「ノースカロライナ州の湿地帯で若い男性チェイスの死体が発見される。近...」ザリガニの鳴くところ panpan00さんの映画レビュー(感想・評価)
ノースカロライナ州の湿地帯で若い男性チェイスの死体が発見される。近...
ノースカロライナ州の湿地帯で若い男性チェイスの死体が発見される。近くには展望台があり、そこから転落したようだ。周囲には足跡が無い。
チェイスは裕福な家庭に生まれているそうだが、そういった描写は殆どなかった。
チェイスの殺害容疑で湿地の女カイアが疑われる。結論から言うと、その後の裁判で無罪となる。
カイアはとても悲しい育ちをしている。カイアは両親と兄妹で湿地に住んでいたが、父親の暴力によって、まず母親が家を出て行った。そして兄妹たちも出て行ってしまい、最後には父親にも出ていかれ、一人で湿地に住み続ける。
カイアは学校に通っていないので字を読めない。一度だけ登校したが、周りにからかわれ、二度と登校しなかった。カイアにはテイトという同じくらいの子と友達となった。
カイアは成長すると、昔の友人テイトが現れた。カイアは字が読めないが、テイトに読み書きを習う。やがて二人は恋に落ちる。
テイトは大学受験に合格し町を出ることになる。テイトは必ず戻るとカイアに約束するも、約束の日に帰ってこなかった。カイアは捨てられたと思い、失恋する。
しばらくしてカイアはチェイスと出会う。やがて二人は恋に落ちる。カイアはチェイスが見つけた珍しい貝殻を加工して首飾りにしてチェイスにプレゼントする。
テイトがカイアのもとに戻ってくる。カイアは激怒する。話を聞く気にもならない。テイトはチェイスとは関わらないように忠告をする。
カイアはチェイスが他の女性と歩いているところに出くわす。その女性はチェイスの婚約者だと言う。
カイアはまた孤独になる。チェイスが訪れてくるが接しようとしない。チェイスにレイプされそうになると、石で殴り難を逃れる。
カイアが暴力を受けたその夜、テイトが訪れる。カイアはチェイスに殴られて顔を怪我しているので出版社の編集者と会うことを躊躇っていたが、テイトはカイアに約束通り編集者に会いに行くようにアドバイスする。
カイアが編集者と出会った日にチェイスは死んだ。
チェイスは普段カイアから貰った首飾りを身に着けていて、その繊維からカイアに殺害容疑がかけられる。しかし死体発見時には首飾りが無かった。
また、死体発見現場には足跡が無かった。カイアの指紋も無い。編集者と会うために予約したホテルがバス停に近いことと、そのバスが深夜に湿地帯の町に往復していることから、事件を起こそうと思えば起こせるため、犯人がカイアの可能性はあるものの、証拠不十分で無罪になった。
無罪となったカイアはその後にテイトと和解し、そして二人は幸せに暮らした。時間が経ち老いると、カイアは湿地のボートの上で亡くなる。テイトが遺品整理していると、チェイスの首飾りを見つける。カイアがチェイスを殺害したと思わせて物語は終わる。
カイアが足跡を消す行為は描かれていた。展望台の床が外れていることも知っていた。カイアは頭脳明晰である。なので計画的に殺害することも可能だと思う。
なぜ殺害したのか?
チェイスはカイアの父親に似て暴力的だった。やがて自身の危機を招きかねないと思い殺した?
ミステリーではあるが、切ないラブストーリーでもあった。カイアもテイトもインテリで教養が高く、羨ましい。
映画としては見て損はないだろう。