「砂漠の流れ者」渇きと偽り 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)
砂漠の流れ者
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「蜜蜂と遠雷」とか「傲慢と善良」のたぐいのタイトルですね、これは。原題は単に“The Dry”だ。しかも324日間雨が降っていないというのだから、「渇き」より本当の「乾き」の方である。まさしく「スーパードライ」、ただコクはあるけど、キレはあまりない。
物語の展開としては、そもそも警察の捜査の詰めが甘く、主人公が真相に気づくのもone wordという呆気ないもの。途中まではまたぞろ20年も前の事件が遠因というパターンかと懸念していたら、そこは杞憂だった。エリー事件の決着が投げっ放しなのが気になる。
本筋の事件捜査よりも、田舎の(「ロリ・マドンナ戦争」的な)粗暴な不穏さの方が横溢していた。
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