「観客をミスリードすることに心血を注いだ推理ドラマ」渇きと偽り tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
観客をミスリードすることに心血を注いだ推理ドラマ
現在と過去の2つの事件を巡って、聴き込みと回想のシーンが延々と続くが、新たな事実は明らかになるものの、真相に近づいているという気配がいっこうに感じられないため、退屈で、あまり引き込まれない。
何よりも、過去の事件に自分がどう関与したのかを、当然、主人公は知っているはずなのに、それが断片的な回想シーンでしか示されないので、フラストレーションがたまってしまう。
それまで停滞していた話が、ラスト近くになって一気に進展するが、観客の裏をかくことに主眼を置いたような結末には、どこか、肩すかしを食ったような気分になってしまった。
過去の事件については、干上がった川の跡から、何か手掛かりになるようなものが見つかるのかとも思ったが、そうした仕掛けもなく、結局、現在の事件との繋がりもなかったとは・・・
事件の真相に、人間ドラマとしての厚みが感じられないところにも、物足りなさが残った。
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