「存在感」宮松と山下 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
存在感
映画そのものの内容は凡庸。
記憶を失った理由も、少々陳腐。
おそらく現(うつつ)と幻(まぼろし)の境を分からず彷徨(さまよ)っている人間として描くために、エキストラでの役柄と、現実の生活の境目をぼかして演出したものだと思われました。
ただ、その意図が活きている編集だとは思わなかったし、わかりにくさにつながっているように作用してしまったと感じたけれども。
しかし、本作では何より(人間性はさておき)香川照之の存在感と演技力は何者にも代え難いな、と実感。
香川照之といい、(本作には関係ないが)東出くんといい、女でしくじるのはもったいない。
擁護する気はなく、やったことは許されるとは思わないが、あんなことさえ起こさなければ……と惜しむ気持ちが湧きました。
香川氏には。暴力やセックスへの依存症の疑いを感じるので、カウンセリング受けつつ、謝罪の上でひとつひとつ仕事を積み上げて、信頼の再獲得(回復は無理)によってまた大きな役柄に復帰してもらいたいものです。
製作委員会のメンツを見てなんとなく、本作は今まで世話になった恩義を感じながらまたその才能を惜しむ、電通やTBSが、復帰のきっかけを与えたようにも感じたりして。
好感度が重要なテレビCMはもう無理としても。
カマキリ先生はできないとしても。
今後、脇役・悪役が中心にならざるをえなくとも。
俳優・香川照之は見たいですね。
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