「毎日同じことの繰り返し」MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)
毎日同じことの繰り返し
タイムループというネタに新規性はないが、社畜な環境のオフィスの一室でそれを展開するというアイディアには新規性がある。時間を繰り返している時の気持ちと、来る日も来る日も同じような仕事の繰り返しでうんざりする気持ちは似ているのかもしれない。
同僚にタイムループを気づかせるために、あの手この手を駆使していく過程がこの映画の面白さになっているのだが、その手法がきわめて日本の会社的なのがいい。日本企業的なコミュニケーションのあり方を学ぶ教材としても良く出来ている気がする。
タイムループを抜ける鍵は上司の果たせなかった夢。その夢を社員一丸となってかなえようとするのだが、その過程で主人公が仕事をすることの意味や自分の人生について振り返っていく構成がしっかりしていて、等身大の人間の物語としても秀逸。
仕事の悩みを描く作品は多々あれど、こういう形式で描かれるとまた新鮮な感覚がある。
ほとんど、オフィスの一室で展開するため、予算も結構抑えめで作れているのではないか。アイディアの勝利だ。
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