「良かった…」ザリガニの鳴くところ Nyanmoさんの映画レビュー(感想・評価)
良かった…
おすすめされて観ました!
個人的にハッピーエンドが好みなので、最近よくある「ラスト数分のどんでん返し」みたいなのが苦手なのですが(最後まで何があるか分からなくてドキドキするから落ち着かないと思ってしまう)、それは置いておいて良い映画でした。
あの貝ネックレスを取ったのって、疑われないように、もあるだろうけど、カイラのことを本当に好きで、そのままの彼女を見てくれて、自然のことも尊重してる気持ちからではなかったと分かったからあなたには付けてて欲しくない、ふさわしくないから返して!みたいな気持ちもあったんじゃないかなぁと、観て一夜明けてから思いました…。
カイラ亡き後日記を見つけたテイトの顔ね…。そしてそれを湿地に葬りさる、湿地は全てを受け入れる。あれをどうしたらいいか分からなかったのか、愛なのか。
でもカイラのテイトへの愛もまた本物ではあったと思う。
町の人から蔑まれて、ずっと天涯孤独で自然の中で自然と共に過ごしたカイラにとって、自然の方が身近で、生きる為にはカマキリのメスがやるようにオスの命を奪うことはむしろ自然なことに思えたんだろうなと。
ボンボン息子(名前忘れた)のお母さんすごいいじわるに見えるような演出であったり町の人が偏見たっぷりなように描かれてて、カイラが善人、町の人が悪みたいな構成が出来てたと思うけど、やっぱりカイラ殺人は犯してた。その上で「湿地の娘」カイラのことをあなた(視聴者)はどう思うかと問われる気持ちのする映画だったように思う。
ボンボン息子も誰にも本当の自分を理解してもらえないけどカイラだけはみたいな、彼女に自分の理想とか願望を押し付け投影してたんだと思う。風のように自由なカイラが羨ましくもあったんだろう。でも自分のモノにならないから癇癪でのあれかなみたいな…。ないわ…。
男の人とか社会とかにひたすら翻弄されまくっててほんとに見てて痛々しかった。
タイトルの意味は、お母さんが言ってた、殴られた時?お父さんがやべー時はザリガニが鳴くところまで逃げなさいってやつからだと思う。逃げなさい隠れなさいってことで、お母さんはそうした。カイラはそれもしたけどそれだけじゃなくて牙も向いた。
映画の中で彼氏たちはカイラを町の人の1人にさせようと試みたりしたけどカイラと町の人の間には心の深いところに超えられない壁があったんだろうね。