そばかすのレビュー・感想・評価
全123件中、41~60件目を表示
多様性はなにもLGBTだけじゃない
2023年劇場鑑賞18本目。
そばかすって三浦透子にあるか?と思っていたら そばた かすみさん、略してそばかす。劇中一人もそんな呼び方してません。
ポスターでタバコを吸っていますが、序盤に吸うシーンがあるだけで、後は喫煙シーンは出てきません。正直タバコ吸うのかと思って今週観たいのたくさんあるし、観るのやめてもいいかなと思ったくらいなので、このポスター失敗だと思います。湯切りのザル持ってる写真とかにした方が動員数上がるのでは。
同性愛とかそういうのでなくて、恋愛感情もいうものが欠落しているというそばたさん。どういう風に結末を持っていくのか最後まで引き込まれました。あれ?前田敦子二番目にクレジットされてたよな?あれ?友情出演の北村匠海、一瞬うとうとした時に出番終わったか?と思った頃にどちらも出てきました。
自分も彼女欲しいなとは思っていますけど、そこまで本気で恋愛しているわけでもないし、今の生活を変えるのも面倒だなと思っているので、もしかしたら自分もそこまで恋愛感情というものを持っていないのかもしれないと思いました。
男と女の到達点は恋愛感情。それは刹那でナンセンスだと優しく教えてくれる。
多種多様なマイノリティについて表現される作品が多い昨今。
少し大袈裟だったり、誇張的だったり、わざとらしかったりするなか、
自然でフラットな表現が
とてもリアルで、とても好感的で
なんだか泣けた。
だって日常ってそんなにドラマチックじゃないもの。
だからこそ小さなズレが気になったり、イライラしたりするものだ。
三浦透子 さんの心の動きに正直な細かな表情がとても繊細で、
前原滉 さん、前田敦子 さんも魅力的で
北村匠海 さんの存在感が素敵な余韻を見事に残してくれた
恋愛感情は“本能”ではなく“文化”
だからこそ、その感情理論が理解できないことは、不理解なことでは無い。
だって
決して愛そのものが欠けている訳ではないのだから。
新時代のシンデレラは馬車には乗らない。
これは想像以上でした。私はめっちゃめちゃ好きです。30才のソバタカスミはアセクシャルで他者に恋愛感情を抱かない。でもそれは特別なことでは決してない。そもそも何が正しい、間違いという問題ではない。人付き合いがうまい訳ではないけど、気が合えば誰とでも仲良しになれる。
心に傷を持ちながら日々進んだり戻ったりの父。性的マイノリティを隠して生きる仕事仲間。そしてどこかで今日を生きている自分と同じ価値観の誰か。優しい人達が作る世界の中で、カスミが生き方を身に付けてゆく。
シンデレラは王子と結婚しなくてもいい。あの家を出てひとりで逞しく生きてゆくのもいい。大切なのは自分の価値観を受け入れてあげること。自分に優しくしたっていい。
チェロの音色に乗って多様性という名の様々な生き方が彩られてゆく。カスミが今日も笑って過ごせていますように。素敵な1本でした。
女性の経済的な自立
今でも男女別で平均的な賃金を統計的に計算すると、男性のそれよりも女性のそれは低めに出るようです。
これだけ、雇用の分野における男女の平等ということが言われていても。
それは、あからさまに男女別で賃金格差を設けている企業が多いということではなく、今でも女性は補助的・臨時的な仕事で働く人が多いことによるものでしょう。
しかし、結果として手取り金額の結果だけからいえば、女性の賃金が男性のそれよりも低いことには間違いがなさそうです。
『甘いお酒でうがい』を観たときにも思いましたが、それでも、こういう映画が作られて、彼女のようなライフスタイルを選ぶことができるようになってきたということは、それなりに女性の経済的な自立も進んで来ているのかなぁ…という思いはあります。評論子には。
もっともっと、いろいろな映画を観たいという想いを掻き立ててもらえた一本にもなりました。評論子には。
ソバタだからソバカス?
面白かった。前田敦子さんのキレ芸、相変わらずいいですね。坂井真紀さん懐かしい。懐かしいは失礼か。シンデレラの紙芝居良かった、フルバージョン見てみたい。ソバタさんの生き方にもどこか共感できる。これから家で宇宙戦争観ます。
逆に普通じゃないって何?
ほのぼのとした雰囲気の中から
世界に溶け込んでいると思いきや
他の植物よりも下に見られてしまう(軽蔑されている)ように感じられる
まるで雑草のような主人公
出る杭は1本だから打たれる訳で
他にも同じような出方をしている杭があれば
そこまで気にせずに生活をすることができる
多少雑でも杭が上手く刺さっていなくたっていいじゃないか。
まほちゃんが父親に歯向かうシーンは感動しました
父親ってムカつくわあ
自分の感性に見事突き刺さりました
なんとなく自分の思いが人とは異なることで感じるいづらさ。押し付けられる不快さ窮屈さ。
主人公の気持ちに近い部分があるなぁと思い、かなり共感した。
自分と同じ境遇の人に出会えるのかなあと期待して落ち込んで、それでもまた期待して…出会えた時の喜びは大きいんだろうなぁ。
タイトルが?
今年の1本目!実にいい感じだった。
しかし同時に物足りなさも感じた。
彼女と絡む人達が散発的になってるせいだと思う、、話に大きなうねりがあるともっと良かったな、、
まあ、仕方ないか、、こういう寂しさ、取り残された感じを彼女と共有するという事だ。
LGBTQIA...どんどん長くなって覚えられない草。
皆んなバラバラ、皆んな違うでいいじゃん。
お父さんとの関係が素敵、
家族仲がよいのが本当なによりの救い。
同じ人いるんですか?同じ人がいて、どこかで生きているんなら、それでいいやって。
そうなんだよなあ、人に理解されないことの寂しさ。それなら、ひとりで生きていった方がいいやっていう潔さ。それでも、どこかで孤独感に苛まされて、そんな時に、自分のことを分かってくれる人(それが全肯定ではなくても)がいてくれることの心強さ。それだけで随分と救われるのだ。
少し前のNHKドラマ「恋せぬ二人」でも、高橋一生と岸井ゆきのが、恋愛感情がわかない役を演じていた。蘇畑佳純はこの二人と同じだ。自分の正直な心情を訴えても全然理解してもらえない苦しみ。変だよ、と言われて片づけられる疎外感。下手すりゃどこか精神に異常があるのではと奇異の目で見られる屈辱。あのドラマとこの映画はとても共通していた。佳純を見ていると、多様性の時代と言われる昨今、たとえ自分には理解できないことであっても、それが事実であれば、その存在を認める柔軟性は必要だと感じるのだよな。
最後に佳純が走りだした意味を考えている。フラグはあった。走りながら笑顔(と見えた)であることに、とても心惹かれた。
限りなく中間に近い─
つまらなくはなかったし、面白味もあったし、かといって凄い良かったという印象でもなく・・・
敢えてそうしているのかどうか分かりませんが、マイノリティを掛け合わせている割りに平坦な展開だったと思うし、結構名のある面々が出演している割りに淡々としていたような気がします。それはそれで作風としては良かった感じですが、個人的な感想としては、一つ一つの対話がことごとく台詞じみた印象で、なかなか感情移入ができませんでした。なので、リアリティもいまいちな印象でした。しっかりとした劇として見れば完成度の高い作品なのでしょうけど─。題名も、なんか嫌です。あくまでも個人的勝手な印象でしかありませんが─。
三浦透子さんが歌う主題歌(?)はすごく好きです。透き通った歌声と楽曲が非常にマッチした気がしました。
自分が自分であることの大切さ
映画の中で、色々な経験を経て主人公が変わっていく話は沢山ある。でも、この映画の中では、主人公の蘇畑が「変わらないこと」に重要な意味があると思った。周りから何を言われようが、周りで浮気とか結婚とかそういうことがあろうが、自分は自分であること。時には変わらなきゃいけないこともあるかもしれないけど、逆に、周りに影響されて自分が変わってしまわないこともとても大切なこと。そんなメッセージを貰えたような気がした。
もやもやを振り切って走ろう
2022年。玉田真也監督。30歳の主人公は恋愛感情がわからず、母親からの結婚へのプレッシャーを受け流していたが、ある日、強引に連れていかれたお見合いで同じく恋愛に本気になれない男(しかも近所のラーメン屋だったことが判明)と出会う。そこから始まる、異性愛ではない、同性愛でもない、しかし友達は大切、という主人公をめぐるもやもやの物語。
テレビ的なカット構成(有名人だけアップになる、みたいな)に辟易しつつ、NHK「恋せぬふたり」を見ていたので、結婚・妊娠している妹、同性愛的な女性の登場、理解してくれる男性の登場などそのままではないかと思いつつ鑑賞。主演の女優さんの居場所がない感じがいいので見ていられます。あれだけ「宇宙戦争」のトム・クルーズの走り方に言及しているのだから、最後のシーンはしっかり撮っていただきたかった。カメラがぶれすぎでしょう。
少しずつ繋がってく感じが心地よい
登場人物みんな好感持てて、とてもいい作品だった。
自信を持てない主人公かすみのまわりのいろんな登場人物が、少しずつ繋がっていって、変化を助けていく。
複雑な問題を扱いながら、終始コメディタッチで描かれていて安心して観ることができた。
大事なシーンも重くなりすぎず、むしろ笑いが起こっていたのがなんとも上手い。
ポカポカした劇伴も雰囲気を壊さず、むしろ自然な雰囲気をより強めていた。
出会いが突飛で強引ではあるが、ご愛嬌ということで。
三浦透子はクールな役ばかりかと思ってたけど、冒頭で今までと違うな、と。
よく喋る役、複雑な心情を持った役、何やっても違和感なく入ってきた。エンディングまで三浦透子でどこまで多才なんだ。最近観た「飛べない風船」でも一癖ある役を上手く演じていた。
前田敦子も久々に見たけれど、うまくなったなー。
生きやすさを見つけること
LGBTが映画の題材になることは、今は珍しくないし、私も比較的観ているテーマだ。
ただ、今回のAというカテゴリーは正直にいうと知らなかった。
人は自分の自己認知と社会からの認知の間で生きている。それは誰でもそうだ。例えば、老いというのも同じで、自分では結構若いつもりなのに、周りこらもう○歳なんだから、みたいに言われたりする。
セクシャルマイノリティの人たちはこのような他人や社会の認知と自己認知の間で常に戦わなければならないのだ。ほんの少しの勇気で自分を表現したことで、別の誰かを救っていたこと。それは常に戦っていた彼女にとって何よりの癒しだったかもしれない。
ほんの少し足取り軽く生きられるようになったかもしれない。
勇気をもらえるいい映画だった。
全123件中、41~60件目を表示