「合点承知の助、行け行けドンドン」MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
合点承知の助、行け行けドンドン
終わってみれば、マキタスポーツ演ずる永久部長が最高のキャラでした。平凡な日常とは言え、仕事に追われつつ転職の夢を捨てきれない主人公の吉川(円井わん)も徐々に上昇志向で自己中心的な悪い面を徐々に見せてくれるし、小さな広告代理店ながらも個性豊かな社員達。タイムループの脱出法も部長に伝えるまでに「上申制度」を用いるというユニークな作戦を使うなど、アイデア豊富なストーリー。
ループものの映画についても『ハッピー・デス・デイ』、『オール・ニード・イズ・キル』に言及するなど、ループの基本を踏襲していたし、やっぱり『恋はデ・ジャブ』が最高傑作なんだとあらためて認識させられた。何度も死ぬ内容のものが多いジャンルなだけに、誰かが死ぬこともないし恐ろしいシーンもないので安心感もある。何度もループするところどころで抜け出して楽しんでたとも言っていたし、デザインのスキルアップや完璧なまでの仕事で顧客満足度もアップするなど、悪い面ばかりじゃない。“ミッタブ”という味噌汁のコピーも笑えるけど、どこかに“丸い椀”という言葉があれば尚良かったかな・・・
呪いのグリーンダイヤモンドが原因じゃないと判明し、そこからが部長が仕上げられなかった漫画を仕上げることが当面の目標となった彼ら。その漫画の内容が映画のテーマとも重なり、繰り返すことの奥深さも感じられた。聖子さんが置いてけぼりを食らっていたかと思ったら、最も重要なポジションだったこともわかり、嬉しくなってしまう。それにしても70回も繰り返したら、1年分以上も年を取ってしまうようなぁ。
50代間近の永久部長。漫画誌ばかり読んでいる閑職かと思えば、これだけ部下思いの上司だったとは・・・こんな上司の下で働いていたら、自分の人生も変わっていたかも・・・としみじみ。ループものに飽きていても、これだけハートウォーミングなストーリーはなかなかお目にかかれない。もしかすると、部長は戦前から生きているとかの妄想までしてしまった。
2000年代に入ってからタイムループ、タイムリープ、タイムトラベルなどの時空を扱ったものや、パラレルワールドや異世界ものが大流行。特に日本のアニメは他のテーマが見当たらないくらい・・・と言えば大袈裟か。「ひぐらしのなく頃に」もタイムループものだと最近知った者が何をか言わんやですが・・・
おはようございます😃
読んで下さって、ありがとうございます。
「味噌タブ」とか、後から突然目立ってくる聖子さんとか、
小技も捻りも効いてましたね。
スターが居なくてもこんなに面白い映画が出来るんですね。
驚きました。