「あの時のMCUが戻ってきた🇺🇸」キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド k elow2さんの映画レビュー(感想・評価)
あの時のMCUが戻ってきた🇺🇸
いやーー待ってました。やっぱりマーベルはこうじゃなきゃ。
ノーウェイホームとかデップー&ウルヴァリンとかマルチバース頼みじゃない良作ひっさしぶりに観れたよ。
やっと単作で当たり出せたな。
フェーズ4からの劇場公開映画は中途半端なおまけ程度の過去作ゲストをバンバン出してマルチバース頼みになってコケてたり、キャラの良さを引き出せずコケたりと熱は下がる一方だった。
今回はちゃんとサムが主役になってたし、スティーブと違って超人血清を打ってないサムVS血清ゴリゴリのレッドハルクっていうサム版キャプテンアメリカの劇場初陣にはもってこいのヴィランを選んでて感動した。
しかもそれをインクレディブルハルクの続編と上手く繋げたのが素晴らしい。ミスターブルーの伏線をこんなところで拾うとは思わなかった。もはやインクレディブルハルク2ですらある。
ドラマも挟んでじっくりキャプテンアメリカの継承を描いたのもあってしっかりとキャプテンアメリカを受け継いだサムになっていたのは良かった。
この映画のどのシーンでもサムはキャプテンアメリカを全うしようとしてた。
ただここでサプライズバッキー。相変わらずイケメンのセバスタ。バッキーが隣に来た瞬間、キャップだったサムがファルコンに戻った。一瞬で昔になったの凄すぎる。やっぱり特別な絆があるよな〜。唯一弱音を吐けるのがバッキーだもんな。あそこのアンソニーマッキーの演技力凄かったな。「誰かに書いてもらったか?」ってやりとりもコレコレ!懐かし〜って感動した。
サンダーボルツがより楽しみになりましたね。
アクションも冒頭の新スーツ魅せアクションに始まり、生身アクションからの溜めて溜めての空中戦。最後にVSレッドハルク戦と色んなバリエーションのアクションが見れて満足度が高い。やっぱマーベルの空中戦はかっこいいわ。レッドハルク戦もめっちゃ良かった。
生身アクションの時のサムとスティーブの相手の吹っ飛び具合の違いは細かくて面白かった。スティーブやっぱ相手吹っ飛ばしすぎだよ。
エンドゲーム以前のインフィニティサーガにはそれぞれ同じ世界線なんだけどタイトル毎にそれぞれの世界観/作風の差別化が凄くあったように感じていて、例えばアイアンマンはテクノロジーを全面に押し出した世界観だし、キャプテンアメリカは軍事系、ソーは神の世界でスパイダーマンは日常系とか。
それがフェーズ4以降のマルチバースサーガでは良くも悪くもその差別化が薄くなって宇宙が〜とかマルチバースの〜とかどの作品でも似たような規模感、世界観/作風になっちゃっててもう少し味変してほしいなーって思ってた。
でも今作は確実に地に足ついてた脅威だったし、ファーストアベンジャー、ウィンターソルジャー、シビルウォーと同じキャプテンアメリカの世界観/作風になっていて素晴らしかった。キャプテンアメリカの続編を見てるんだなってストーリーからも絵面からも雰囲気からも感じられた。
やっぱりキャップは陰謀とか黒幕とか洗脳とか復讐とかの物騒な展開が似合ってる。
マルチバースのゲストキャラに頼らず主役とその周りを柱にしっかり成長を感じられる作品、これが求めてたマーベル映画でしょ。主役がちゃんと主役である映画じゃなきゃ。マルチバース、アベンジャーズありきじゃだめなのよ。一作一作を面白く作り込んでいってほしい。その中で徐々にアベンジャーズに向かっていくのが楽しいんだから。ほんと久しぶりにユニバース映画の良さが出てたよ。
マルチバース映画とユニバース映画は全然違うからね。
バッキーも言ってたスティーブは希望、サムは目標ってのだったり、スーパーパワーは無いけど人を信じることが強みであったり、退役軍人のカウンセラーをしてたサムだからこその対話で決着をつけるキャプテンアメリカはとてもサムらしくて良かったし、超人血清に頼らないキャプテンアメリカの説得力にもなってて非常に良かった。
ちゃんとキャプテンアメリカ4にもなってたし、キャプテンアメリカを受け継いだサムの話にもなってたし、超人血清を打たないキャプテンアメリカの話にもなってたし、無かったことにされがちなインクレディブルハルクの続編にもなってたし、アベンジャーズへの匂わせもちょうど良かったしと非常に満足度の高い作品だった。