「三角の湿地帯」ザリガニの鳴くところ MARさんの映画レビュー(感想・評価)
三角の湿地帯
家族に捨てられ、ひとり孤独に湿地の家で暮らしてきたカイア。ある時、その湿地で町の青年が遺体で発見されたことから、カイアに懐疑の目が向けられて・・・といった物語。
美しい湿地帯と哀しき真実のコントラストが印象的なミステリー作品。
幼少期から粗暴な父親の所為で家族は散り散りになり、学校へも行かず、湿地に住む奇人として町の人からは疎まれて生きてきたカイア。
そんな彼女の元、唯一優しく接してくれたテイトと出逢い、恋に落ち、孤独だったカイアの人生に光明が見え始めたかと思ったが・・・。
物語としては、幼少期の粗暴な父というトラウマや、大切な人達に置き去りにされた過去などが、後に出逢うチェイスやテイトとの恋模様に、良い影悪い影を上手いこと落としている感じ。
そして、町に溶け込めず風変わりな暮らしを送るカイアを馬鹿にし蔑む人々の姿・・・別に彼女があんたらに何をしたわけでもないでしょうに・・・でも、変わり者を嫌う地域柄でもあるのかな。
法廷の場面・・・滅茶苦茶ですね。そんなんで検事が務まるのかというくらい、まさに、それってあなたの感想ですよね?状態。あんな条件しか出てきていなくても、カイアに悪者であって欲しいと望む者もいるのかな・・・胸糞悪いですね。
衝撃のラスト‼というにはもうちょっと想定外のどんでん返しが欲しかったようなような気がしないでもないけど、登場人物の背景や伏線回収などがバランスよく盛り込まれており、恋愛パート(?)がちょっと長いかなぁ~と思いつつも、美しさと哀しさを併せ持った観易い作品だった。
それにしても湿地帯の情景が美しいですねぇ~。ワタクシはカイアのように逞しく生きられるとは思えないけど、あんな場所で過ごす人生も経験してみたいな~なんて思わされた。
また、関係ないけど子供の頃飼っていたザリガニの事を思い出した。
狭い虫篭にただ一匹・・・今考えれば可哀想なことをしてしまっていたなぁ(涙)