「悪くないけど、新たなMarvelキャラ誕生はないの?」キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)
悪くないけど、新たなMarvelキャラ誕生はないの?
2010年代のMarvel作品は何見ても面白くて、毎作公開を楽しみにしていた。娯楽大作の王者的存在だったと思うが、2020年以降の作品はちょっとイマイチな感じを受けることが多くなった。 それでも「今度こそ」と期待を持って観賞。
【物語】
新アメリカ大統領の座に就いたサディアス・ロス(ハリソン・フォード)は未曾有の危機に対応するため、親友スティーブ・ロジャースから”キャプテン・アメリカ”を引き継いだサム・ウィルソン(アンソニー・マッキー)に協力と、アベンジャーズの再結成を頼む。しかし、ロスは国務長官時代にアベンジャーズを敵視し、窮地に追い込んだ人物であるため、サムはその場では断らないものの大統領には半信半疑でいた。
大統領は一方で、世界の平和を実現するために、主要国にある条約を提案していた。その条約とはインド用に突然現れた、希少鉱物からなる巨大物質を公平に分け合う条約だった。 ホワイトハウスで開かれた条約締結を目指した国際会議に大統領と共にサムは出席していたが、その場でテロ事件が発生し、条約締結は失敗。大統領の信頼は失墜し、国際紛争の危機に陥ってしまう。
【感想】
Marvel作品“あるある”なのだけど、アベンジャーズの流れを汲む作品の登場キャラは、よく「過去作でどんな話があったっけ?」となる。最近10年強は全てのMarvel映画作品を観ているであろう俺でもそうなのだから、本作でも
「スティーブ・ロジャースってだれだっけ?」
「サディアス・ロスてどんな人だった?」
と思った人はたくさん居たに違いない。
今回のキャプテン・アメリカの相棒ホアキンに至っては一体どれだけの人が認知していたのだろうか?
が、Marvel作品を楽しむにはそんなことは気にしないことが一番。過去作を復習してから観るなんて、どこまで遡れば良いのかも分からないし、ファルコンなんてどうやら映画だけでなくTVシリーズまで間に挟まっているようなので、もう無理。
Marvel作品は基本的にはヒーローものであり、勧善懲悪話なので誰が「悪」かだけを見極めてアクションを楽しむのが正道。今回は大統領が「悪」かって言うと、そう単純でもないけど、複雑な立ち位置でもないので彼の過去の言動を知らなくてもストーリーは追える。
そう割り切れば、今回もMarvelらしい、派手なアクションをエンタメ作品として楽しめる。
ただし、正直「いつまでもアベンジャーズか」という感は否めない。全く新たなキャラ誕生というのは無理なんだろうか? Marvelにはもう新たなキャラは生み出せないとすると、今後2010年代の盛況を取り戻すのは無理かも・・・
全然別の話だけど、今回やや違和感が有ったと言えば、日本の扱い。“主要国の中でも一番重要な交渉相手”みたいな扱いになっている。経済的影響力低下が叫ばれる中で、「なんで?」日米が戦争状態に入る危機も描かれるけど、あたかも日本軍がアメリカ軍と互角に戦えるかのような描写も・・・
日本がJapan as No,1と浮かれるほど元気だった頃なら分かるけど、不思議だ。軽く扱われるよりいいし、悪い気はしないけど、何か思惑があるのかと勘繰りたくなる。