とべない風船のレビュー・感想・評価
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三浦透子様ご結婚おめでとうございます
結婚👰報道とNetflixの期限が偶然重なり鑑賞しました。よくあるストリー仕立てには辟易しましたが、カット処理や演出で目立った所がありました。例えば「先生!」と後ろから呼ばれると、父娘が同時に振り返るところなど。瀬戸内の穏やかな風景が見るものを和ませます。結局は何も変わらない?ラストでした。それにしても、浅田美代子ちゃんは麻布生まれ育ち、女学館高校中退の東京のど真ん中育ちなのに、若い時から田舎暮らしの役がハマりますね。
(^O^)/「この風船、どうなっちゃうんだ〜?」
鑑賞前予想を上回ってくる、善き映画。
西日本豪雨を題材にした「喪失と再生」がテーマの、ヒューマンドラマ映画。
W主演で、東出昌大は、豪雨により妻子を失った、生き残りの漁師。若干トラウマ強め。
三浦透子は、教師として挫折し引退した、傷心帰省中の派遣切れ。復活模索中。
なんかこう、モヤモヤした現状に縛られてる感じの彼ら2人を、
島民やら漁師仲間やらが、交流しながらも優しく見守る構図。
途中で、透子パパの小林薫がグッタリとした辺りで、
「Dr.コトー診療所」的な舞台設定を保ちつつ、
「サンセット・サンライズ」的なストーリーをなぞるんだなと、大筋の流れを予想し悟る。
そして、「風船」というアイテムの使い方がとても良い。
東出宅で、物干し竿に風船の紐を結びつけ、
風船は「飛ばない」ではなく、風船は「飛べない」ものに、意図的にしている。
飛べない風船はただの風船であり、
飛べない東出昌大はただの髭面ヤサグレ漁師であり、
飛べない三浦透子はただの失業ニートでしかない。
元々、この風船は東出妻子から東出への「待ってるよ」とか「帰ってきてね」の記号であり、
色も黄色なので、「幸福の黄色いハンカチ」と同じ使い方をしていたのだが、
途中から風船の意味が変わってくる。
妻子が死ぬと、東出が自分で紐と物干し竿とで縛るようになる。
死んだ妻子との、絶対に叶わないはずの「再会」を意味したり、
紐で縛りつけることで、東出の過去のトラウマや後悔への「執着」を意味するようになる。
そして最終形態は「自分自身」と「過去」とを縛りつける象徴になる。
「この風船、どうなっちゃうんだ〜?」
(^O^)/
と、まるでトムブラウン布川の雄叫び疑問形が、
聴こえてくるかのような記号としての風船の使い方。
んでもって、風船は常に風に揺られて「ユラユラ〜」と揺れている。
東出の心の有り様、そのものの不安定さをも象徴している。
その風船を三浦透子も次第に気になって仕方がない感じになる。
東出のトラウマの真相を知り、その風船は三浦の心の有り様の、象徴にもなっていく。
「この風船、どうなっちゃうんだ〜?」
(^O^)/
島の港町ゆえ劇的な展開は起こらないが、「コトー」のドラマと同じで、
そこはもはや、小林薫自体が記号になっており、
誰かが病気で倒れますとか、
誰かが行方不明になりますとか、
「コトー」にもあったような、あるある展開しか起こらないのだが、
ちいさな町村ならそれだけで充分、一大事ですで押し通せるのが、孤島の都合の良い所。
個人的にグッときたのは、亡くなった透子ママの手帳日記を、
娘がこっそり読むシーン。
|д゚)チラッ
1日1日、短文ながらママが思ったことや出来事を書き連ねる日記だが、
命日以降から真っ白のページだけになった時、せつなくて泣いた。
うちの母親も家計簿つけてたのだが、体調悪化してからページが真っ白だった。
遺品整理中にそれを見つけて読んだ時、やっぱり泣いた。
オジサンも、泣いちゃったんだ、うん。
(/_;)
あとはねえ、やっぱ我らが東出先生だなあ。東出がマジ良かったんすわ、この映画。
大根役者だと思ってたのに、なんでこんなにいいんだろ、
ってアレコレ考えてたら、
( ゚д゚)ハッ!
「喪失と再生」の映画って、、、
東出昌大の私生活も「喪失と再生」そのまんまじゃ〜ん!
\(^o^)/
そりゃ上手いに決まってるわね。
良かった演者
東出昌大
三浦透子
小林薫
笠原秀幸
なんの変哲もない作品
辛過ぎる
黄色い風船に託す思い
家族を失った悲しみから立ち直れない人生。
そんな喪失から生きる力が湧かない男を東出昌大がナチュラルに
自然に画面に写っていました。
多島美と言われる広島の蒲刈島や江田島にロケした美しい景色。
画面には光が多く差し込んでいて“悲しい喪失“の物語なのに、
本当にカメラが美しい。
雪に閉ざされる北海道より、やはり陽光に抱かれる温暖な
気候の地域は“魚を釣る“果実を剥く“畑を耕す“だけでも
シンプルに生きていけるけど、一旦豪雨が襲い土砂が崩れると
生きることもままならなくなるんですね。
豪雨で妻と息子を失った漁師の憲二(東出昌大)。
妻子の帰りを待ち庭の洗濯竿に黄色い風船を括り付けている。
妻子が帰る時の目印だ。
決して還らない人、還らない日々なのに待ち続ける。
“待つのは自由“
“忘れないのも自由“
“幸せにならないのも自由“
それでも島に父親を訪ねて帰ってきた凛子(三浦透子)の
押し付けがましくない優しさに触れ、
風船を空に逃して自由にしてやる。
そのシーンは、賢ニの再生がほのかに見えてホッとします。
同じ生きるなら死者より正者の側で、
美味しく食事して肩の荷を軽くして
生きてほしい。
それは死者の願いかも知れません。
髭面の東出昌大がかっこいい
「黄色い風船」を「黄色いハンカチ」と言うが「黄色いリボン」だ
僕の世代は誰でも知っている事だが、ピート・ハミルの原作で、「黄色いハンカチ」はオリジナルじゃない。ドーンの「しあわせの黄色いリボン」がアメリカで流行り、どこかの誰かが、そのヒット曲の二匹目のドジョウ映画として、商業的ヒットを狙った映画に過ぎない。
また、
風船は水素で浮いている訳だから、原子番号1の水素はどんどん風船からそのガスは抜けていく。
「いつまでも浮いている」がこだわりなのだから、その「こだわり」が出鱈目だと稚拙さを感じない訳にはいかない。
その他も突っ込みどころ満載で、かの演出家系列の才能の欠片も芽生えていない人物だと判断した。広島を描きたいのなら、尾道出身の演出家もいらっしゃる。是非、新たな影響を受けてもらいたい。このストーリー展開は太古の日本映画の予定調和そのもの。
なぜ?なぜ?教師なのか?
鬱を患って、父親から「頑張るな」と言われているのにもかかわらず「また、教師をしてみる」と言う決意(結論)が理解出来ない。
蛇足で申せば、教師なんて「ブラックな職業」とのたまう人達もいると聞く。
それはともかく「聖職の碑」伝説は終わり、キンパ◯先生は物凄く数が少ない事は誰でも知っている。
崖崩れなんだから、天災じゃなくて、人災でしょう!
幸福の黄色いフーセン‼️
まぁまぁの良作なれど
それなりに最後まで見れた。悪くはないがありきたりのストーリー。
作品の魅力は東出昌大の演技力ではなく、小林薫の魅力、三浦透子の素朴さにあろと思う
小林薫演じる父親が途中倒れて病院に担ぎ込まれるなど、あちこちの作品のネタを詰め込んでる感満載
映画好きだとワンパターンに思えるが、よくできたと思う
東出昌大が好演
人の命がなくなってしまうのは理由が何であれ、悲しくさびしい。
愛する家族が、
そして、その原因が災害ならば、
あの時こうしてたら、そこに行かなかったら、とか、タラレバばかり、
頭をよぎり後悔の毎日から抜け出せない。
どうすれば、抜け出せるのだろう。
豪雨による土砂崩れで妻と子を亡くし、生きる希望を失って抜け殻のようになりつつ、帰って来て欲しいと黄色い風船🎈を物干しにくくり、生きる縁として細々と生活する憲二を東出昌大が演じている。
凛子の父の命を救ったことで、
島の人々に注目され感謝され期待されるまでとなり、少しずつ元気も出て来た。
凛子との絡みもあって快活な頃に戻りつつある。
東出昌大の自然な演技が良かった。以前の棒読みのようなセリフまわしではなく、本当に自然な感じがよく出ていた。
この話のここまでは良かった。
方や都会から挫折して親が移住した離島に、
一人暮らす父の元に娘凛子がやって来て、
憲二と交流するうちに、元気を取り戻していくという話であるが、この三浦透子さん、
ちょっとくどい。演じ方が。
私上手でしょ、と鼻につくのを何回か感じた。
また設定にしても、なぜ教師なんだ⁉️
いろんな職業がありどこでも人間関係が生じ、
挫折もする。
仕事が教師である必然性を感じない。
ストーリーとして安直に教師の仕事を選んだように感じた。
2年目にうつになることも、教師に限らない。
憲二に勇気を貰ってまた臨時採用で復帰しようと思えた、とラスト辺りで言っていたが、
しばらく島で過ごして復職できるなら、
もっと早くにできた筈だ。
個人的東出史上最高傑作(WILL公開以前)
2023年劇場鑑賞6本目 優秀作 71点
当方東出の声の演技や身体から滲み出る雰囲気が苦手で、作品によっては生理的に受け付けない時もありますが、今作は個人的に東出史上最高傑作でした
のどかな田舎の街風景や海辺でゆっくりと丁寧に東出の成長を描いていて、過去を乗り越えていく過程を説得力ありきで、それを実直に演じていた
無気力で魂かこもっていない感じがあの話し声にマッチしていたし、ビデオのシーンや怯えるシーン、何気ない釣りのシーンや仲間内の談笑シーンなどはすごく自然でハマりにハマっていた
三浦透子も難しい役所だったと思いますが、人生に迷い里帰りした元教師を穏やかに演じていました
きっと人のためになること、心を動かし導くことにやりがいを感じ教員として務めていたけど、それ以外の側面だったり教員としての挫折を感じての里帰りでしたが、ちゃんと目の前に困っている悩んでいる人がいると、彼女なりのアプローチで導こうとするその気質が、ちゃんと元教員という設定に意味があった
タイトルのとべない風船が、暴雨を知らせるのに吊るしていたり、単に思い出の風船だったり、いつまでも過去から一歩踏み出せずにとどまっている様子を、その縛られて上に飛んで行かない風船への比喩だったり、ポスターの逆さまなのがあることを境に見る世界が変わってしまったことの比喩だったり、そのポスターの風船が線香花火みたいなのがずっとそこに停滞している感じを表しているんじゃないかとか、、、勝手に想像していますが半分くらいはあってる気がします
空気を感じ真面目な邦画がお好きな方は是非
瀬戸内海の潮の満ち引き、家族を失ったあの日!
家族を失った男性が漁師の仕事をするなか
生まれ育った故郷で、人々に背中を押される
思いで再生、人が心の底で自分を想っていた
人間の優しさに触れるストーリーでした。
瀬戸内海の潮の香りがするなか、
亡くなった家族が今も自分を見守ってくれている気がした!
そんな新たな気持ちで飛ばすことの無かった
風船を空に飛ばします。
空高く飛んでいく風船の色と
美しい海は、色彩豊かに自分の胸に語りかけるシーンでした。
「生きること」を見つめなおさせてくれた素晴らしい作品
風船が飛べない理由は風船にも風船を握った人にもあるようです。当事者の心境に寄り添える人ほど共感できる作品かと思います。
最近観た「そばかす」で観た三浦透子さんが
出演している作品ということで興味が涌いて
鑑賞してきました。
のですが… 。
作品の世界に、上手く入り込めなかった感じです…。 むぅ
なので、モヤモヤした感じが残りました。
何故かなぁ… と振り返ってみて
思い当ったのは
#ヒロインは、何故この島に来たのか。
#東出に、どんな十字架を背負っているのか。
#小さな女の子は誰の子?
#東出をなじる初老の男は誰? 奥さんの父親?
…etc
そういった事が語られないまま
話が進んでしまうから、と そんな気がします。
登場人物の 「背景」 と
登場人物間の 「関係性」 。
そういったものが、
観ていく内に何となく分かってはくるけれど、
ストーリー冒頭まだ見る側の理解が浅い段階から
「登場人物の感情のたかぶり」
「こだわりの部分」
の描写が続いて描かれていて、
「理解」 や
「共感」 を感じられず
最後まで 「傍観者」 として 観てしまった感じです。
※何か大事なポイントを見落としてしまったのかなぁ…
そうならば悔しいし、申し訳ないのですが。。
◇ 最後に
空飛ぶ風船
風船が1個だけ空を飛んで行く場面なら
色々な作品で目にしてきたように思うのですが
「風船2つ」 をヒモで繋いで飛ばすのは
新鮮な光景でした。
「Uの字」 になって飛ぶのですね。
繋がってる感がありました。
◇最後の最後に (…観終えて2週間過ぎて思うこと)
風船が飛べない理由は
重いものが詰まった風船そのものと
風船を縛りつけてしまった人の
それぞれにあった。 ということ…なのでしょうか。
重さが軽くなり
縛りを解かれて
二つ一緒になら、飛んでいくことが出来た。
最後の場面をそう理解すれば、
余韻を感じられるエンディングという気がしてきました。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
何気に東出くん好きかも
もう少し近い劇場でお願いします。
みんなの未来が幸せなものでありますように。
集中豪雨で妻子を失った漁師の憲二と仕事につまずき父の暮らす離島へやってきた凛子。二人の再生の物語。
2018年の西日本豪雨災害を背景にしていて、時間とともに記憶が薄らいできたタイミングなだけにかなりショッキングな被災描写もあり。
ストーリーは「幸せの黄色いハンカチ」をオマージュにしており、ラストはとっても温かい気持ちになれます。悪い人は出てこないしみんな一生懸命に生きています。
ちょっと脚本のツメが甘いのが気になってしまいました。(島には初めて、ということだけど凛子さんのお母さんのお葬式はどこでしたんだろう?母親のお葬式には出てないの??)などが引っかかってしまって。
と、言いつつかなり泣いていましたけどね。
東出昌大さん、三浦透子さん、小林薫さん、浅田美代子さんはもちろんのこと、憲二の義父役の堀部圭亮さんがとても良かったです。娘と孫を失い行き場のない気持ちを吐露する場面、その心情が痛いほど伝わってきました。
空へ飛んでいく風船を見つめながら(みんなの未来が幸せなものでありますように)と祈らずにはいられませんでした。
完成度の高い人間ドラマ。
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