「ザリガニは出てきません」ザリガニの鳴くところ uzさんの映画レビュー(感想・評価)
ザリガニは出てきません
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示された“事実”からでなく、“伏線”から真相を予想させる作りであり、つまりミステリではなかった。
強いて言うなら恋愛サスペンス、もしくは人間ドラマかな。
とはいえそれは宣伝が間違っているというだけで、作品自体はとても良かった。
演者はみな達者で、映し出される自然もとても美しく、メリハリのある構図と相まって飽きがこない。
家族に捨てられ、嘲笑されたトラウマから学校はおろか社会からも距離を置いたカイア。
青年期のテイトと再会したときは、(初対面ではないのに)完全に警戒する獣の対応だった。笑
それが、チェイスとの出会いからはややスムーズになり、本を出し、出版社の人間とも交流した。
もともとお洒落したり“女の子”としての感覚はあったが、人間性社会性を高めていく描写は非常に丁寧。
しかし、やはり彼女の家は最後まであの湿地帯にあった。
そういうことなんだと思う。
ところで、『ザリガニの鳴くところ』って何だったんだろう。
そこに「逃げろ」と言っていたから、『誰にも見つからないところ』ってことかな。
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