「誇りを懸けて…より熱くエモく蘇った死闘!」ロッキーVSドラゴ ROCKY IV しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
誇りを懸けて…より熱くエモく蘇った死闘!
ロッキー・シリーズ第4作のディレクターズ・カット版。
字幕スーパー版で鑑賞。
オープニングから違うのには驚かされましたが、シルベスター・スタローン監督によって見直された本編は、オリジナル版よりも人間ドラマに深みが増し、洗練された印象でした。
無駄なシーンを省いたことで焦点が定まり、ファイターとしてのプライドをかけてドラゴに挑んだアポロの決意や、友のため、誇りのため、命をかけた試合に臨むロッキーの心情、彼を心配しながらも全力で支えようとするエイドリアンの心の揺れ動きが克明に浮かび上がって来るようでした。
クライマックスのファイトシーンも長くなっている気がしました。スクリーンいっぱいに展開された死闘は、まさに「ロッキーVSドラゴ」のタイトルに相応しい激しさで、劇場内に響く打撃音や包み込むような歓声に興奮してしまい、座席から身を乗り出して手に汗握り観入ってしまいました。
ロッキーの最後のスピーチ、現実が現実なだけに一層心に響きました。1日でも早く平和が訪れることを祈るばかり…
[余談1]
ロッキーとドラゴの試合後の、ソ連首脳陣の描き方がオリジナル版から180度変化していたことに驚きました。
2パターン撮っていたとは…。本バージョンが公開されたタイミングを考えると、監督の先見の明、と云うことか?
[余談2]
タイミングと言えば、今年になって立て続けに、80年代を代表する作品を、片やきちんと踏まえた完璧な続編(トップガン:マーヴェリック)、片や監督の手によって新たに生まれ変わらせたバージョン(本作)を映画館で観られるだなんて、そんな夢のような瞬間にリアルタイムで遭遇することが出来て幸福過ぎる。映画が好きで良かったと心の底から思いました。
観に行ってはいませんが「サタデー・ナイト・フィーバー」や「フラッシュ・ダンス」もリバイバルされていましたし、80年代の作品がブームになりつつあるのかもしれませんねぇ…