劇場公開日 2022年11月18日

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「説明セリフ一切なしのストロングスタイル」宮松と山下 bionさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5説明セリフ一切なしのストロングスタイル

2022年11月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

 ちょい役を数多くこなす宮松に意外な私生活が存在していて、ここから物語が始まっていくのか期待していると、そのエピソード自体が、映画のワンシーン。クラクラするようなメタ構造のボディーブローを喰らったところで、宮松の記憶の断片がフラッシュバックとして挿入される。

 宮松が記憶の輪郭をぼんやり思い出した時の表情、そしてはっきりと思い出した後の後ろ姿。セリフはないが、はっきりと心の声は聞こえる。
 静寂とゆったりした間の中で、バックストーリーを想像する贅沢な時間がそこにはある。

 翳のある妹役の女優さん、どこかで見たことがあると思ったら、必殺仕事人で笑顔を振りまいていた中越典子だった。いい演技してたなぁ。中越典子の表情や仕草で、宮松に対する気持ちが伝わってくる。

 香川照之に対する負の感情がありながらも、褒めたくなる。そんな作品でございました。

bion