劇場公開日 2023年9月15日

「民謡ってなに?」ブリング・ミンヨー・バック! 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5民謡ってなに?

2023年12月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

民謡とラテン音楽を融合した、民謡クルセイダーズ。その彼らのドキュメンタリー。
民謡は今ではダサい、と言っちゃもったいないほどのノリノリのライブが目白押し。ヨーロッパツアーの会場で欧州人たちが訳も分からず身を委ねる姿は、民謡という音楽のもつ魅力が成せるもの。そりゃ、本来は大衆音楽だものな。どの国にだってあるソウルミュージックだもの、気持ちよくなれる。だから、ラテンにだってピッタリとはまる。コロンビアまで渡ってセッションすれば、かの地のミュージシャンたちとも簡単に息が合う。見ているこっちも嬉しくなる。
一年に一度の燃えるような地方の盆踊りだって、百姓や鉱夫や漁師が節を合わせて歌う歌だって、民謡は民衆のもの。そう、郡上や白鳥の盆踊りは、とてもエモーショナルだった。あれは誰かが頼まれて作ったものじゃなくて、自然とできちゃったものだわ。
インタビューで言う。民謡は、本来は大衆音楽なのに、伝統芸能になってしまったと。それをもう少しラフなものに戻してあげたいと。民謡を風景にしたいと。お座敷歌にもなり、ジャズアレンジも加えられたりしてきた民謡は、時代時代でカスタマイズされて、また後世にバトンタッチされていくものなのだから。これからも先、いつでもそばにある歌であってほしい。

※上映後、この日はミニライブあり。
メンバーは、フレディ塚本(うた)、リーダー田中カツミ(パーカッション)、秋山カズヒサ(三味線)。
1.ソーラン節 2.こきりこ節 3.じょんがら節(三味線独奏) 4.刈干切唄(独唱) 5.会津磐梯山 6.秋田大黒舞
前の席の爺さんが一曲リクエストした。そして一緒に歌っていた。それがとても素敵な景色だった。

栗太郎