「MCU新世界の幕開けを感じさせる良作」キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド てらゆうさんの映画レビュー(感想・評価)
MCU新世界の幕開けを感じさせる良作
サム・ウィルソンというキャラクターがやはり非常に良い。
スティーブが認めた人格者、国を背負って立つ責任、盾を受け継ぐことへの葛藤。
二代目キャプテン・アメリカの魅力がたっぷり詰まった作品になっていました。
またアクションも素晴らしかった。
元々ファルコン&ウィンターソルジャーの時から、翼と盾を使いこなす戦闘スタイルがめちゃくちゃカッコいいなと思ってましたが、今回ワカンダの技術強化も加わってバトルアクションに更に磨きがかかっていたなと思います。
ストーリーに関しても、インクレディブル・ハルクやエターナルズ等、過去のMCU作品の要素を組み合わせつつ、それでいてややこしくならないよう説明や情報の出し方も丁寧で上手かった。
フェーズ5以降ふつふつと湧いていた国家間の紛争、アベンジャーズ再結成、そしてマルチバース展開の示唆といった要素も全て取り入れていて、まさに「ブレイブ・ニュー・ワールド」のタイトルに相応しい新世界の幕開けを感じされる作品でした。
一方やや評価が下がった点としては、本作のメインキャラであるスターンズとロス大統領のキャラクターがお気に召さなかったこと。
スターンズはヴィランとなる背景としては十分でしたが、サスペンスで引っ張って登場する人物としては昔の端役キャラすぎたかなと。
そこまで思い入れもインパクトも無いキャラなので、魅力的なヴィランと呼ぶには至らなかったなと思います。
ロス大統領に関しても、彼の成長と後悔が本作の中心にあるにも関わらず、結局直近まで人権侵害レベルでスターンズを利用して、最後の最後まで彼の存在を隠し続けた事実があり、同情の余地を挟むには悪人すぎたんじゃないかなと思います。
最後全ての地位を手放したところで初めて同情できるキャラになったなと思ったので、それまでのストーリー展開にのめり込めきれなかった部分はありました。
以上、個人的感想になります。
アクションやサスペンスも面白く、単体作品として十分クオリティの高い作品でしたが、MCUのクロスオーバー要素の盛り上がりに助けられた部分も否めないかなと思いつつ、総評としては新世界のアベンジャーズを期待させる良作だったと思います。