「説明セリフ一切なしのストロングスタイル」宮松と山下 bionさんの映画レビュー(感想・評価)
説明セリフ一切なしのストロングスタイル
ちょい役を数多くこなす宮松に意外な私生活が存在していて、ここから物語が始まっていくのか期待していると、そのエピソード自体が、映画のワンシーン。クラクラするようなメタ構造のボディーブローを喰らったところで、宮松の記憶の断片がフラッシュバックとして挿入される。
宮松が記憶の輪郭をぼんやり思い出した時の表情、そしてはっきりと思い出した後の後ろ姿。セリフはないが、はっきりと心の声は聞こえる。
静寂とゆったりした間の中で、バックストーリーを想像する贅沢な時間がそこにはある。
翳のある妹役の女優さん、どこかで見たことがあると思ったら、必殺仕事人で笑顔を振りまいていた中越典子だった。いい演技してたなぁ。中越典子の表情や仕草で、宮松に対する気持ちが伝わってくる。
香川照之に対する負の感情がありながらも、褒めたくなる。そんな作品でございました。
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