「塩茹でのザリガニを期待した浅はかさ(笑)。」ザリガニの鳴くところ やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)
塩茹でのザリガニを期待した浅はかさ(笑)。
主演の女優さんや湿地帯の風景など、なかなか綺麗で目の保養になったこと、そして最後のゾッとするオチも含めて大変印象的な作品でした。
ただ、全体的に「湿地帯に住む生活感」というのが表現出来ておらず、寓話的、悪く言うと絵空事みたいな雰囲気がただよっていた点は唯一のマイナスだったと思います。
生活感の演出という点で、欠けて居たのが日々の食材調達、調理、食事シーンですね。
貧しそうな小さな子供が居たとして、一番気になるのが「毎日どんな食事をとっているか」です。採集活動で生活資金を得ることが出来たとして、購入したとうもろこしの粉(でしたか?)を当時、どうやって調理してたか気になって仕方ありませんでした。
彼女が成長するにつれて湿地帯で採取できる食材だけで日々の暮らしは全く困らない、なんならフルコースでも作れる、って設定にしたらより、鑑賞者との距離が近くなり共感度が上がったと感じました。
題名にあるザリガニも、幼少期に母親からザリガニの群生するポイントを教えてもらっていて、お腹空いたらそこで食材調達しなさいって仕込まれていた可能性をまじめに予想してました。ザリガニは当時から日本でも普通に食べられており、意外に美味しいそうな。
古びてはいるが、カラッとして湿気をまるで感じないアトリエみたいな彼女のお家は、撮影用のセットなんでしょうけど、不便な田舎暮らしの経験のある私には観光宣伝用にしか見えませんでした。
では。
今晩は。
確かに彼女が一人で生きるシーンは、観る側に委ねられていましたね。
これは、私の意見ですが、そこを細かく描写してしまうと、彼女の苦労が薄まってしまうのではという思いと(サヴァイヴァル映画になってしまう)、この作品はあくまで彼女の成長物語だから、という思いで、観ていました。では。
返信は不要ですよ。