「渇望(色々と)」地下室のヘンな穴 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
渇望(色々と)
どんなワンアイデア映画なのかな?と思って鑑賞しましたが、予想の斜め上をいく展開に爆笑しました。物好きな人に刺さる映画だなと思いました(自分でした)。
夫婦が購入した住宅の地下には穴があって、そこに入ると半日時間は進むが、3日若返るというシステムで、奥さんはめちゃめちゃ魅了されて入りまくって中毒になるというのが前半で、無茶苦茶若返っていく展開なのかなと思いましたが、まさかの旦那さんの勤め先の社長さんが電子ペニスに変えたというところから話の方向性がヘンになっていきました。
自分でコントロールできる、ボタン一つで勃起できる、これで衰えも感じない、穴の方と話が合流しますが、奥さんはこの話を話半分で聞き、社長さんはあいつは感動してない、ただ旦那は感心していた、とお前は何を言ってるんだ状態になっていました。
奥さんは面白いくらい穴に入りまくって、ちょびっとずつ若返っていきますが、推定50代から20歳まで若返ろうとすると、何万往復しなきゃならんのや?と思いましたが、そこはすっ飛ばしてめっちゃ若くなってモデルになるという夢に一歩踏み出しました。それと同時進行で社長さんの電子ペニスがぶっ壊れて日本に直しに行く展開になりました。いや日本の名前ここで出さないでくれ笑
奥さんはモデルになれず悲観に暮れ、旦那さんはその奥さんに苦悩し、社長さんは日本語が通じず、手術の依頼とかどうやったんだと思いましたが、電子ペニスがうまいこと直らずこっちも悲観に暮れていました。どんな手術なのか?と気になりましたし、言語が全く行き来していないのも面白かったです。
終盤は怒涛のダイジェストで、奥さんは更に若返りを求めるも精神を病み、同時進行で旦那さんも疲労し、社長さんは車が炎上して、また新たな車を購入して、新たな女性と結婚し、浮気がバレて、車が破壊されて、また新たに車を購入して、その運転中に電子ペニスが故障し火が噴き出てそのまま事故って死ぬという謎オチになっていました。いい具合に笑わせてもらいました。
傷口から蟻が出てくるという苦手な人には地獄な展開ですが、見た目だけ若くなって体は腐り始めたという急に怖い事をし出すのもこの映画の魅力だと思いました。
老いって怖いよね〜というテーマを軸にしつつ、監督のやりたい事を短い時間に詰めた奇作でした。ぜひ監督の次回作も追っていきたいと思います。
鑑賞日 9/4
鑑賞時間 10:35〜11:55
座席 I-13