「原作を読んでなくても「小説を映画化」したのがわかる映画」ザリガニの鳴くところ maruさんの映画レビュー(感想・評価)
原作を読んでなくても「小説を映画化」したのがわかる映画
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エンドロールの「貝殻」のイラストがよかった。貝は別の貝とはピッタリ合わないと聞いたことがあるので、テイトがカイア夫婦になったことは“自然だった”と思わせてくれた。
チェイスに贈ったネックレスが家に置いてあったのは、「バレたら捕まる」「バレなければ私は悪くない」と、自然に委ねたのだと思う。“湿地”という場所で自然を直に肌で感じて育ってきたカイアは、自然(流れ)に委ねた。
結果として、家の中からネックレスが見つからなかったのは「警察のずさんな捜査」を裏付け、“湿地の娘がやった”という偏見を外せてないことが証明された。
雑誌編集者との食事会で「自然界に善悪はない」とカイアは言っており、カイアはチェイスに怯えてその地で生きることを選ばず、生き残るためにチェイスを排除する道を選んだ。
1964年という時代、男尊女卑・人種差別の激しいアメリカで白人の若者から身を守るためには、幼い頃から誰にも頼れなかった境遇・弱肉強食の自然・虫たちに善悪などないという考えからも、チェイスに殴られたときから、チェイスは「大事な人」から「虫同様」の価値になった。だから殺した後も平気な顔で人と会えた。自然界では生き残るために当たり前に起きていることだから。
映画もすごく自然な流れで見やすかった。本当、小説見てるみたいでした。
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