「振り込め詐欺は日韓共通。」声 姿なき犯罪者 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
振り込め詐欺は日韓共通。
今年297本目(合計572本目/今月(2022年10月度)11本目)。
タイトルの通り、振り込め詐欺をテーマにしたものです。映画内でも示される通り、振り込め詐欺の被害者は自分を責める傾向があり、それが(積極的な)自死や「極端なひきこもり」を生むということで韓国国内ではひとつの関心ごとになっています。
映画のストーリー、それ自体は架空のお話だと思いますが、当然、「振り込め詐欺」自体は韓国でも起こりうる話で、文化圏的には日本韓国は隣国です。起こらないと考えるほうが不自然なくらいです。
まぁでも、あの映画はあくまでも「架空のお話です」の扱いですが、「台本」がどうだの(今日のだましの筋はこれで行くだの)といった話は日韓共通な気がします。
日本では実態がどうなっているかわかりませんが(映画内の一つの描き方も「架空のお話です」ということで、ひとつの描き方にすぎない)、まさか「国をまたいでかけてくる」「恐ろしく大規模で専門的な「教育」すらされている人が存在する」という描き方にはびっくりしました。韓国だと実際に(固有名詞などはかえてあるとして)あった事案なのでしょうか…?日本ではせいぜい、ボイスチェンジャー程度の類型ではなかったかな…と思います。
法律的に見ると結構ややこしく(日本と韓国は民法は似ます)、このように騙されて送金した場合の扱いは究極的には不当利得の話になるものの、不当利得を主張しても相手側がいないとどうしようもないのは確かだからです(だから、第三者詐欺による取り消しの主張(民法96条)など(ほかにも考えられます)も、理論的には可能だけど、主張したらお金が戻ってくるわけではない)。
もっとも映画内には「こんな詐欺にはひっかかっちゃいけませんよ」という例が結構多いので、「楽しみながら振り込み詐欺にひっかからないようにする」ような、ごく軽い意味での「学習映画」という観点も感じました。
評価に関しては下記のようにしました。
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(減点0.3/特異な事情)
このサイトでは「キャラクター予告&メッセージ映像」という動画の中で、「振り込め詐欺がかかってくる可能性があるから、鑑賞中はマナーモードにしてみましょう」という趣旨の注意書きがされます。要はどの映画でもそうですが、この映画に限っては「振り込め詐欺がかかってくる可能性があるから」というのは一つのポイントなはずです。
ただ、シネマート(心斎橋)さんではそれは流れず…(一般的な、例のポップコーンが頭の人が出てくるマナー編だけ、という程度)。ここは映画の趣旨としてそのような動画を用意してくださっているのに、それを活用していないのは、ちょっと残念に思いました。
もちろん、それとて単なるどうでもよい差異ですが、映画の「趣旨を考えると」、「携帯をマナーモードでみましょう」がどのバージョンで流れる、というのは「この映画では」大きなファクターを占めます。
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