ノベンバーのレビュー・感想・評価
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豚の解体が好きだ
兎に角、"盗む"が徹頭徹尾続くストーリーである 決してエストニアという国の特性ではなく、環境、若しくは前時代的発想ではそれがスタンダードだったのだろうとは想像出来るし、それを咎めようとは思わない 自分だってその時代に生まれれば同じ事を当然のようにやると思う
と同時に、ファンタジーが溢れているストーリーということは何かのメタファーとも取れる作品であり、寓話、もっと言えば絵本的構成になっている今作品に強烈に惹き引せられる理由が存分に理解出来る 最後はシェークスピア的に悲劇で終わるけど、そこまでの物語も悲恋として心に突き刺さる内容である
”希望を”一切除外した作品、あっぱれである あっぱれと言えば、自然に人間に有らざるモノをここまで自然に溶け込ませている点、ここまでの作品は他に無いと感嘆させる
19世紀のエストニア。 翌日11月を迎えるその日は、死者を迎える日...
19世紀のエストニア。
翌日11月を迎えるその日は、死者を迎える日。
死んだ者たちが蘇って、飲んだり食ったりした上にサウナに入るのだ。
しかし、死んだ者たちの本当の姿は、大きな鶏。
サウナいっぱいの大きさなのだ・・・
といったところからはじまる物語で、魔術や精霊、人狼などが徘徊する世界の物語。
物語の中心は、農夫の娘リーナ。
彼女が思いを寄せる青年ハンスはドイツ人男爵の娘に恋焦がれている。
が、リーナの思いも、ハンスの思いも一方通行、相手は振り返らない・・・
と、大筋はラブロマンス。
なれど、全編を覆う禍々しさは傑出しており、ダレ場であるサイドストーリーすら息が抜けない。
この緊張と緊張と緊張がこの映画の良さなのだが、あまりに緊張しすぎて卒倒しそう。
冒頭から登場する、農機具などを組み合わせて魂を吹き込んだ使い魔クラットなどは、描き方によってはコミックリリーフになると思うのだけれど・・・
結末は・・・悲恋。
オフィーリアの最期を思わすような悲恋の物語。
もう一度観ると、可笑しいシーンで笑えるようになっているかもしれません。
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