とべない風船のレビュー・感想・評価
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なんの変哲もない作品
家族を事故で亡くして
「あの時こうすればよかった」
「俺が代わりに」
と後悔する1人の男
夢を叶えて教師になったが都会で夢破れて戻ってきた女1人
その故郷がここ広島の瀬戸内海のある島(江田島)
この映画に期待したのは三浦透子さんだったが、彼女の実力の半分も発揮できていない演出でした
辛過ぎる
黄色い風船に託す思い
家族を失った悲しみから立ち直れない人生。
そんな喪失から生きる力が湧かない男を東出昌大がナチュラルに
自然に画面に写っていました。
多島美と言われる広島の蒲刈島や江田島にロケした美しい景色。
画面には光が多く差し込んでいて“悲しい喪失“の物語なのに、
本当にカメラが美しい。
雪に閉ざされる北海道より、やはり陽光に抱かれる温暖な
気候の地域は“魚を釣る“果実を剥く“畑を耕す“だけでも
シンプルに生きていけるけど、一旦豪雨が襲い土砂が崩れると
生きることもままならなくなるんですね。
豪雨で妻と息子を失った漁師の憲二(東出昌大)。
妻子の帰りを待ち庭の洗濯竿に黄色い風船を括り付けている。
妻子が帰る時の目印だ。
決して還らない人、還らない日々なのに待ち続ける。
“待つのは自由“
“忘れないのも自由“
“幸せにならないのも自由“
それでも島に父親を訪ねて帰ってきた凛子(三浦透子)の
押し付けがましくない優しさに触れ、
風船を空に逃して自由にしてやる。
そのシーンは、賢ニの再生がほのかに見えてホッとします。
同じ生きるなら死者より正者の側で、
美味しく食事して肩の荷を軽くして
生きてほしい。
それは死者の願いかも知れません。
髭面の東出昌大がかっこいい
「黄色い風船」を「黄色いハンカチ」と言うが「黄色いリボン」だ
僕の世代は誰でも知っている事だが、ピート・ハミルの原作で、「黄色いハンカチ」はオリジナルじゃない。ドーンの「しあわせの黄色いリボン」がアメリカで流行り、どこかの誰かが、そのヒット曲の二匹目のドジョウ映画として、商業的ヒットを狙った映画に過ぎない。
また、
風船は水素で浮いている訳だから、原子番号1の水素はどんどん風船からそのガスは抜けていく。
「いつまでも浮いている」がこだわりなのだから、その「こだわり」が出鱈目だと稚拙さを感じない訳にはいかない。
その他も突っ込みどころ満載で、かの演出家系列の才能の欠片も芽生えていない人物だと判断した。広島を描きたいのなら、尾道出身の演出家もいらっしゃる。是非、新たな影響を受けてもらいたい。このストーリー展開は太古の日本映画の予定調和そのもの。
なぜ?なぜ?教師なのか?
鬱を患って、父親から「頑張るな」と言われているのにもかかわらず「また、教師をしてみる」と言う決意(結論)が理解出来ない。
蛇足で申せば、教師なんて「ブラックな職業」とのたまう人達もいると聞く。
それはともかく「聖職の碑」伝説は終わり、キンパ◯先生は物凄く数が少ない事は誰でも知っている。
崖崩れなんだから、天災じゃなくて、人災でしょう!
幸福の黄色いフーセン‼️
まぁまぁの良作なれど
それなりに最後まで見れた。悪くはないがありきたりのストーリー。
作品の魅力は東出昌大の演技力ではなく、小林薫の魅力、三浦透子の素朴さにあろと思う
小林薫演じる父親が途中倒れて病院に担ぎ込まれるなど、あちこちの作品のネタを詰め込んでる感満載
映画好きだとワンパターンに思えるが、よくできたと思う
東出昌大が好演
人の命がなくなってしまうのは理由が何であれ、悲しくさびしい。
愛する家族が、
そして、その原因が災害ならば、
あの時こうしてたら、そこに行かなかったら、とか、タラレバばかり、
頭をよぎり後悔の毎日から抜け出せない。
どうすれば、抜け出せるのだろう。
豪雨による土砂崩れで妻と子を亡くし、生きる希望を失って抜け殻のようになりつつ、帰って来て欲しいと黄色い風船🎈を物干しにくくり、生きる縁として細々と生活する憲二を東出昌大が演じている。
凛子の父の命を救ったことで、
島の人々に注目され感謝され期待されるまでとなり、少しずつ元気も出て来た。
凛子との絡みもあって快活な頃に戻りつつある。
東出昌大の自然な演技が良かった。以前の棒読みのようなセリフまわしではなく、本当に自然な感じがよく出ていた。
この話のここまでは良かった。
方や都会から挫折して親が移住した離島に、
一人暮らす父の元に娘凛子がやって来て、
憲二と交流するうちに、元気を取り戻していくという話であるが、この三浦透子さん、
ちょっとくどい。演じ方が。
私上手でしょ、と鼻につくのを何回か感じた。
また設定にしても、なぜ教師なんだ⁉️
いろんな職業がありどこでも人間関係が生じ、
挫折もする。
仕事が教師である必然性を感じない。
ストーリーとして安直に教師の仕事を選んだように感じた。
2年目にうつになることも、教師に限らない。
憲二に勇気を貰ってまた臨時採用で復帰しようと思えた、とラスト辺りで言っていたが、
しばらく島で過ごして復職できるなら、
もっと早くにできた筈だ。
個人的東出史上最高傑作(WILL公開以前)
2023年劇場鑑賞6本目 優秀作 71点
当方東出の声の演技や身体から滲み出る雰囲気が苦手で、作品によっては生理的に受け付けない時もありますが、今作は個人的に東出史上最高傑作でした
のどかな田舎の街風景や海辺でゆっくりと丁寧に東出の成長を描いていて、過去を乗り越えていく過程を説得力ありきで、それを実直に演じていた
無気力で魂かこもっていない感じがあの話し声にマッチしていたし、ビデオのシーンや怯えるシーン、何気ない釣りのシーンや仲間内の談笑シーンなどはすごく自然でハマりにハマっていた
三浦透子も難しい役所だったと思いますが、人生に迷い里帰りした元教師を穏やかに演じていました
きっと人のためになること、心を動かし導くことにやりがいを感じ教員として務めていたけど、それ以外の側面だったり教員としての挫折を感じての里帰りでしたが、ちゃんと目の前に困っている悩んでいる人がいると、彼女なりのアプローチで導こうとするその気質が、ちゃんと元教員という設定に意味があった
タイトルのとべない風船が、暴雨を知らせるのに吊るしていたり、単に思い出の風船だったり、いつまでも過去から一歩踏み出せずにとどまっている様子を、その縛られて上に飛んで行かない風船への比喩だったり、ポスターの逆さまなのがあることを境に見る世界が変わってしまったことの比喩だったり、そのポスターの風船が線香花火みたいなのがずっとそこに停滞している感じを表しているんじゃないかとか、、、勝手に想像していますが半分くらいはあってる気がします
空気を感じ真面目な邦画がお好きな方は是非
瀬戸内海の潮の満ち引き、家族を失ったあの日!
家族を失った男性が漁師の仕事をするなか
生まれ育った故郷で、人々に背中を押される
思いで再生、人が心の底で自分を想っていた
人間の優しさに触れるストーリーでした。
瀬戸内海の潮の香りがするなか、
亡くなった家族が今も自分を見守ってくれている気がした!
そんな新たな気持ちで飛ばすことの無かった
風船を空に飛ばします。
空高く飛んでいく風船の色と
美しい海は、色彩豊かに自分の胸に語りかけるシーンでした。
「生きること」を見つめなおさせてくれた素晴らしい作品
風船が飛べない理由は風船にも風船を握った人にもあるようです。当事者の心境に寄り添える人ほど共感できる作品かと思います。
最近観た「そばかす」で観た三浦透子さんが
出演している作品ということで興味が涌いて
鑑賞してきました。
のですが… 。
作品の世界に、上手く入り込めなかった感じです…。 むぅ
なので、モヤモヤした感じが残りました。
何故かなぁ… と振り返ってみて
思い当ったのは
#ヒロインは、何故この島に来たのか。
#東出に、どんな十字架を背負っているのか。
#小さな女の子は誰の子?
#東出をなじる初老の男は誰? 奥さんの父親?
…etc
そういった事が語られないまま
話が進んでしまうから、と そんな気がします。
登場人物の 「背景」 と
登場人物間の 「関係性」 。
そういったものが、
観ていく内に何となく分かってはくるけれど、
ストーリー冒頭まだ見る側の理解が浅い段階から
「登場人物の感情のたかぶり」
「こだわりの部分」
の描写が続いて描かれていて、
「理解」 や
「共感」 を感じられず
最後まで 「傍観者」 として 観てしまった感じです。
※何か大事なポイントを見落としてしまったのかなぁ…
そうならば悔しいし、申し訳ないのですが。。
◇ 最後に
空飛ぶ風船
風船が1個だけ空を飛んで行く場面なら
色々な作品で目にしてきたように思うのですが
「風船2つ」 をヒモで繋いで飛ばすのは
新鮮な光景でした。
「Uの字」 になって飛ぶのですね。
繋がってる感がありました。
◇最後の最後に (…観終えて2週間過ぎて思うこと)
風船が飛べない理由は
重いものが詰まった風船そのものと
風船を縛りつけてしまった人の
それぞれにあった。 ということ…なのでしょうか。
重さが軽くなり
縛りを解かれて
二つ一緒になら、飛んでいくことが出来た。
最後の場面をそう理解すれば、
余韻を感じられるエンディングという気がしてきました。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
何気に東出くん好きかも
もう少し近い劇場でお願いします。
みんなの未来が幸せなものでありますように。
集中豪雨で妻子を失った漁師の憲二と仕事につまずき父の暮らす離島へやってきた凛子。二人の再生の物語。
2018年の西日本豪雨災害を背景にしていて、時間とともに記憶が薄らいできたタイミングなだけにかなりショッキングな被災描写もあり。
ストーリーは「幸せの黄色いハンカチ」をオマージュにしており、ラストはとっても温かい気持ちになれます。悪い人は出てこないしみんな一生懸命に生きています。
ちょっと脚本のツメが甘いのが気になってしまいました。(島には初めて、ということだけど凛子さんのお母さんのお葬式はどこでしたんだろう?母親のお葬式には出てないの??)などが引っかかってしまって。
と、言いつつかなり泣いていましたけどね。
東出昌大さん、三浦透子さん、小林薫さん、浅田美代子さんはもちろんのこと、憲二の義父役の堀部圭亮さんがとても良かったです。娘と孫を失い行き場のない気持ちを吐露する場面、その心情が痛いほど伝わってきました。
空へ飛んでいく風船を見つめながら(みんなの未来が幸せなものでありますように)と祈らずにはいられませんでした。
完成度の高い人間ドラマ。
タイトルなし(ネタバレ)
東京で教師をしていた30歳前の凛子(三浦透子)。
父親が定年後に移住した瀬戸内海の島にやって来る。
教師生活でうつ病になり、最近は派遣で事務をやっていたが、派遣期間も切れてしまったのだ。
何もない島での暮らしは、彼女を蘇らせるのに最適と思われたが、ストレスフリーというのもかえってストレスを溜めるのかもしれない。
そんな中、着いて早々、凛子の父のもとを訪れる無口な男性・憲二(東出昌大)と出会う。
島で漁師をしている憲二だが、妻子を数年前の豪雨災害で喪うという過去があった・・・
といったところから始まる物語で、その後、大きな事件は起きない。
島で暮らす女児が行方不明になったり、凛子の父親の持病が悪化して倒れて救急搬送したりというエピソードはあるが、それはアクセントでしかない。
映画は、心にトラウマというか大きな傷というか、そういうものを抱えた凛子と憲二が少し寄り添い、互いの傷を分かり合う、ただそれだけの物語として帰結する。
「ただそれだけ」と書いたが、ただそれだけで映画を作るのは難しい。
難しいのだけれど、この映画ではそれが成立している。
理由は、三浦透子と東出昌大、ふたりの無表情さ、ある種のかたくなさ、ハードボイルドの面持ちにある。
こわばった表情の中に、観るものを同化させるというか、そういうものがふたりにあるように感じます。
このハードボイルドの無表情さが、終盤の東出演じる憲二の嗚咽のシーンを際立たせており、彼のどうしようもない感情のほとばしりをみることによって、凛子はふたたび教職に戻る決意を得るのだが、ほんとうにこのシーンは素晴らしい。
東出の嗚咽もさることながら、それをみている三浦の(なにもしない)演技がいいのだ。
と、物語としてはそれほどでないが、三浦と東出の等身大の人物像が胸を打ちました。
撮影機材がお粗末な感じで、若干、映像的に緩いのが難なのだが、そこいらあたりは目をつむることとしましょう。
評価は★★★★(4つ)としておきます。
東出くん悪くなかった
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