劇場公開日 2022年11月18日

ザリガニの鳴くところのレビュー・感想・評価

全443件中、1~20件目を表示

4.0本当の私

2024年10月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

カロライナの美しい湿地の地面や沼地の水面に近いアングルの画面は、人間がこの神秘に満ちた自然界から追放された存在なのだと感じさせる。

自然には善悪はない
時に弱者が強者を葬ることを湿地は知っている

人間が忘れてしまった生き抜く力と自然界のルールを観察しその一部として生活しつつ、人間界の価値観とも縁を切ることもできないカイアのアイデンティティは、彼女が人生を語る中で揺らぎから確信を深めていく。
そして、自らの生命を全うするために必要なことを選別していく。

サスペンスとしては伏線がたっぷりばら撒かれているし、ラブストーリーとしては王道だし、法廷ドラマとしてもオーソドックスな展開である。これらは全て人間界のロジックで駆動している場面である。

その場面のサブチャンネルで静かに確実に起動している自然界のロジックの気配は、身震いするぐらい残酷だが力強い生命、人生への讃歌も聴こえる。

何度もいう。
自然に善悪などないのだ。
そして善悪を分ける境界線は思っているより曖昧だ。
そして自然界は人間が思うよりも強かである。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
イズボペ

4.0湿地の自然が彼女に教えた生きる術

2022年11月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 6件)
共感した! 61件)
ニコ

3.5原作者とその家族の“闇の奥”が、映画に影を投げかける

2023年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

米南東部ノースカロライナ州の湿地帯、高さ十数メートルの見晴らし台近くで、金持ちの青年チェイスが変死体で発見される。青年と関わりのあった“湿地の娘”カイアが殺人の容疑者として逮捕される。彼女に不利な状況証拠と証言。本当にカイアが殺したのか、それともほかに真犯人が? あるいは転落による事故死の可能性は?

鑑賞して、カイアのユニークなキャラクター造形とストーリーの独創性に、この物語を書いたのはどんな人なのかと興味をそそられた。原作は2018年に発表された小説で、著者は1949年生まれ、出版当時60代後半の作家・動物学者のディーリア・オーウェンズ。米南東部ジョージア州の自然に囲まれた環境で育ち、生き物に興味を持つようになりジョージア大学で生物学を学んだというから、まずカイアのキャラクターに彼女の生い立ちが一部投影されたのは明らかだ。

ディーリアと共に同大学で生物学を学んだのが、後に結婚するマーク(彼にとっては再婚で、連れ子のクリストファーがいた)。研究者カップルという点から、カイアと親しくなるテイトのキャラクターにマークの一面が反映されたと推測できる。

オーウェンズ夫妻は1970年代半ばにアフリカに移住し、野生動物の研究と保護の仕事に携わった。ボツワナのカラハリ砂漠での日々の回顧録が、ディーリアの作家としての第1作になった。1990年代に夫妻はザンビアに移り、密猟の取り締まりに関わることになる。

話が怪しくなってくるのはここから。マークは現地の男たちを雇って偵察隊を組織し、暴力的な言動で隊員たちを鍛えた。そして隊員らは、密猟者を発見すると問答無用で射殺したと伝えられている。「地獄の黙示録」の元ネタであるコンラッドの小説「闇の奥」を思わせるような展開ではないか。1996年には米ABCニュースが「死のゲーム : マーク・オーウェンズとディーリア」と題した報道番組を放送したが、映像には密猟者が射殺される瞬間も収められていた。発砲した者は複数いたようだが、この殺害にマークの息子クリストファーが関わっていたのではないかと疑われている。また、射殺した密猟者の遺体はヘリコプターで運ばれ、沼地に落とされたという証言もある。死体は動物に食べられ、殺人の証拠が消えるというのだ。小説「ザリガニの鳴くところ」の発表後、高所から落下した死体、自然によって消される証拠といった類似点を指摘する声もあったらしい。

ディーリアは関与を否定している(その後マークとは離婚した)が、クリストファーは親元を離れてから近所の家の飼い犬を銃で撃ち殺したり、暴行事件を起こしたりしたと伝えられており、相当やばい人物であるのは間違いなさそう。となると、作品中のカイアの父親やチェイスの暴力的な傾向は、マークとクリストファーの暗い一面を反映させた可能性も十分考えられる。

ディーリア、元夫、義理の息子が抱えた闇が本作に投影されたのだとすれば、その独創性を手放しで評価する気にはなれないのだった。

コメントする 2件)
共感した! 24件)
高森郁哉

4.5自然に善悪はない

2022年11月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

自然と調和して生きる人の姿をミステリーとともに描いた秀作。自然の世界に善悪はない、ただ生きる知恵があるだけというセリフは象徴的だ。ミステリーということは殺人事件が起きるということだが、殺人という概念も、差別や偏見というものも、人間特有の善悪の基準なくしては生まれない。人生の大半を自然の摂理の中で生きてきた女性は、人間社会でいかに裁かれるのか、人間の法理と自然の摂理、両方を等価なものとして提示しているのが本作のユニークな点で、ヒューマニズムの外側に開かれている物語だ。
家父長的なものに抗うフェミニズムを描いた作品として理解するのもいい。だが、そういう家父長的なものもそれに対するフェミニズムも、所詮は人間の社会のものでしかない。生きる知恵があるだけの自然の摂理はそれよりも大きい。アメリカ映画でそういう感覚を描く作品は少ない。大変貴重な作品だと思う。

コメントする (0件)
共感した! 45件)
杉本穂高

3.5ミステリアスな語り口がいざなう先にあるもの

2022年11月28日
PCから投稿

面白い物語構造と幾つもの顔を持つ作品だ。沼地で孤独に暮らす少女のたくましい成長モノかと思えば、事故か他殺かをめぐるサスペンス及び裁判モノでもあり、はたまたラブストーリーが絡んだかと思うと、人々の”偏見”もまた『アラバマ物語』的なテーマとなって浮上してくる。この南部の物語を『ハッシュパピー』の脚本家が脚色しているのも面白いところだ。人は臭いものに蓋でもするかのようにレッテルを貼りたがる。そして、ある種の非情な人間たちは社会的な”死角”において特定の人を縛り付け、虐げる。この映画の見どころはその逆境を本作ならではのミステリアスな語り口で超越するところであり、感情豊かでありながら手の内を見せないエドガー・ジョーンズの佇まいをはじめ、演出のペースや美術、ストラザーンの厚みのある演技も効いている。偏見に満ちた世の中を糾弾しつつも、これはむしろ一人の女性が自らの力で己を解き放つ物語だと私は受け止めた。

コメントする (0件)
共感した! 27件)
牛津厚信

5.0美しく引き込まれる

2025年10月11日
PCから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
Aqira

4.0ドンデン返し

2025年9月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

驚く

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
熱帯雨林

2.0自然が美しい

2025年8月23日
PCから投稿

単純

原作にある静かなシスターフッド部分を無視し、ただの恋愛映画にしてしまった。
自然は美しく古い家のキッチンの井戸などがとても愛らしいので、眺めて楽しめる。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
mysha

3.5自然

Tさん
2025年8月22日
スマートフォンから投稿

難しい

映画館鑑賞
人と自然のあいだの摂理についての話

コメントする (0件)
共感した! 0件)
T

3.5ミステリーヒューマンロマンス

2025年6月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

両親にも兄弟にも置き去りにされ6歳から湿地で一人自然を相手に生き延びてきたカイア。その強さとは裏腹に孤独という弱点が潜んでいた。
独りになりたくないからといって好きでもない相手と付き合うカイアの危なっかしさ。テイトに一度裏切られた事を根に持つしつこさ。カイアは美人で頭も良いがしたたかで執念深い。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ゆうき

3.0良い意味で少女漫画

2025年5月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

良い意味で
ストーリーも演出も「少女漫画」でした。
ファーストキスの時は周りにキラキラと葉が舞います。デートも海で。自然も鳥も虫たちも、キラキラです。
少女漫画だと思って観ると面白くみれます。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
md

4.5調査中の謎

2025年4月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

難しい

癒される

ドキドキ

 Netflixの配信を130インチスクリーンで鑑賞。
 原作未読。
 事故か事件か、もし殺人だとして真犯人は誰か...初見時、ラストの描写で、なんとなく真相が分かったように感じたが、引っかかるところがある。
 ①なぜ父親が突然いなくなったのか
 ②裁判後に主人公がお腹に手を当てたシーンの意味
 ③殺人だとしたら単独犯かどうか
 ④赤い繊維は何だったのか
 結局、何度か繰り返し再生して確認したり、他の人の解釈を参考にしようとネットサーフィンの旅をしてしまうのであった。まあ、そういう作品であった。
 後日、①から④について、自分なりの答えを書く予定。

コメントする 2件)
共感した! 40件)
Don-chan

3.5思っていたほど

2025年3月13日
iPhoneアプリから投稿

サスペンスではなかった。

キャラ設定がすごいなと思いました。

自然と人

男と女

ベストセラーのハードル上げすぎました

コメントする (0件)
共感した! 2件)
ボタもち

4.0良質なミステリー&ヒューマンドラマ

2025年3月5日
スマートフォンから投稿

泣ける

知的

幸せ

たった一人で湿地の森の奥で生きてきた少女が、殺人事件の容疑者となってしまう。町中の偏見と差別の中、少女に寄り添う老弁護士と雑貨屋の黒人夫婦。そして少女を昔から見つめ続けてきた青年。法廷ミステリーのテイストもあるが何と言っても秀逸な自然描写にも惹かれてしまう。良質な映画でした。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
wendytiger

4.0湿地は死を理解している

2025年2月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

だから彼女は湿地になった。死を悲劇にしないし、罪にもしない。どんな生き物も生存の為に奮闘する。

これがこの映画が1番伝えたかった事だと思う。幼い頃から父親がDVをする家庭で育ち、崩壊。愛する人にも裏切られ慰めの様に現れた男は父親を彷彿とさせるノンデリカシーなDV男。

裁判で弁護士が言ったことは正解だ。裁判にあたり、湿地の娘と偏見の目で見るのではなく公平な態度で接する事が必要だ。だが、きっとチェイスを殺したのは…。

私も未だに正解が分からない。同じ女性として、性犯罪との戦い方が。未遂なら警察に突き出す事は出来ないし、女である以上力では勝てない。恐怖は一生付き纏う。彼女が湿地になったのは湿地は死を悲劇にしないし罪にもしないから。共感性が高い人は心が痛む映画だと思う。

裏切りと絶望だらけのカイアの人生が、最後は希望で終われて良かった。彼女のいる場所、ザリガニの鳴くところで。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
暇

4.0湿地で孤独に生きる少女が殺人事件の容疑者となり、過去と現在が交錯し...

2025年2月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

湿地で孤独に生きる少女が殺人事件の容疑者となり、過去と現在が交錯しながら真実が明かされていくミステリー。壮絶な幼少時代を送った主人公の生きる力が半端ない。そして、やっぱり支配しようとするのは良くないですね。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
芝本祐介

4.0最後に鳥肌!

2025年2月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
ふた

3.0名優デビッド・ストラザーン。

2025年1月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
ケンドー鹿児島

4.5なんと!

2025年1月26日
スマートフォンから投稿

興奮

知的

ミステリーと説明書きにあるけど人生の話が主体でミステリーか?と思ったらミステリーだった。
よかった
でも1度でいいかな見るの

コメントする (0件)
共感した! 2件)
ぎょうざ

4.5面白かったです。

2024年12月22日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

知的

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 4件)
チョリさん
PR U-NEXTで本編を観る