「日本の総理大臣が最大のフィクション」キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド おきらくさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5日本の総理大臣が最大のフィクション

2025年2月17日
iPhoneアプリから投稿

アクションシーンは安定の高品質。
高速でスカイダイビングする場面や風圧で建物が吹っ飛ぶ場面など、映像としては見応え十分なはずなのに、これ見よがしな見せ方ではなく、自然にさらりと出てくるのが凄い。

話の根幹は政治劇。
それがミステリー調になっていて飽きさせない作りになっているが、子供が楽しめるかは謎。
「いつから赤なの?」とか言われても子供には理解不能だと思う。

アメリカ大統領が「共生」なんて口にするのも2025年においてはなかなかのフィクションだが、それ以上に日本がアメリカにノーを突きつける展開が現実離れしすぎていて思わず笑ってしまった。
アメリカ大統領が日本のご機嫌を取るためにわざわざ来日?ないない。
もし日米間で戦争が起きても困るのは日本だけ。
この前の日米首脳会談で日本がアメリカに「1兆ドルまで投資増やしまーす」なんて言っているのを見た後だと、本作はギャグかと思った。

敵の戦い方が「マインドコントロール」というのが、今のご時世にはピッタリ。
SNSの発信が議事堂襲撃を引き起こしたり選挙結果に大きな影響を与える時代なので。

本作の中で何度か「説得」の場面が出てくるが、役者の演技が素晴らしく(特に目力)、何度か涙腺が緩んでしまった。

ところどころに桜の木が出てくると思ったら、最後は桜に囲まれた中での戦いで、「桜ってやっぱ綺麗だなあ」と思った。
桜が事件解決の鍵を握っていて、日本人としては嬉しい限り。

本作最大のサプライズがすでに予告で出てたのはどうかと思った。
かなり後半でそれを見せられても「うん、知ってた」と感動半減。
知らずに観てたらたぶん凄いびっくりしたと思う。
予告で見せるなら本編では勿体ぶらずにもっと早く見せて、さらにもう一段階上の見せ場が欲しかった。

おきらく