渇きと偽りのレビュー・感想・評価
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それにしても、エリックバナ、素敵でした。
皆さんのレビューを見て、鑑賞。原作も読んでみたくなりました。 オーストラリアの広大な乾いた大地と、回想シーンの若者たちとみずみずしさと自然の豊かさとの対比が印象的でした。 エリーの歌う、Under The Milky Way、美しくて とっても切なかった。
原題がしっくりくる
すべて主人公の視点で一緒に彷徨い考え事実に近づいていく作品。また主人公が胸の内を語ることはなく、彼が見たもの聞いたものを元にともに考える。飽きることのない時間でした。また事実を求め満たされることのない姿と映画の中で起きている干ばつによる渇きがリンクし本当に喉の渇きを覚えるようだった。 そして、私の場合は最後の最後にあったのは怒りでした。
渇ききった地で起きる上質なサスペンス
今と20年前が行き来し、相互の事件が少しずつ交わり紐解かれていく上質なサスペンス。キャラクターたちが抱えている秘密の情報開示がとてもうまくどんどん惹き込まれていく。加えて干ばつによる環境の変化に伴い心までもが渇ききっている田舎の殺伐さがよりスリリングを増している。それがオーストラリアという土地の特性を存分に活かしていて申し分ない。最後の余韻は個人的にはとても良かったです
ミステリー映画はあまり好みではない。が、いい作品だった。
私は推理小説を殆ど読まない。どうしても、犯人探しをしてしまうからだ。文章や登場人物の性格、或いは真実性を重視するタイプの人間だ。この種類の映画も殆ど観ない。 原作の小説だと、気になった箇所は読み返すことができる。が、映画だと時間が流れて反芻できない。 この映画もそうで、気になった場面も流れてしまう。映画では時間の制約があって仕方がない。 ただ、現在と過去に行ったり来たりする場面が多すぎやしないと感じた。 でも、それなりに楽しめたので、良しとしよう。
オーストラリアの現実
広い大陸に比例するかのように描き出される登場人物の心の闇、闇、闇。単純にオージー・ビーフとコアラとカンガルーの国ではなかったんだな、と。でも、嫌がらせに子牛の死骸とは、何ともオージー・ビーフらしい…
緊張感が持続する117分
観終えた感想は「いやぁ~騙された!」でした(良い意味で) のっけから重苦しい雰囲気でストーリーが展開されるのですが、わが国でも古くから続く集落などに見られる排他的な雰囲気、住んでいる誰もが知っているのに大っぴらには声を上げない出来事、それがオーストラリアの街で繰り広げられて行き、20年前の事件と絡め、映し出される人物それぞれが犯人では?と思い込まされる。まさに制作サイドの意図する方向へ意識が傾き始めます。 ジリジリ・モヤモヤしている時間がラスト間際に一気に急展開!え?犯人はあの人?でもそれでは過去の事件との繋がりは?頭を悩ませているとエンディング直前で伏線回収。 よく練りこまれた物語だと感服しました。 エリック・バナの影を帯びた表情にも引き込まれました。 それにしてもほぼ1年間雨が降らないなんて、農業従事者にとっては死活問題、その土地ならではの問題点も生かされていました、お勧めしたい一作です。
原題はThe Dry
少し時間できたので、高評価レビュー多いから見てみた。アメリカもそうだけどオーストラリアの干ばつ、山火事問題もこんな映画出来ちゃうくらい深刻だ。クライマックスのハイスピード必死具合も納得です。 子供の頃過ごした街で過去と現在起きた事件を並行して解明していく話。まあ小さな街の話しだから二つの事件が絡んでいるというよりは、関係者が同じで、更に重要人物が死んじゃった所から話が始まる訳です。 複雑に絡むと言うより、別な案件を同時にトレースするから分かりづらいだけかな。 名前や愛称が覚えられず、少し前半戸惑いました。 過疎って程ではないけど、この干ばつの為に街を離れる人も増えるのでしょう。 豊かな水を湛えた川や湖と若かったころの甘酸っぱい思い出と、カラカラに乾いた皆んなの心と川底の対比が切ないです、景色がなんとも悲しい。 どうやって若い頃の森や川を撮ったんだろ?、、 水入れて撮ったんだろうか、、CGか別場所ロケかな、、エンドロール真剣に見とけば良かった。
オーストラリアには検死とか無いのか?
雰囲気とか描き方は良かったです。 過去と現在が平行して描かれますが、事件が関連してるともっと良かったのですが。 それにしても、あんなに後頭部破壊されて自殺と判断されること有るのかな? 雨降らないから足跡とかも残ってるだろうに。。
ネバーセイ・ネバーアゲイン
オーストラリア映画。もの凄い掘り出し物もあるけれど(「プリデスティネーション」オススメ)、社会通念みたいなものがちょっと違い過ぎて受け入れられないモノも多い印象。まぁ、国外作品なんてそんなものでしょうし、それも体験のひとつとして楽しんではいるんですけどね。コレは掘り出し物でございました。 ほぼほぼ一年雨の降っていない人の心も含めたガサガサ感は、(導入は良かったが)結果的には少し物足りなかったか。それでも「ツイン・ピークス」を思い出しちゃう様な閉鎖的な田舎街のクセモノ達と、そもそもクセだらけの主人公の渇いていく様はビリビリときました。「沈黙のパレード」をドライにした感じとでも言えば伝わりやすいでしょうかね。自分はコチラの方が好みでした。
第二の天性
妻と息子を殺害したのち、自殺したとされる旧友ルークの葬儀に参加する為、故郷に戻って来た連邦警察のフォーク。何か偽りがあるのだと、この事件の真相を探りたい一方で、彼自身も過去に起きたある出来事に何か関わっているようで・・・と言った物語。 過去と現在の2つの事件を軸に描いた、重厚なサスペンスでミステリーな作品。 とりあえず、死んだルークが犯人ということで片付けられている模様だが、それを信じない彼の両親はフォークに捜査を依頼。 しかし、20年前の少女が亡くなった事件の犯人だと疑われたままのフォークは、一部の人達から酷い扱いを受け、捜査が難航していく。 もうね、このテの作品が好きなワタクシとしては、垂涎ポイントだらけで釘付けでした(笑) まず、登場人物が皆いちいち怪しい。 亡くなったルークもやっぱり怪しげだし、エリーの従兄弟、事件直前まで一緒だったという農夫、お医者さん、なんならグレッグやグレッチェンまで本当に信頼できるのか? もっと言えば、フォーク自身も過去の事件について何を知っているのか知らないのか。。観客側にはなかなか明かされず、主人公でさえもどこまで信じてよいのか。 考察しながらみるのが好きなので、この攪乱は嬉しい限り(笑)‼ 終始哀し気な雰囲気と緊張感が漂い、それでいて展開は複雑すぎず、しかし犯人の見当はつかず・・・。まさに観易いながら考えさせられるミステリー。 あ~この人が犯人か。。 と、漸く映画がまとめにかかったと思い、ワタクシ自身落ち着きだした所で・・・え、急に皆どうした変な動きして!? もうここからは前のめりですよホントw‼ そこからはあーなってこーなって、これが真実か‼ アニメとスイーツ系以外は粗全ジャンル観るワタクシですが、やっぱり映画ってこういうのが最高ですね。 しかしまだまだ終わらない。まだ明かすべき謎が残っていますもんね。そして・・・。 兎に角ワタクシ好みの作品でした。間違いなく今年の暫定トップ3に食い込んできますね。 ストーリーも勿論、砂漠の荒廃した寂し気な空気、そしてキャラクターも皆魅力的。 個人的にはグレッグとホテルのオーナーさん、そして少ししか出なかったけどジェイミーのお婆ちゃんがお気に入り。また、ジェイミー自身の言葉も本作の核心を突いてましたね。 ミステリー作品って意外と少ないですからね。今回はオーストラリアでしたが、ホント各国に作ってほしい(笑) 普段大型作品しか観ないような方々にも是非観てほしい。 きっとミニシアターファンになっちゃいます。 ・・・ただ、フォークは結局本当に真実に辿り着いたのかな。。? よくよく考えたら、最後までのことが書かれているわけないし。。まぁ推察は充分できるだろうけど。 とにかく、連休最後の憂鬱な夜に、思いがけず突如出逢った傑作だった。
オーストラリアの田舎町の地方色や雰囲気は良く出ていた。ただ、ミステリとしてはやや淡白。“渇いていた”のは土地ではなく人の心だったというテーマはちゃんと伝えられている、とは思う。
①Oxford Dictionaryを見ると「The Dry」でmainly Australian the dry season⚪Australian a tract of waterless country とあった。つまり、オーストラリア(確かに海浜地帯以外の国土は殆どは砂漠だもんね)=「乾いた土地、水の無い土地」ということで、原題が『The Dry』というのも、そういうオーストラリアの田舎町を舞台にした話というくらいの意味合いで捉えたら良さそう。そういう意味では邦題はちょっと外してるかな。映画を観てても1年近く雨が降っていないにしては町の人はあまり困っていないみたいだったし、農場もウサギがいるくらいだから全く不毛ではないようだし。ただ、舞台となるキラエアという町はヴィクトリア州内の設定でありヴィクトリア州は最内陸部はともかくオーストラリアでも緑の多い地方なので、世界の砂漠化は進んでいるんでしょうね。 ②田舎町の人間が余所者を嫌ったりコミュニティー内の結束が強いのは、アメリカの西部でも、イギリスの田舎でも、私の生まれ育った奈良の田舎町でも同じなので、特にこの町が特別というわけでもない。 ③田舎町の犯罪だから手抜きをしたのか人手が足りなかったのか、何故ルークが図った無理心中だと決めつけた説明がないので最初からミステリ性が弱い。覆されそうもない状況であればこそ真相の意外性が際立つのに。それと、私は長くミステリを読んできた習性ですべての登場人物を疑う上、映画も誰も彼も疑わしく描いているだけで捻りがないので真相が分かっても“ああ、そういうことだったのね”感が先に立って悲劇性が薄い。校長のルーク殺害のシーンでは石でルークの頭を二度殴っているが検死の時に問題にならなかったのかしら。そうだとするとオーストラリアの検死官もかなりのボンクラと言わざるを得ない。 ④エリーの死のいきさつは中盤くらいで大体読める。高校時代のグレッチェンの言ったこととエリーの墓をアーロンが参った時にエリーのおヤッさんが出てきて墓を守っていると言ったところでピーンと来る。 ⑤最後までだれないので演出力はある。ただ、あまりに淡々として緩急が足らない点もあり、校長がガソリンを撒いて自殺を図るクライマックスはもう少し盛り上げて欲しかった。スローモーションだけでは物足りない。あと、意外性を狙ったせいか校長の人物像が描き足りなくて追い詰められて已む無く犯行に走った感がないので手前勝手という印象しかなく(あんなところでガソリン撒いたらどうな分かりそうなもの。都会人がオーストラリアの田舎の現状を理解していないということを描きたかったのか?)同情出来ない人物像になってしまっている。(奥さんは最初から疑っていたんでしょうね。)ビリーまで撃ち殺さなければならなかったところももう少しサスペンスと悲劇性が欲しかった。 ⑥エリック・バナはオーストラリア生まれ育ったんですね。だからオーストラリア英語があんなに自然だったんだ。歳を取って渋いイケメンぶりになってきたが、時々若い時のビル・マーレーに見えるときもあり。 ⑦原作(英国推理作家協会(CWA)賞ゴールド・ダガー賞(最優秀長篇賞)は面白そう。蛇足ながら同じ最近のゴールデン・ダガー賞授賞作ではM・W・クレイヴンの『ストーンサークルの殺人』もお薦め。
ウサギ狩り
324日雨が降っていないオーストラリア内陸部の田舎町で起きた一家心中事件の真相を追う、昔この町を追われた連邦捜査官の話。 心中した家長ルークの旧友のアーロンが葬式に参列する為に町を訪れ、心中を信じられないルークの両親に頼まれて事件を追うストーリーと、10代の頃アーロンが町を追われることになった事件の記憶をみせていく。 過去の話はアーロンを追い詰めたり非協力的にする役目と、心中事件の犯人を攪乱するぐらいの役割かな? まあ、それのおかげでルークの人柄が良くみえるけれど。 昔を話しでしか知らない新人警察官や校長先生や医師の手を借りつつ、トラブルに見舞われながらも事件を調べ綻びをみつけて行くサスペンスで、なかなか観客の引っ掛け方も上手いし最後まで愉しめた。 ただ、リュックからの件はちょっと違和感があり、まあその言い分もわかるけれどねぇ…とイマイチしっくり来なかった。
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