「アンソニー・マッキー&溝端淳平」キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド hanさんの映画レビュー(感想・評価)
アンソニー・マッキー&溝端淳平
ファルコンの初登場から、MCUで最推しはずっとサム・ウィルソンなので、公開一週間で5回観た時点での感想です。
アクションが最高にカッコいい本作ですが、手短かに言うと、『インクレディブル・ハルク』とドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』を観るとより泣けます!
そして5回目にして初めて吹替版を観たので、サム役の溝端淳平きゅんについて長々と言及したいと思います。
【THE RIVER】に応募して当たったジャパンプレミアという試写会では何人かの声優さんがゲストで、その中心に溝端きゅんがいましたが、ゆるめのトークで正直新しいキャプテン・アメリカとして大丈夫かなという不安もよぎりました…。
サムが初登場した『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』から『アベンジャーズ/エンドゲーム』まで、サム役を担当した溝端きゅんは、初代キャプテン・アメリカのスティーブと一度も敵対したことのない良き相棒役を好ましく演じてくれました。しかしその次のドラマでは、なぜか声優は濱野大輝さんに変わりました。ネットでは 棒読みの溝端きゅんよりプロの声優の濱野さんの方がいい という意見を目にします。確かに、濱野さんの方がサム役アンソニー・マッキーの声に似ている気がします。果たして今回復帰した溝端きゅんは、この先アベンジャーズを背負って立つであろうキャップを演じるに相応しい結果を出せるのか…!?
ところがジャパンプレミアで上映されたのは字幕版でしたw 『スパイダーマン︰アクロス・ザ・スパイダーバース』の試写会でもそうでしたが、ゲストが日本の声優さんだけなら、吹替版を上映した方がいいんじゃないかな?
そして、5回目にしてようやく吹替版を観る運びとなったわけですが、結論は…
溝端さん、最高です!
今までより声低くしてる気がします。
溝端きゅん、もとい、溝端さんは、ちゃんと役に合わせて声を使い分けることのできるプロの役者でした! ジャパンプレミアでも、演出家蜷川幸雄に言われた「自分を疑え」という言葉を大事にしている、と言っていました。
吹替版は他の声優さんもすばらしく、『インクレディブル・ハルク』から16年ぶりの続投(!)の方もいて涙を誘います。
(サディアス・ロス役はウィリアム・ハートが亡くなったためハリソン・フォード(!)となったため、声優も長年ハリソン・フォード役を務めてきた村井國夫さんです)
また、日本語訳も字幕版より吹替版の方が優れているように感じました。ポストクレジットのセリフも、字幕版ではまどろっこし過ぎて今後への期待感より「?」の方がわいてしまいます。
特に良かったのは、吹替版だと サムがロスに何年も追い回された過去がある というセリフで、スティーブやナターシャの名が出てくる所です! (『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の後の話です) 亡きブラック・ウィドウことナターシャへの言及には思いがけず涙しました。しかもそれが、今作の新キャラ ルース・バット=セラフがレッドルーム出身の元ウィドウ、という設定が出てくる前に予備的に「ウィドウ」について思い出させる装置にもなっています!(それは言い過ぎ)
他にも褒めポイント泣きポイントはいくつもありますが、他の方のレビューに譲ります。
批判的な意見がありながら大役に挑んだ溝端さんは、黒人がキャプテン・アメリカというシンボリックな立場を引き継ぎ常に嫌悪感や偏見にさらされたサムやアンソニー・マッキーに重なるようにさえ思えます。そして見事、失敗の許されない重責をまっとうすることができました。
これからも頼むぞ、新キャプテン・アメリカ!