍客の登場にもう集中力ダダ下がり⤵
しかも、シートの揺れが収まっている時も揺れている。わざとか?嫌がらせなのか?それともサムがかっこよすぎて興奮しちゃったのかな?わかるー!🤗……んなわけあるかー!もう限界。「お前、動きがうるさいんじゃー!シートに背中つけろ!私が縛りつけてやろうか!?このクソガキがー!!」……って言えたら良いのになぁ。なんて思っているうちに映画が終わってしまいました。
膝に肘をつけて映画を観る人、初めて見ましたが、かなり目障りです。人間の視野って意外と広いんですよ?楽しくなっちゃったとしても少し落ち着いて下さい。なにより、4DXでその姿勢はだめなのよ。危険だから。「ゴジラ✕コング」だったら確実に通路までふっ飛ばされてますよ、あなた。
まぁ…なんやかんやありましたが、今後の展開が楽しみになる作品でした。本作単体で考えたら、ヴィランとかについてはもう一押し欲しいのは確か。でも、今作で新たなキャプテン・アメリカの基盤をしっかり作ろうという意気込みが感じられたので良かったです。
i love myself
キャプテンアメリカのストーリーラインをもっと掘り下げてほしいんだけど、まさかのインクレディブルハルクの続き!なんで?
ロスの娘との確執を覚えてる人がどれほどいるのか…。ウィリアムハートもいないわけだし。どうせ仲直りするんだろうし。桜もあからさまにCGだし。
スティーブロジャース時代のキャプテンアメリカは冷戦後、アメリカのアイデンティティが揺らぐ中で、第二次大戦中の「アメリカの正義」を持ったままのキャップの苦悩を描いた。
常にキャプテンアメリカとして「認められ」なければならないサムウィルソンや、功績を葬られてきたイザイアが体現する黒人の歴史と苦悩をもっとストレートに描けなかったのか。アメリカでwokeが嫌われている今、黒人のキャプテンアメリカをどう描くかに正面から向き合ってほしい。まあ、そういうのがもうウケないのかもしれないけどやりようはあると思うんだよね〜。
結局、メインは白人のメロドラマで、黒人のストーリーはサイドストーリーなのだろうか。ハリソンフォードは好きだけど、なぜ急に彼がほぼ主役に??散々暴れてあれで終わりなのも都合良すぎる。
エンディング曲はテンション上がった。ファルコンの続きならバッキーとのバディムービーにもできたのでは…?(ていうかファンはそれ期待してたのでは)
全体的に継ぎ足した感というか、ウケそうなシーンを足してった感じで映画としての快感みたいなのがない。マーケティングでなんとか形にした感じ?
バッキーのシーンなんてあとから慌てて撮りましたって感じでショットも決まってなくて学芸会みたい。
対米追従をやめた世界線の日本がみられるのがおもしろい。自衛隊はあんなに簡単にミサイル撃てないけど。中国もイスラムも仮想敵にできなくなって、アメリカに意見を言うのは日本とフランスとインドという。
エターナルズは亡きものにされたのかと思ってたので、続いていたことに驚いた。ヴィブラニウムでもあんなに揉めてたんだからそんなすんなりいくのかなあ。
もうMCUは卒業する!というほどつまらなくもないし、次が楽しみ!というほどおもしろくもないし、またダラダラ見続けるのかなあ。
ファルコン&ウィンターソルジャーも見たけどほぼ忘れてて、新ファルコンは記憶になかった。これだけは思い出しとけっていう事前のコンテンツ必要だよね〜。終始、だれだっけ?なんだっけ?って思いだしながら見るのしんどい。もうちょっと説明のある脚本にもできたのでは。
ガスことジャンカルロ・エスポジードの悪役を期待したのに雇われた刺客程度で物足りなかった。もっと悪いガスがみたい!
平岳大と石破茂の落差
久しぶりにスカッとする映画を観た
筋の悪い映画の建てつけはハリソンでも突破できず
大ヒット映画を別のキャスト、監督で無理やり続編作成。
そんなC級映画にありがちな建てつけをハリソン・フォードをほぼ主役にすることで
何とかしようとしたがかなわず。
基本的には二つの映画の続編だが、なんで、
キャプテンアメリカの続編にハルクの話をもってこようとしたの?って感じ。
コアなファンは中途半端で不満だし、ライトなファンはハルクのくだりが意味不明。
4作目で二代目キャプテンアメリカ登場に全く違和感は無いが、
バッキーの登場がサプライズ程度であるし、キャストの
続編感が薄い。
ハルク側はエドワードノートンどころか、
マークラファロも出てこず、
ロス大統領は不可避とは言え、キャストが変わり、
ティムロス以外のヴィランといわれてもピンとこず。
中途半端感がすごい。
リヴタイラーが唯一の接点で、その出演は必須だったでしょう。
互いの続編としてのキャストが弱く、
なんか、関係性が薄い映画を無理やり一本にした印象。
サムのキャラクターや、彼が超人血清を打っていないこと、
様々なセリフは良い味を出していて、
映画としてよくなる要素があったんだけど、
それ以上にノイズが多すぎて頭に入ってこなかった...
空中戦もワクワクして、見せ方としてはすごくいいんだけどなぁ
マーベルは映画だけ観てるやつが観てきたぞ
マーベル作品は映画だけ見る派です。特にドラマも過去作品も見返さず鑑賞したので「あ、そういうこと?」と戸惑う設定はいくつかありましたが、適当にスルーしつつ受け入れつつ、素直に楽しめば何の問題もなし。こういうミステリアスな感じのストーリーも好きです。ラストのサムの言葉にうるっときたし。アンソニー・マッキーさんかっこいい。予告編などで明らかになっているように、これは新たなるアベンジャーズの序章。ファンは観るしかないよね?
おまけ「あ、そういうこと?」だった設定
・ワカンダテクノロジーでサムの翼が強化?されているらしい。ワカンダにコネがあるとな?
・ファルコンの後継者がいるぞ?お調子者でテッキーで、ちょっとトム・ホランド版スパイダーマン味がある。人気出そうなキャラだね。
・インド洋に巨大な何かが出現した世界線。あれ何だっけ?w→ティアマト(鉱物アダマンチウム)、エターナルズに出てきたやつ。観たのにな…笑
サスペンス寄りでおもしろい
そういう意味ではハルクはなくても良かったかなと思いました。
ヒーローものなんだから最後にバトルは必要なのでしようが。
ヒーローといえば、日本人の自分には尾崎さんがそれに見えました。
もう要らないアベンジャーず
最近は単体映画で楽しくなってきた。
昔のマーベルはアベンジャーズに繋げようとしてシナリオを書いてたけど、もうその兆候はいらないんじゃないですか。
指パッチンで世界がぐちゃぐちゃになった影響でマーベルもおかしくなった。あそこからのシナリオどう書くのかずっと見てるが、アウトラインをなぞるだけで全く訳がわからない世界を作っている一度アベンジャーズは封印したほうがいい。
さてこの映画単体の話に移ると、スティーブロジャースと言う永遠のアイコンと比べる新キャプテン。そういう葛藤とかそれを克服していく姿とかいわゆる弟子との距離とかいろいろいい感じで描けていると思います。赤ハルクはどういう状況なんでしょう。そういうのを網羅して欲しかった。
ここはシーハルク出すべきだったんじゃないのかな。
ここからアベンジャーズを立て直して一体何になるんだろう
1番最初に出てきた神様はもうなかったことになってんでしょうか
アベンジャーズなんかもう今更って感じ
映画単体は面白かったのでもう単体映画で良いでしょうしばらくは
偉大な人物の後を継ぐという重圧
『キャプテン・アメリカ』シリーズ第4弾。『エンドゲーム』(19)のラストで、スティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)からキャプテン・アメリカの象徴である盾を受け継ぎ、ドラマシリーズ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』(21)での戦いを経て正式に3代目キャプテン・アメリカとなったサム・ウィルソン(アンソニー・マッキー)の新たな戦いが描かれる。
監督・脚本に『クローバーフィールド・パラドックス』のジュリアス・オナー、脚本に『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』のマルコム・スペル・マン※。その他脚本に、ロブ・エドワーズ、ダラン・ムッソン、ピーター・グランツ。
(※映画.comの規約に引っかかる為、ルとマの間に区切りを入れている。アホか。)
私はドラマシリーズ、本作と繋がりの強い『インクレディブル・ハルク』(08)も未鑑賞。あくまで“劇場公開されたMCUは大体観てます”程度の感想だという事をご了承ください。
率直な感想としては、“繰り返し行われた関係者試写で不評が相次ぎ、再撮影が行われた”、“監督・脚本共にまだ経験が浅い(特にアクション映画)人々”という点を考慮しても、そこまで悪くはない作品だったと思う。脚本家が全部で5人も居る為、リライトも相当数行われたのではないかと思うが、作品として表現したかったであろう「サムのキャプテン・アメリカとしての成長、ロスの過去の過ちに対する後悔と変化」については、概ねブレずに描いていたように思える。
また、個人的な評価ポイントとして、最近の主流且つ迷走への引き金ともなったマルチ・バース展開に頼らず、傑作として呼び声高いキャプテン・アメリカシリーズ第2弾『ウィンター・ソルジャー』(14)のような政治スリラーを目指し、地に足のついた堅実なストーリー展開をしていた事は嬉しい。
しかし、そのアクション演出の巧みさから、後に『シビル・ウォー』(16)や『インフィニティ・ウォー』(18)『エンドゲーム』を任される事になったルッソ兄弟による『ウィンター・ソルジャー』、それら全ての脚本を担当したクリストファー・マルクスとスティーヴン・マクフィーリーの黄金コンビの脚本力と比較すると、残念ながら及ばずといったところ。
政治スリラーとしても、特に作中の日本描写に関しては、日本人としてツッコまざるを得ない。日本は「軍隊」ではなく「自衛隊」であり、あのような軍事行動は出来ない事、総理大臣が合衆国大統領に凄むような真似は出来ない事は、日本人だからこそ違和感を覚えてしまう。しかし、これに関しては、諸外国の日本の政治や軍事力に対する関心や認識の薄さが起因している様子で、決して中国の代わりというわけではない様子。東日本大震災や日本の政治構造を巧みにエンタメ化してみせた『シン・ゴジラ』(16)が世界興行で大敗したように、皆そこまで日本の御国事情には関心がないのだろう。
だが、そんな本作を私は決して嫌いにはなれない。それは、サム・ウィルソンという新しいキャプテン・アメリカの魅力が存分に描かれていた作品だからだ。演じたアンソニー・マッキーには、貴方が新しいキャプテン・アメリカで本当に良かったと思っている。
本作は、サム・ウィルソンが新しいキャプテン・アメリカとして覚醒する物語だが、その上で彼が向き合わなければならなかったのは、ありのままの自分を受け入れる事だったのだ。
【スティーブは人々の希望だったが、お前は目標になれる。】
サムを励ましに現れたバッキーのこの台詞が、本作を象徴している。
スティーブ・ロジャースは崇高な“精神”の持ち主だったが、サムはそんなスティーブから盾を受け継いだ事に未だに迷いを抱えている。彼の中でスティーブは完璧なヒーローであり、その後を継ぐ以上は、「彼ように完璧でなくてはならない」という強迫観念があり、それに取り憑かれていた。人質の無傷での救出や、日米間の軍事衝突を防ぐ大活躍をしたにも関わらず、イザイアやトレスを守り切れなかった事を悔いて、「超人血清さえ打っていれば」と間違った解釈をしてしまう。しかし、それをバッキーというスティーブの最大の理解者が否定してみせる。「それ(全てを守る事)はスティーブでも出来ない」と。だからこそ、ラストの病室でトレスに「俺の目標はファルコンだ」と告げられた事で、「自分も誰かの道標になれていた」のだと、「俺は俺のやれる事をやっていくしかない」のだと、ようやく肩の荷を降ろせたのではないかと思う。
また、スティーブから受け継いだヴィブラニウム製の盾、ワカンダから提供された同じくヴィブラニウム製のウィングと、外付けハードのスペックこそ高い(ともすれば、ムジョルニアを手にしたスティーブ並の戦闘力)が、それを使うのはあくまでサム・ウィルソンという1人の人間に過ぎない。スティーブやバッキーのように超人血清を打っていないので、超人的な力は持たず、戦いの中で幾度も負傷する。スーツを身に付けていない時に襲撃されれば、いつ命を落としてもおかしくはないし、実際作中でサイドワインダーから襲撃を受けた際は生身で知恵を駆使して戦った。
しかし、そうしたハンデはかつてサノスの脅威から宇宙を救う為に犠牲となったアイアンマンことトニー・スタークも一緒だ。もし、スタークが生きていれば、同じような立場であるサムに何か声を掛けられたのかもしれないが。
しかし、サムの素晴らしさは単なる強さに頼る事ではないように思う。クライマックスでサムは、レッドハルクとなったロスに言葉で訴え、彼自身に戦いの幕を下ろさせてみせた。
大事なのは、どれだけ強いかではなく、どれだけ正しい道を歩もうとするかだ。そして、皆の為に常にそうあろうとし、苦悩するサムは、スティーブの見立て通り間違いなくキャプテン・アメリカを継ぐに相応しい人物なのだ。
そうして決意を新たにキャプテン・アメリカとなったサムが、これからどうアベンジャーズの面々を率いていくのか楽しみでならない。
他にも評価したいポイントとしては、『エターナルズ』(21)で登場して以降、まるでそんなもの無かったかのように触れられて来なかったティアマットを扱っていた点だ。彼を構成する新物質アダマンチウムを巡って、水面下で世界各国が熾烈な競争を繰り広げようとしている事を描いてみせたのが良かった。あまりにも他作品で触れられて来なかったので(笑)
残念なのは、本作のヴィランであるサミュエル・スターンズの企ての回りくどさだろう。彼の目的は、ロスの心臓病の治療薬に血中のガンマ線を蓄積させるよう仕込み、大衆の前でレッドハルク化させて世界に彼の醜さを暴いて復讐するというものだった。しかし、いつでも研究施設から脱走出来るのだったら、ロスの娘であるベティも元へ行き「貴方の父親のせいで私はこんな姿にされました」と、父親の非道な所業を語って見せ、娘との隔絶をより強固なものにした方が、余程ロスへの精神的ダメージはデカそうなものだが。この辺りは、“レッドハルクを出す”という脚本的な盛り上がりと、“トレスの犠牲によってサムが苦悩する”という展開を両立させる為に、それありきで脚本が書かれた弊害なのでは?と邪推してしまう。
とはいえ、先述した娘に父親の所業を見せ付ける事も、その上でレッドハルク化させる事も、トレスが犠牲となってサムが苦悩する事も、他に幾らでもやりようがあったのは間違いない。
主演のアンソニー・マッキーの熱演は勿論だが、本作はもう1人の主人公であるロスを演じたハリソン・フォードが素晴らしかった。前任のウィリアム・ハートが逝去した為、代役として出演する事になったわけだが、娘の為に善き人間になろうと、自身の過去の過ちと向き合う父親としての人間的な脆さが上手い。彼自身、若い頃は強面の2枚目俳優だったが、老齢となった今ではすっかり好々爺という見た目の為、本作での役柄は打ってつけだったと思う。
ラスト、病室でサムがトレスに語った「アベンジャーズが必要だ」という台詞や、エンドロール後のポスト・クレジットでスターンズが語る「世界はここだけだと思うか?」という台詞は、複数の作品で(現実のキャストの不祥事や世間のヒーロー映画疲れが祟って、若干、迷走しつつはあったものの)マルチ・バース展開を続けてきたMCUが、いよいよ『アベンジャーズ:ドゥームズ・デイ』へ向けて柱となる一本の筋を通せたように思う。
色々と粗は目立つ作品ではあるが、サム版キャップが大好きになった事、今後の展開が楽しみになった事は間違いないし、5月の『サンダーボルツ*』、恐らく別バースでありドクター・ドゥームと関わりを持つであろう夏の『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』を心待ちにしたい。
桜の下には超人の悲しみが埋まっている
「キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド」トランプ政権がアメリカを壊していく今、大統領が変身する赤ハルクと新しいキャプテン・アメリカが対峙する図は予期せずアメリカを象徴することになったよね。本編はマルチバースが登場しない、原点回帰のMCU映画で楽しかったです。
あと、レイシズムに関する直接的な言及は無いんだけど、物語で重要な役を担う、政府に実験台として虐げられたイザイアの悲しみと諦念、そして黒人のキャプテンアメリカになった、サムの苦悩が静かにそこにあるレイシズムを語っていたと思う。
予習はいらないとか一部で宣伝されてるけど、「インクレディブル・ハルク」と「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」の第二話は観といた方が良いです。
いつの間にか様になって
安定してアベンジャーズ。
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