「独特の余韻」ザリガニの鳴くところ Raspberryさんの映画レビュー(感想・評価)
独特の余韻
自然は適者しか生き残らせようとしない。広大な湿地帯で小さなカイアはひとりぼっちで生き残った。
女を欲望のはけ口にしか見ないクズ、暴力で支配することしか頭にないクズは、自然界で生き残る必然性がない。
「時には獲物が捕食者を殺さなければならない」
自然の一部であるカイアの行動は自然の摂理。
母親は人間だから逃げ出したけど、カイアは湿地帯の生物のひとつ。
結局、自然を外部から観察する人間テイトには、カイアを完全には理解しきれなかった。
美しい自然の一部として生きるカイアの暮らしは作家の理想郷か。同時に、法律を欺いてでも不条理な暴力を排除したいという願望をフィクションという形で見事に昇華していた。
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