「善悪の捉え方」ザリガニの鳴くところ Gingerさんの映画レビュー(感想・評価)
善悪の捉え方
ノースカロライナ州の湿地の大自然を舞台に家族から見捨てられて孤独に生きてきた少女の半生を恋愛、ミステリー、法廷ドラマを混じえながら描いたストーリー
ストーリーの主題は、他人からのレッテルや差別
ストーリー展開や内容がとてもよく、自分的には、今年観た映画の中でもトップクラス
主人公カイアは、内向的で純粋そうに見えるが、厳しい家庭、生活環境の中で自然と共に逞しく生きてきただけあり、芯の部分はとても強く、時々殻から出るとすごい行動力を発揮する
一方、殺されたチェイスは、カイアを弄ぶ性悪のDV男と捉えられるが、本当にそうだろうか?
街の有力者の息子と恵まれた家庭環境、街では常に友人に取り囲まれ、孤独とは程遠い、カイアとは正反対の環境
しかし、彼がカイアに話している内容から察するに、やたらと干渉し自分の意見を一切聞いてくれない過干渉な親、周りにいるのは自分が街の権力者の子供と言う肩書きに擦り寄ってくるホントの友人とは呼べない連中、更に勝手に親同士に決められた婚約者
彼は、きっとすごい孤独を感じていたのだと想像できる
そこに現れた孤独中でたくましく生きるカイアに、本当に惹かれたんだと思う
彼の本性は、本当に婚約者がいるにもかかわらず、カイアを弄びDVをするような劣悪な人間なんだろうか?
自分は、それ以前のカイアと過ごしていた時の彼が本の彼なのだと思う
その証拠に彼女から貰った貝殻のネックレスは肌身離さず、最後まで身につけていたことからも、本当にカイアのことを愛していたのだと想像できます
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