「心が燃える"変われる"という証明(人も映画も)!最高」ロッキーVSドラゴ ROCKY IV とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)
心が燃える"変われる"という証明(人も映画も)!最高
2000ポンド超えのパンチ力で見る者の魂にガツンと響く"トラの目"!前作3の敗北と挫折から始まる友情に夫婦愛、そしてファイターとしての生き様…胸アツ度が段違いな気がした、感情的に満たされる濃厚すぎる90分。
コロナ禍という怪我の功名、アーティスト表現者たちにとって自らと対峙し己と向き合うの創作期間、やり残しや後悔を残さないためにも。オリジナル版未使用の膨大な撮影素材含めスタローンが自身の望む通りに再編集した力作で、もはや別モノ別作品と言ってもいいかもしれない佇まいに熱量。
なんせ今回42分の追加映像に対して、本編尺は94分ほどとオリジナル版から3分ほどしか伸びていないのである。つまりそれは(ドラマを紡ぐ上で不要であると判断されたシーンが)相当まるっとカットしているということ。"MTV編集(笑)"も名高い当時のオリジナル版から平和パートや、レトロフューチャーな時代を感じるポーリーのロボット周りなどである。
それらによって大枠としてシンプルなストーリーラインのドラマは厚みを増し、単なる娯楽作として以上にしっかりと感情揺さぶられるものになっているのである。本当に"愛すべき/芳ばしい"無駄なシーンが一切と言っていいほど無い、特訓パート終えた最終決戦のときの仕上がった体くらいストイックな作りに豹変しているさまには驚いた。(記者)"それにしても展開が速いのでは?"少しおかしなペース配分も気にならないほどに力強く、なんて見応え。突き動かされる。
だから、ジェームズ・ブラウンのLiving in America派手パフォーマンスの数分後には泣いているというカオスな状況にも自然となってしまう。あとドラゴのパンチの音、重すぎ重低音。お馴染みSurvivorはじめサントラはやっぱりいい。トレーニング特訓パート・モンタージュとEDで大好きなHearts on Fire、2回聴ける。音響のいい上映フォーマット環境で見たという点も大きいだろうけど、手数の多いハイハットの一音一音までハッキリと聞こえた。そして胸熱メッセージなラストまでノンストップな興奮と感動!2000万人が殺し合いをするよりいい。政治家や、平和へのヒント道筋。誰かプーチンに聞かせてやってくれ。
エイドリア〜ン!ならぬドラゴ〜!今回の公開にあたって作られた日本版予告では『トップガン/マーヴェリック』バブルに乗っかるように"トップガンと並ぶ80年代を代表する金字塔"みたいな文字が踊っていて違和感を覚えたけど、実際今回の変更を見て、これなら(まだ)そう言ってもいいかもしれないし誇大広告感は無いなと思えた。
P.S. 当時らしさを感じるセーターなどの服。