「ミステリー小説を上手に仕上げた映画」渇きと偽り Garuさんの映画レビュー(感想・評価)
ミステリー小説を上手に仕上げた映画
どんな映画だろうと観始めたら、 これがなかなか手の込んだミステリー。冒頭の死体のシーンからタダならぬ雰囲気が漂い、期待が高まる。 非番の警察官フォークを演じるエリック・バナが、落ち着きのある芝居で好感触。 タイトル通りDRYな空気の中だけで淡々と物語が進むので、2時間は若干長く感じたが、 大満足と中満足の間ぐらいの満足感であった。
原作がベストセラーだったそうだ。 実際、面白いミステリー小説を、監督が上手に料理したといった印象。 ただ、ミステリー自体の出来が良いから面白く出来たものの、映画作品としては、それ以上のものにはならなかった…とも感じる。
乾ききった大地、閉鎖的な町の空気、そして、現在と過去の二つの事件。 作品を構成するこれらの事象が、 奥深い事実によって密接に関連づけられていることを、もっと明確に描くことはできなかっただろうか。 素人の勝手な意見だが、何倍も面白くなり得た作品のような気がする。
干上がった大地で起こったこの血生臭い出来事は、 エンディングで流れる「Under The Milky Way 」という印象的な曲と共に幕を閉じる。 雰囲気のある歌声で、結構良かった。
膀胱がパンパンじゃなかったら、エンディングロールの最後までいい余韻に浸れたのだが…痛恨のミスである。 上映前にコーヒーを飲まず、渇いた状態で席に着くべきだった。 ぬぅぅ…
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