「【生者と死者と魔女と使い魔や疫病が共存する不可思議な世界での切ない恋を描いた、エストニア発の幻想優美なダーク・ラブ・ファンタジー作品。独特なる世界観をモノクロームで美しく描いた作品でもある。】」ノベンバー NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【生者と死者と魔女と使い魔や疫病が共存する不可思議な世界での切ない恋を描いた、エストニア発の幻想優美なダーク・ラブ・ファンタジー作品。独特なる世界観をモノクロームで美しく描いた作品でもある。】
ー 舞台は、エストニアの寒村である。-
■今作では、様々な不可思議な生き物が実体を持つかの如くに描かれる。
1.生者
2.死者:白い顔をしているが、家族の元に帰り、食事をし、サウナに入る。
3.使い魔:獣の骨と古い工具が合体しており、クラットと呼ばれる。生霊と言っても良いかもしれない。
4.疫病:山羊や豚に姿を変え、寒村の中を徘徊する。
5.魔女:人間と取引するのに、3滴の血を要求する。
・今作では、上記の者たちがモノクロームの世界の中で共存している。キリスト教の要素も絡めながら、独特な世界観を構築している。
・そんな中、農家の娘リーナ(レア・レスト)は、ハンス(ヨルゲン・リーク)に恋をする。だが、ハンスは男爵の娘に恋い焦がれ、リーナには目もくれない。
リーナは父により、豚の様な男と一緒にされそうになるが、激しく拒絶し、ハンスを諦めきれない彼女は魔女に相談をする。
一方、愚かしきハンスも男爵の娘を想い、悪魔に魂を渡してしまうのである。
<そして、リーナは衣を纏い、ハンスを想い池の中に身を沈める。この水中でのリーナの髪が靡きながら、彼女が振り返る幻想優美なシーンが実に美しいのである。
今作の独特なる世界感は、ライナル・サルネット監督により完璧にコントロールされており、破綻が無く、観る側を蠱惑的な世界に誘ってくれるのである。
北欧ダークファンタジー作品に新たなる逸品が生まれたと言っても良い作品である。>
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