「【”二つの繋がれた空に舞い上がる黄色い風船。”深い喪失感から心を癒し、再生して行く姿を東出昌大、三浦透子が見事に演じた作品。未来に対する希望が垣間見えるラストシーンが、印象的な作品でもある。】」とべない風船 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”二つの繋がれた空に舞い上がる黄色い風船。”深い喪失感から心を癒し、再生して行く姿を東出昌大、三浦透子が見事に演じた作品。未来に対する希望が垣間見えるラストシーンが、印象的な作品でもある。】
ー 妻を亡くした父(小林薫)の住む、瀬戸内海のある島を凛子(三浦透子)が訪れる。彼女は教師をしていたが鬱になってしまい、派遣社員として働いていた会社も期限が切れたから・・。
一方、島の漁師、憲二(東出昌大)は数年前の災害で、妻子を土砂崩れで亡くし、自らも駆け付けた事故現場で足に大怪我をし、心を閉ざし、笑顔無き暮らしをしていた。-
◆感想
・この作品で、憲二を演じた、東出昌大さんの冒頭、妻子が土砂で埋められたシーンの必死に砂を掘る表情や、中盤までの精気の抜けた男を演じる姿が印象的である。
元々、凄い俳優さんだがこの作品での彼の哀しみを抑制した演技は、流石だと思う。
・凛子を演じた三浦透子さんも、抑制した演技ながら確かなる存在感を醸し出している。
・名脇役の凛子の父を演じた、小林薫さんや、居酒屋を経営する明るいお母さんを演じた浅田美代子さんが、脇を固めており安心感がある。
浅田さんの存在が、この作品に貴重な明るさを齎している。
そして、亡き母を演じた原日出子さんも、良い。
■この作品は、大切な家族を亡くした憲二が、それでも一人生きる姿を前半パートは、哀しみを湛えて、後半パートはそこに、凛子や島の心温かき人たちが寄り添う事で、憲二が少しづつではあるが、再生して行く姿を丁寧に描いている点が良いと思う。
娘を亡くした義理の父(堀部圭亮)の前半と後半での憲二に対する、接し方の変化も絶妙である。
<ご存じの通り、ここ十年程、激甚化する気象により土砂災害、水害が絶えない。多くの方が亡くなり、深い哀しみを堪え乍ら生活している人が、多数いらっしゃる。
今作は、そのような状況下、”もう一度、教師になる。”と言って島を出る凛子に対し、それまで息子の面影と思い飛ばせなかった黄色い風船を二つ結んで大空に飛ばした憲二の心の再生と、未来に対する希望が垣間見えるラストシーンが、印象的な作品である。>
NOBUさん、コメントありがとうございます。
この作品、ネット配信されたらもう一度観てみなければ
と思っています。(地元での公開終わってしまいました)
ルール説明を聞き逃したまま初めてのゲームをして
訳が分からないウチに終わってしまった…という
不完全燃焼の気分が消えないのが悔しいというか ( ._. )ンム